はじめに
2020年春から、Jetson Nano開発者キットを使用して来ましたが、今回、同じくNVIDIAのJetsonシリーズで、その上位版と言えるJetson TX2 NX moduleを購入して環境を立ち上げました。
使用しているキャリーボードは、Seeed社製のA203(Version 2)。
使用している放熱板はこれ。
シリアルコンソール用のUART-USBコンバータはこれ。
ちなみに、microSDは、A203のSDスロットに刺してみてはいるが、まだ検知に成功していない。
初期セットアップ
基本的に、「Jetson Nanoのクロスビルド環境の構築」にて説明している方法で、TX2 NX moduleもセットアップできた。
初めてのブートとセットアップ
日本語環境のセットアップに関しては、「Jetson Xavier NXの使い始め(初期セットアップ....」にて紹介しているので、何かひっかかってしまった人は参考になるかも。
また、ホストPC側でのセットアップ時に、tools/l4t_create_default_user.shを使うことで、デフォルトのユーザの登録が事前にできるが、結局、日本語環境などの初期のセットアップは必要かと思うので、デフォルトユーザだけ事前に設定できてもあまり面白くないかも。
システムのバックアップやリカバリについて
今まで、NanoやXavier NXの開発者キットで開発作業をしている場合は、SDカードのイメージを時々フルバックアップしておくことで、不慮の事故などに対応していたが、ModuleでeMMCにシステムを構築している場合は、ホストPC経由でのバックアップやリカバリの環境を確認しておく必要がある。
バックアップを取りたい場合は以下の通り。
$ sudo ./flash.sh -r -k APP -G jetson_tx2nx_emmc_image.img jetson-xavier-nx-devkit-tx2-nx mmcblk0p1
flash.shスクリプトの-Gオプションがポイント。
不慮の事故などで、バックアップ時点からやり直したい場合は、前記の方法でバックアップしておいたシステムイメージを書き込んでリカバリする。
$ cp jetson_tx2nx_emmc_image.img bootloader/system.img
$ sudo ./flash.sh -r -k APP jetson-xavier-nx-devkit-tx2-nx mmcblk0p1
おわりに
今回は、Jetson TX2 NX moduleをSeeed社製キャリーボードA203v2に搭載してセットアップして、システムのバックアップやリカバリの方法を確認した、というところまでの記事になりました。
長い間使用して来たJetson Nano開発者キット(元々は12000円ぐらいで買えていたものが、今、見たら30000円になってます)と同等の動作ができることまでは確認してあり、パフォーマンス的な確認はこれからです。
おまけ情報ですが、今回、moduleをターゲットにするということで、やはり、Ubuntu PCを活用したいということで、それ用に一台、ミニPC(Beelink-U59)を買って使用しています。結構気に入ったのでここで紹介しておきます。