はじめに
JDLA主催のE資格合格に向けた勉強のお供としてChatGPTを使用しました。
実際に使ってみて有効的だと感じたので、実査にやった内容を紹介します。
E資格とは
JDLAが主催しているディープラーニングに関する資格試験で4択問題が100問前後出題されます。(資格の詳細は本題からずれるので詳細します。)
https://www.jdla.org/certificate/engineer/
課題
AIに関する資格ということもあり試験の出題範囲が良く変わります。そのため、最新の参考書が実際の出題範囲と一致していないという課題がありました。
やったこと
試験範囲が異なるので、参考書だけを解いても合格できません。
そのため、シラバスを確認しながらChatGPTに試験の模擬問題を作ってもらいました。
実際の例
私はAIの勉強をしています。
DQNに関する四択問題を出していただけますか。
私が回答したら、解答を教えてください。
もちろん、DQN(Deep Q-Network)に関する四択問題を作成します。
問題:
DQNに関する以下の記述の中で、最も正確でないものはどれでしょうか?
A) DQNは深層学習を使用してQ-learningのQ関数を近似する。
B) DQNは経験再生(Experience Replay)を用いて、過去の経験をランダムにサンプリングして学習する。
C) DQNは毎回の学習ステップで必ず報酬が最大となる行動を選択する。
D) DQNの目的は、累積報酬を最大化するポリシーを見つけることである。
お答えをどうぞ!
(解答するまで、正解を伝えません。)
D
実際に、選択肢D「DQNの目的は、累積報酬を最大化するポリシーを見つけることである。」は正確な記述です。
DQNの目的は、報酬の総和(累積報酬)を最大化するような行動を見つけることです。
正確でない記述は選択肢C「DQNは毎回の学習ステップで必ず報酬が最大となる行動を選択する。」です。
DQNはε-greedy法を用いることが一般的で、これにより探索と活用のバランスをとります。
εの確率でランダムな行動を選択し、1-εの確率で現在のQ値が最大となる行動を選択します。
したがって、DQNが毎回報酬が最大となる行動を選択するわけではありません。
正解は選択肢Cです。
次の問題お願いします。
もちろん、DQNに関するもう一つの四択問題を作成します。
問題:
DQNの改良点の一つとして導入された、固定されたターゲットネットワークの役割は何でしょうか?
A) 現在のQネットワークの学習速度を高めるため。
B) Q値の更新時の目標値を安定させるため。
C) Experience Replayメモリのサイズを削減するため。
D) ε-greedy法のεの値を動的に変更するため。
お答えをどうぞ!
(解答するまで、正解を伝えません。)
B
正解です!
選択肢B「Q値の更新時の目標値を安定させるため。」が正しいです。
DQNにおいて、固定されたターゲットネットワークは学習中のネットワーク(主ネットワーク)とは独立して、一定の間隔で更新されます。
このターゲットネットワークを使用することで、Q値の更新の際の目標値が高頻度で変動するのを防ぎ、学習の安定性を向上させることができます。
お答えいただき、ありがとうございます!何か他に質問や要望があれば、お気軽にどうぞ。
よかった点
わからない用語はすぐに質問できる。
問題集を解いていると、分からない単語が登場することが多々あると思います。
通常であれば、参考書で調べたりネットでググったりする必要がありますが、ChatGPTであれば問題に回答した流れで、そのまま質問をすることが可能です。
出題される問題が毎回異なる。
同じ問題集を解いていると段々と答えを暗記してしまうと思います。
ChatGPTは出題するたびに問題文や選択肢が異なるので、答えを暗記するということが発生しません。
注意しないといけない点
最新技術に関する問題は出題できない
当たり前ですが、ChatGPTは学習に使用した時期までの知識しか知りません。
今回は大丈夫でしたが、最新技術に関する資格試験の場合はChatGPTに問題を作ってもらうことが難しいかもしれません。
解説が正しいとは限らない
あくまでAIなので問題文や解答が100%正しいとは限りません。出力された内容を鵜吞みにしないよう注意が必要です。
とはいえ、実際に使用してみてあからさまに嘘をつかれることはありませんでしたし、ChatGPTが出力した内容が本当かどうかを改めて調べることで、より出題内容の理解を深めることができました。
おまけ
おかげさまでで無事にE資格に合格することができました。
次に別の資格を受験する際も、またChatGPT先生に頼ると思います。