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地理院地図をQGISで使う

Last updated at Posted at 2019-05-18

 GISの利用について、自分自身の備忘録としてメモっておく。
 しばらくすると忘れてしまうし。

地理院地図で利用できる地図

 地理院地図とは、国土地理院がインターネット上に公開している地図サービスのこと。
 公共測量は国土地理院に報告する義務(測量法第40条第1項)があるので、国土地理院の地図が最も正確な日本地図となる。
 現在、公開されている地図で、普通の事務に使えそうなものをリストアップしてみる。

標準の地図(ベースマップ)

 学校で使った地図帳のような日本地図から、どんどんズームインしていくと都市計画図などをベースにした詳細な地図まで見られる。
 標準色と淡色地図、白地図がある。

空中写真

 10年位毎に全国を撮影しているようで、地図の選択項目には何種類かある。
 地域により、利用できる年代が違う。
 秋田市の場合、1960年代、1975頃、現在が利用できる。

治水地形分類図

 ベースマップに重ねて表示する。
 その地域が、どのような成り立ちでできた土地か分類している。
 例えば、昔は河川の流路だったとかわかる地図。

地理院地図の使い方

 地理院地図のページを開くとベースマップが表示されるので、そのまま見たいところをズームインすれば良い。
 空中写真などは、左側にあるメニューから選択して表示する。
 地図のレイア毎に透過度を設定できる。

どんなことに使えるか?

地理院地図の特徴

住所のピンポイント表示は苦手

 Google mapなら、住所を入力すると、その住所に飛ぶことができるが、地理院地図では難しい。
 地理院地図は、緯度経度で探すのは得意だろうけどね。

インターネット上の利用は比較的自由

 国がopen dataを推進しており、国土地理院の地理院地図も比較的制限の少ないライセンスで利用できる。
 特に普通の使い方なら利用料はかからないのは強みだと思う。
 インターネット上で普通に閲覧するだけでない場合、ライセンスの確認が必要。

当然、最も信頼できる地図

 日本の地図作成の権威が作成しているため、地形図としては最も正確と思われる。

普通の事務仕事での使いみち

 まず思いつく利用法として、文書内に張り込む地図としての利用が考えられる。
 この場合、「地理院地図」というロゴを埋め込めばサイズや枚数に制限があるが利用できる。

 他に昔の空中写真が利用できることから、過去の土地の利用状況を調べることができる。
 昔の状況を調べたい、というのはビジネスでは結構あると思う。
 そういうときに地理院地図は便利だと思う。もし、高解像度写真が必要なら、国土地理院のサイトから注文もできるようだし。

 例えば、家を買ったり建てる際、その買おうとしている土地が、かつて、どのようなところだったのか確認できるわけですな。
 昔からの地名で「なんとか沢」などのように水にちなむ言葉が含まれている場合、昔、河川沿いだったり沼地だったりするといわれているけど、宅地開発が本格化する前の時代、例えば高度経済成長期のあたりの空中写真を確認すれば、はっきりと確認できる。
 この場合、治水地形分類図を重ねて利用すれば、もっと情報量は増えると思われる。
(日本の平地は河川の流域に発達しているところが多いので、地番の善し悪しを考え始めると、適地はかなり減ると思うけど・・・・)

ちょっと高度な利用方法

 ブラウザからでは正確な位置を探すのが難しい場合がある。
 特に空中写真は縮尺が小さいのでピンポイントで探すのが難しい。
 こういう場合、どうするか?
 GISの背景地図にすれば良い。

qgis3.4以降での利用方法

 GISで利用するとしても、商用GISはすごく高い。
 費用がかからず、本格的かつわかりやすいGISは、qgisが挙げられる。
 稼働環境が、Windows、FreeBSD、Linux、OS X等マルチプラットフォームになっていることも、使用する環境を選ばす良い。
 ネットで情報を検索すると、大学や国などが使用方法の講習会を開いているため今後普及が進むと思われる。

地理院地図の表示方法

 地理院地図はWebサービスの一種で、Google mapと同じ地図タイルを配信している。
 画面に表示したい領域をリクエストして、送られてきたタイルを表示するわけですね。
 このデータ送受信の方法を設定する必要があり、国土地理院の「地理院タイル一覧」の詳細欄に情報が記載されている。
 例えば、標準地図を使用したい場合は
  URL:https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/std/{z}/{x}/{y}.png
の情報を設定する。
 zがズームレベル(どの領域を指定するか)、Xとyが必要なタイルの位置を示すらしい。)
 詳細は国土地理院の地理院タイル仕様に記載されている。

 qgisで具体的にどう設定するか。
 qgisは3シリーズになっており、最新版(2019/5/18現在)の3.6では標準機能で地図タイルが表示できる。
 qgis起動時に表示されている「ブラウザ」に「Z/X/Y tiles」という項目があり、これが地理院地図などインターネット上の地図サービスを設定する項目になる。
 「Z/X/Y tiles」をマウスで選択し、右クリックすると「新しい接続」というダイアログが表示されるので、名前設定し、url欄に先の情報を入力する。

 

参考図書

 全く初めての場合、手がかりが欲しいと思うが、そのとき参考になりそうな本。 

朝日浩輔、大友翔一、水谷貴行、山手規裕著『統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方』

 技術評論社 2014年 出版社の紹介ページ
 地図の基本から解説され、具体的な作業手順も紹介されていて、わかりやすい。既に改訂版が刊行されている。

『Interface 2017年10月号』

CQ出版社
 「IoTのためのラズパイ地図・地形・地球大集合」という特集に、地理院地図等、いろいろな地図情報がまとめられている。
 

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