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RPAで業務を自動化する前に考える4ステップ

Last updated at Posted at 2022-03-14

え?まだExcelで作成したレポートを定期的にメールで連絡しているんですか??
おめでとうございます、業務改善のチャンスです!!

今回は、定期的なレポート業務の効率化を例に、どのように業務を効率化していくのか紹介します。
実際に作る作業は次回になります。

RPAで現在の業務をいきなり自動化しても一定の成果は上げることはできますが、より良い方法は現行業務の理想形を考えて必要な箇所にRPAを適用することです。

実際に私が働いていた以前の職場では、職場アンケートを実施して、集計したレポートを労働組合員に送付するという業務を労働組合が行っていました。このレポート業務を例にして、次の5つのステップで業務改善の方法を学んでいきましょう。

STEP1. 現行業務に問題意識を持つ

まず、現行業務に問題意識を持たないと改善が進みません。

例:職場アンケートのアンケート用紙が紙のため、全社員のアンケート結果の集計に半年程度かかっている。

自動化や業務効率化を学んで振り返ってみて、前職で行っていた方法はなんて非効率的な方法であったか分かりましたが、当時はこのアンケートに対して問題意識も改善意識もあまり持っていませんでした。

業務改善の最初のステップは、現在行っている方法よりもいい方法があることを知り、現在の方法には問題があるということを知ることではないかなと思います。
「無知の知」「不知の自覚」というやつですかね、深いー。

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STEP2. 現行業務の目的から理想形を考える

業務に問題があると分かった後は、目的から理想形を考えていきます。
ここで目的を考えずにRPAで自動化をせずに我慢すると、RPAの工数削減以外の効果が出てきます。

まずは、業務をなくすことができないか?業務を他の業務と統合できないか?というそもそもこの業務が必要なのかというところから考えていきましょう。

業務が必要と判断した後は、業務の目的を明確にします。

例:職場アンケートの集計とレポート結果送付業務の本来の目的は何か?

Excelで作成したレポートを送付することが目的なのでしょうか?
本来の目的は、職場の問題を可視化・分析して改善策を打ち、職場をより良いものにすることだと思います。
Excelで作成したレポートはこの目的を達成するための手段の1つに過ぎません。
Excelでのレポートはデータのある1つの側面を可視化したものですので、より多角的に分析するために、BIツールを使用するべきと判断しました。

理想形:アンケート結果はExcelのレポートではなくBIツールのレポートで皆が参照できるようにする

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STEP3. 現行業務の課題から理想形を考える

現行業務の目的から理想形を考えた後は、現在の業務の課題を明確にして解決できるように理想形を進化させましょう。

例:職場アンケートの集計とレポート結果送付業務の本来の課題は何か?

一番の課題はアンケートの集計に半年という期間がかかっているためです。
もしもアンケートで「パワハラを受けていますか?」という設問で正直に「Yes」と答えた人がいても分かるのに半年程度かかるため、その回答者は半年間もパワハラを我慢しないといけません。
これは集計にかかる工数が大きいことよりも、重要な課題です。

更に課題を挙げるとすれば、全社員に対してアンケート用紙を印刷して拠点含めて送達するコストも課題です。

この課題を解決する理想形は何か?なぜ集計に時間がかかるのかというなぜなぜ分析をしていくと、やはり紙での運用が問題だと分かります。
ここで、紙運用をやめて電子化することにします。Microsoft Formでアンケートを行うように業務を変更すべきと判断しました。

進化した理想形:Microsoft Formでアンケートを行い、アンケート結果はBIツールのレポートで皆が参照できるようにする

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STEP4. 理想形の新たな課題から更なる理想形を考える

新運用を検討後、新運用で発生しうる新たな課題が無いか検討します。

例:Microsoft Formでアンケートを行い、アンケート結果はBIツールのレポートで皆が参照できるようにすることの課題は?

この場合、PCを持っていない人はどうすればいいのかという問題がおそらく出てきます。
よって、PCを持っている人はフォームで、PCを持っていない人はアンケート用紙で集計するという運用にします。
PCを持っていない人がいるために全員が紙で運用しなければならないということは無いので、0か1で考えずに柔軟な考えが必要になります。

紙のアンケート用紙の集計を効率化するためにはどうすればいいのか?

AI-OCRを利用して、アンケート結果の集計を効率化します。
フォームを利用せずに全てAI-OCRでいいのではと考えるかもしれませんが、AI-OCRは読み取り枚数によりコストが変わるため、できるだけ枚数が減るようにしなければなりません。このためフォームとの運用と並行します。

AI-OCRを使用することにより発生しうる課題は何か?

一般的にAI-OCRで課題となるのは認識率です。
誤った情報をアンケート結果に反映されないようにしなければなりません。
手書きの場合は、認識率の高いAI-OCRでも100%の認識率は出ません。
UiPathのAction Center機能を使用して、AI-OCRで取得したアンケート結果を目視でチェックするようにすべきと判断しました。

進化した理想形:PCを持っている人にMicrosoft Formでアンケートを行い、アンケート結果はBIツールのレポートで皆が参照できるようにする
PCを持っていない人は紙でアンケートを行うが、AI-OCRで集計を行い、Action Center機能を用いて目視で最終確認を行う。

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STEP5. 実際に作る

職場アンケートの集計とレポート結果送付業務の理想形が定まりました。
次回から、実際にAI-OCR、BI、RPAを連携させて業務を自動化していきます。
https://qiita.com/ManabuTech/items/352f1a93d74374228425

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