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IBM SPSS Statistics 27 と 27.0.1の新機能

Last updated at Posted at 2020-11-12

統計解析ツールIBM SPSS Statisticsの情報発信です。
最新バージョン27の新機能をご紹介します。

Version 27(2020.6リリース)の新機能

【参考】
https://www.youtube.com/watch?v=D_X0F1g1BHw

<全般>
◎ Base機能がパワーアップ
Statistics Baseに、これまでオプションだったData Preparation(データの精査と整備に関わるデータ分析の前処理として必要な作業を効率的に行える機能)とBootstrapping(復元抽出法による標本抽出を繰返し分析を行うことで結果から信頼区間を算出する機能)が統合されました。

◎ 自動リカバリ機能により万が一のときにも安心
編集メニュー>オプション ⇒全般タブ
ファイルを定期的にバックアップし、アプリケーションが突然終了してしまった場合にリカバリ時点までファイルの復旧が可能になりました。

◎ プライバシー設定機能でIBMと情報を共有
編集メニュー>オプション ⇒プライバシータブ
アプリケーションとIBMとの情報共有をする・しないの選択が可能になりました。

◎ 問題点を報告する機能で製品の改善をリクエスト
ヘルプメニュー>問題の報告
製品の問題点をIBMへ報告することが可能になりました。

image.png

◎ Mac OSに対応した表現
編集メニュー>オプション ⇒全般タブ
フォルダの表示などがMac OS用の表現に対応しました。

◎ 検索機能により目的の情報を素早く表示
ツールバー ⇒検索ボタンimage.png

キーワード入力でヘルプトピック、ダイアログ、ケーススタディの検索結果の表示が可能になりました。

<分析>
◎ 検定力分析
【参考】
 https://www.youtube.com/watch?v=oswKdiORrBY
分析メニュー>検定力分析
検定力(Sample Power)とは、差があるときに差がある(検定結果が有意である)とする確からしさ(差を見つける力)です。検定力分析では、検定力の算出や検定に必要となるサンプルサイズの算出が可能になりました。
検定力分析に対応している分析

  • 平均
     -1サンプルのt検定
     -対応のあるサンプルのt検定
     -独立したサンプルのt検定
     -一元配置分散分析 
    -比率
     -1サンプルによる2項検定
     -対応サンプルによる2項検定
     -独立サンプルによる2項検定
    -相関
     -Pearson の積率
     -Spearman 順位相関法
     -偏相関
    -回帰
     -1変量の線型回帰

◎ クロス集計表にAPA形式*が追加
分析メニュー>記述統計>クロス集計表 ⇒セルボタン

◎ 度数分布表にAPA形式*が追加
分析メニュー>記述統計>度数分布表

*APA形式とは、学術論文などのアカデミック分野の文書に使われる書式で、アメリカ心理学会のガイドラインに基づいています。

◎ 相関行列の表示形式に選択肢を追加
分析メニュー>相関>2変量
相関行列内の重複表示の回避が可能になりました。
image.png

◎ 平均の比較機能に効果量の出力が追加
分析メニュー>平均の比較
効果量(effect size)とは、サンプルサイズに影響を受けない、データの単位に依存しない分析の効果を表す指標です。
効果量の出力が追加された分析
-1サンプルのt検定
-独立したサンプルのt検定
-対応のあるサンプルのt検定
-一元配置分散分析
image.png

◎ コーエンの重み付きカッパ係数
分析メニュー>尺度>重み付きカッパ
カッパ係数は評価間の一致度を測る統計量で、被験者間の信頼性を表す指標です。
重みをつけることで順序尺度に対する評価間の一致度を見ることが可能になりました。

◎ 分位回帰
分析メニュー>回帰>4分位
複数の分位点の指定が可能になりました。

<図表>
◎ バブルチャート
グラフメニュー>図表ビルダー ⇒散布図
散布図グラフの選択肢にバブルチャートが加わりました。

◎ グラフのエクスポートファイルのデフォルト変更
実動対応 PostScript (*.eps)の高解像度画像形式になりました。

◎ グラフテンプレートの拡張
編集>オプション ⇒図表タブ
サンプル設定とプレビュー機能が追加されました。

◎ 図表ビルダーの拡張
グラフ>図表ビルダー ⇒図表の外観タブ
外観設定機能により図表テンプレートファイルの直接選択が可能になりました。

◎ 図表エディターの柔軟性を強化
グラフ内の凡例やタイトルを直接 拡大/縮小したり、移動したりすることが可能になりました。

<その他>
◎ Python3.8.2同梱
◎ IBM SPSS Amos 27の機能拡張(Stanとの連携)

Version 27.0.1(2020.10リリース)の新機能

【参考】https://www.youtube.com/playlist?list=PLqOShOJkKHHZVys9yf1qm431iMxHO7vXY

<全般>
◎ 自動リカバリ機能の拡張
ファイルメニュー>「ようこそ」ダイアログ
復元ポイントのファイルの読み込みが可能になりました。

<分析>
◎ 2 変量の相関分析
分析メニュー>相関>2変量 ⇒信頼区間ボタン
相関係数の信頼区間の出力が可能になりました。
image.png

◎ 1 サンプルの比率
分析メニュー>平均の比較>1サンプルの比率
既定の比率と標本の比率の2群間の母比率の差の検定が可能になりました。

◎ 対応サンプルの比率
分析メニュー>平均の比較>対応サンプルの比率
同じ被験者の前後 (たとえば、被験者が説明を受ける前と後で賛成と反対の意見が変わったか)などの2群間の母比率の差の検定が可能になりました。

◎ 独立サンプルの比率
分析メニュー>平均の比較>独立サンプルの比率
被験者が異なる場合の2群間の母比率の差の検定が可能になりました。

◎ マクドナルドのオメガ係数の追加
分析メニュー>尺度>信頼性分析 ⇒モデル
オメガ係数は評価間の一致度を測る統計量です。被験者間の信頼性を表す指標として追加されました。

<図表>
◎ グラフのエクスポートにSVGフォーマットが追加
◎ グラフとテーブルの編集ウィンドウのツールバーにリセットボタンが登場
ツールバー ⇒ リセットボタン image.png

グラフやテーブルを作成時の状態に1クリックで戻すことが可能になりました。

◎ テーブルエディターに小数部の桁数を減らす・増やすボタンが登場
小数点以下の桁数の増減がクリックで可能になりました。
image.png

最後に

バージョン27の新機能はいかがでしょうか。
これがほしかったのよ!といった統計量やかゆいところに手が届く機能まで、ぜひ一度お試しいただければ幸いです。

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