IBM SPSS Statistics v28がリリースされました。
最新バージョン28の新機能をご紹介します。
Version 28の新機能
1.分析方式
・メタ分析
2.プロシージャーの機能拡張
・検定力分析の機能拡張
・比率統計量の機能拡張
3.片側t検定
4.その他の統計の機能拡張
5.使いやすさと生産性の機能拡張
メタ分析
複数の研究で類似した調査を行っている場合、それらの研究から得た結果をデータとして分析するメタ分析ができるようになりました。
メタ分析では、統計的手法を使用して、効果を総合的に推定したり、研究間の異質性を調べたり、最終的な結果に対するバイアスの影響を調べたりすることができます。
検定力分析の機能拡張
これまでは単一の検定力の値のみ指定が可能でしたが、複数の検定力の値や開始、終了の範囲と間隔を基準値として指定することができるようになりました。
これにより、サンプルサイズの上限(検定力の値が変化しなくなる点)を見つけやすくなりました。
比率統計量の機能拡張
価格関連バイアス (Price-Related Bias) が、散らばりのメソッドでサポートされるようになりました。信頼区間の算出もできます。
PRB は、高価格の資産の場合に価格比の評価が系統的に高いか低いかを示す指標です。
片側t検定
これまで平均の比較の各種t検定では、両側t検定のみの出力でしたが、片側t検定の出力が追加されました。
単純主効果の比較
これまでシンタックスコマンドで対応していた単純主効果の比較がダイアログボックスから選択できるようになりました。
参照カテゴリのデフォルト設定と配置の変更
これまで参照カテゴリのデフォルトは[最後]でしたが、[最初]に変更になりました。また、ダイアログボックス内の配置が、[最初]を左側に[最後]を右側に変更となりました。
これにより、カテゴリ値が0,1,2の場合、デフォルトの設定を使用した際に0を参照(基準)値とするため分析結果の読解をスムーズに進めることができます。
ワークブックファイル
これまでシンタックスと出力は別々のファイル形式でのみ保存できましたが、組合せたワークブックファイル(*.spwb)として保存することができるようになりました。
これにより、グラフや分析結果と同じファイルにシンタックスコマンドを一元管理でき、さらにシンタックスを実行することができます。
関係マップ
変数の相互関係を視覚化します。変数および、変数内のカテゴリ値をノード、そのノード間の関係性・影響の強さをリンク線で表します。
これにより、変数間やカテゴリ間の関係の強さが視覚的にわかります。
テーブル編集機能の強化
出力結果のテーブルを編集するダイアログボックスに引き出し式ペインが組み込まれました。
これにより、テーブル編集の際のクリック回数を減らして編集の効率化を図ることができます。
検索機能拡張
検索機能が更新され、メニューダイアログ、ヘルプトピック、ケーススタディ、シンタックスリファレンスの結果も得られるようになりました。
これにより、ユーザーインターフェースダイアログ、ヘルプシステムのトピックにある全ての語句を検索できます。
参考