はじめに
ローカルLLMの運用において、OllamaとLiteLLMの組み合わせは非常に強力なソリューションとなっています。本記事では、Google Colab環境でこれらのツールを効率的に統合する方法を解説します。
Ollamaとは
Ollamaは、ローカル環境でLLM(大規模言語モデル)を簡単に実行できるオープンソースのツールです。主な特徴として:
- 簡単なコマンドラインインターフェース
- 効率的なモデル管理
- 軽量な実行環境
- APIサーバーとしての機能
LiteLLMを使う利点
LiteLLMを導入することで得られる主なメリット:
-
統一されたインターフェース
- OpenAI
- Anthropic
- Ollama
- その他の主要なLLMプロバイダーに同じコードで接続可能
-
容易なプロバイダー切り替え
- モデルの指定を変更するだけで異なるプロバイダーに切り替え可能
- 開発環境とプロダクション環境での柔軟な切り替え
-
標準化されたエラーハンドリング
- 各プロバイダー固有のエラーを統一的に処理
実装手順
環境のセットアップ
# Ollamaのインストール
!curl https://ollama.ai/install.sh | sh
# CUDAドライバーのインストール
!echo 'debconf debconf/frontend select Noninteractive' | sudo debconf-set-selections
!sudo apt-get update && sudo apt-get install -y cuda-drivers
サーバーの起動とモデルのダウンロード
# Ollamaサーバーの起動
!nohup ollama serve &
# モデルのダウンロード
!ollama pull llama3:8b-instruct-fp16
LiteLLMを使用したモデル実行
from litellm import completion
response = completion(
model="ollama/llama3:8b-instruct-fp16",
messages=[{ "content": "respond in 20 words. who are you?","role": "user"}],
api_base="http://localhost:11434"
)
print(response)
プロバイダーの切り替え例
LiteLLMを使用することで、以下のように簡単に異なるプロバイダーに切り替えることができます:
# OpenAIの場合
response = completion(
model="gpt-3.5-turbo",
messages=[{"content": "Hello!", "role": "user"}]
)
# Anthropicの場合
response = completion(
model="claude-3-opus-20240229",
messages=[{"content": "Hello!", "role": "user"}]
)
# Ollamaの場合(ローカル実行)
response = completion(
model="ollama/llama3:8b-instruct-fp16",
messages=[{"content": "Hello!", "role": "user"}],
api_base="http://localhost:11434"
)
注意点とベストプラクティス
-
リソース管理
- Google Colabの無料枠でも実行可能
- GPUメモリの使用状況に注意
-
セッション管理
- Colabのセッション切断時は再セットアップが必要
- 長時間の実行にはPro版の使用を推奨
まとめ
OllamaとLiteLLMの組み合わせは、ローカルLLMの運用を大幅に簡素化します。特に:
- 統一されたインターフェースによる開発効率の向上
- 異なるプロバイダー間での容易な切り替え
- Google Colab環境での簡単な実行
これらの利点により、プロトタイピングから本番環境まで、柔軟なLLMの活用が可能となります。
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参考サイト