概要
New Relicのサービスレベル管理は、サービスレベル指標( Service Level Indicator : SLI )を APM サービスやブラウザアプリと関連付けると、New Relic はいくつかの典型的な SLI とその NRQL のクエリを提案します。また、NRQL を使ったカスタマイズにも対応しており、柔軟な設定が可能です。しかし、これまでは単一属性の集計にのみ対応していたため、複数の属性を合計した SLI の設定には対応していませんでした。
2023年6月のアップデートでは、SLI のクエリでワイルドカード(%)が使用可能になりました。この機能を用いることで、送受信(transmit、 receive)やステータスコード(2XX、3XX、4XX、5XX)等を含む複数の属性を集計して SLI を設定することが可能となります。
このアップデートの詳細はこちら。
New Relic アップデート(2023年6月)
New Relic アップデート一覧
New Relic株式会社のQiita Organizationでは、新機能を含む活用方法を公開していますので、ぜひフォローをお願いします。
ワイルドカード(%)使い方
SLI をカスタマイズする場合は、Add service level 画面の「 Customize SLI 」から設定が可能です。
ワイルドカードは、Event と Metric どちらのデータでも使用が可能です。今回は Prometheus で収集したコンテナの送受信パケットのMetric データを使ってワイルドカード(%)を試してみましょう。
Metric データを使用する場合は、属性の候補が多くなるため、選択肢の中に目的の属性が表示されないケースがあります。そのため Query Your Data の Data explorer で使用する属性を確認しましょう。
コンテナの送受信パケット数は、container_network_receive_packets_total
と container_network_transmit_packets_total
の2つ属性の合計です。
それぞれの属性の共有項目を残しワイルドカードに置換するため、Select
に container_network_%_packets_total
を入力します。設定の候補には表示されないため、直接入力して設定してください。
ワイルドカードは、 valid event と good responses、 bad responses のどちらでも使用可能です。上記の例では container_network_receive_errors_total
と container_network_transmit_errors_total
をワイルドカードを利用して container_network_%_errors_total
を設定しています。
このように NRQL を使って SLI を設定できるとチャートが表示され、設定内容が確認できます。
まとめ
2023年6月のアップデートにより、サービスレベル指標(SLI) のクエリでワイルドカード(%)が使用可能になり、より柔軟なSLIの設定ができるようになりました。今回は、Prometheusのメトリクスを使用しましたが、カスタムイベントやカスタム属性でアプリケーションから収集した独自のデータを使ったサービスレベルの設定に利用できます。例えば、処理Aと処理Bの処理結果を集計してサービスレベルに設定するという活用方法です。この新機能を活用して、サービスレベル設定の活用の幅をさらに広げてみてください!
このアップデートの詳細はこちら。
New Relic アップデート(2023年6月)
New Relic アップデート一覧
New Relic株式会社のQiita Organizationでは、
新機能を含む活用方法を公開していますので、ぜひフォローをお願いします。