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Arduino ATmega328PとC/C++の基礎知識(備忘録)

Last updated at Posted at 2022-07-21

学習用・備忘録

個人的に作っているので間違いを記述している場合がある。

進数の記述方法

0b00000001, B00000001 - 2進数を表す為に先頭に0bまたはBを加える
0x00000001 - 16進数を表すために先頭に0xを加える
ピンの入力や出力、HIGH、LOWを設定するときに使う。
基本は2進数で記述する。

よく使われる標準ライブラリ

#include <avr/io.h>

全AVRデバイスで使われているポート入出力用のライブラリである。

io_example.c
DDRB = 0b00001111;
PORTB |= 0b00000001;

#include <util/delay.h>

実行中のコードの途中でスリープ(待機)を入れることが出来るライブラリである。

delay_example.c
_delay_ms(100); // 100ms (0.1s)
_delay_us(100); // 100us (10^-6s)

#include <avr/interrupt.h>

割り込み処理をすることが出来るライブラリである。

論理演算子

"|" OR演算子

左と右どちらかに1があれば1を返す。

IN1 IN2 OUT
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 1

使用用途

元の設定を崩さずに新しい設定を追加したい場合に用いる。
少し専門的な言葉で表すと、ビットを立てるという。

example.c
DDRB = 0b01000000;
DDRB = DDRB | 0b00100000; // PB5を出力ポートに設定するときにも使われる
// DDRB |= 0b00100000; 省略したかたち
// 結果:DDRB -> 0b01100000

"^" XOR演算子

左右が異なれば1を返す。

IN1 IN2 OUT
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 0

使用用途

ビットの反転に使われる。
具体的な使用例としては、**「ループでLEDを点灯、消灯を1秒ごとに繰り返すコード」**で使う。

example.c
while(){
    PORTB = PINB ^ 0b00000001;
    _ms_delay(1000);
}
example.c
PORTB = 0b00100000;
PORTB = PINB ^ 0b00100000;

// 結果:PORTB -> 0b00000000

"~" NOT演算子

反転した結果を返す。

IN OUT
0 1
1 0
example.c
PORTB = ~0b00100000;

// 結果:PORTB -> 0b11011111

"&" AND演算子

左右が1であれば1を返す。

IN1 IN2 OUT
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1

使用用途

特定のピンがオンかオフかを調べたり、特定のピンを操作したりするために用いる。
少し専門的な言葉で表すと、ビットマスクという。

example.c
PORTB = 0b00111111;
PORTB = PINB & 0b00000001;

// 結果:PORTB -> 0b00000001

シフト演算子

ビット列を指定数分ずらす
" << " 左シフト
" >> " 右シフト

example.c
int result;
int data = 0b00000011;
result = data << 3;  // dataを3bit左にシフトする

// 結果:00011000

レジスタのコントロール

PORTレジスタ

ポートのデータレジスタ。読み書き可能なレジスタ。

レジスタ ピン番号
PORTB デジタルピン 8~13
PORTC アナログピン
PORTD デジタルピン 0~7
example.c
// ピンを出力設定
PORTB = 0b01000000;

PINレジスタ

PIN情報の読み取り専用のレジスタ。

example.c
// 情報を読み取ってデータビットの反転
PORTB = PINB ^ 0b00100000;
// 結果:PORTB ->  0b00000000

DDRレジスタ

ポートの入出力を設定するレジスタ。 読み書き可能
0 - 入力ポート
1 - 出力ポート

example.c
DDRB |= 0b11110000; // 右端の2bitはRXとTXが占領
DDRB  = 0b00110000; // PORTB4,5を出力設定
PORTB = 0b00110000; // PORTB4,5をHIGHにする

プロトタイプ宣言

プロトタイプ宣言は、コンパイラに対して関数の情報を与えるためのものである。
複数の関数を個別のファイルに分けて整理したり、main関数の下に関数を書いたりすることができる。

プロトタイプ宣言を用いて関数を別のファイルに記述した例

main.cpp
#include "sum.h"
int main(void) {
    int result;
    result = sum(3, 5); // sum関数の内容は別のファイルに記述
    printf("3+5 = %d", result);
    return 0;
}
sum.h
#ifndef SUM_H_
#define SUM_H_
// ヘッダーファイル
int sum(int a, int b); // プロトタイプ宣言
#end
sum.cpp
#include "sum.h"
int sum(int a, int b){
    return a + b;
}

クラスと継承

クラスとは、構造体にメンバ関数を追加したものである。
メンバ関数とは、クラスが持つ関数のことである。
継承とは簡単に表すと、メンバ関数をクラスの外で書くことができることである。

class_template.cpp
class Rectangle { // クラス
    public:       // どこからでもアクセス可能
        int Area() {  // メンバ関数
            return height * width;
        }
        int height;
        int width;
    private:   // クラス内のみアクセス可能
        int rect_area;
}

クラスにはアクセス制限があり、「public」「private」「protected」の3つがある。
publicとは:「公開」であり、下のメンバ関数や変数はどこからでもアクセスできる。
privateとは:「非公開」であり、下のメンバ関数や変数はクラス内のみアクセスできる。
protectedとは:クラス内及び継承した派生クラスからのみアクセス可能

オーバーロード

作成中...

テンプレート関数

テンプレート関数は、一つの関数で異なるデータ型を受け取ることができる関数である。
オーバーロード関数の簡略化した関数である。
オーバーロードとの違いは、型で処理内容を変えることができないことである。
汎用関数とも呼ばれる。

template_function.cpp
// typeは関数が呼ばれたとき、その型として動く。
template <class type> type comp(type a, type b) {
    if(a < b) {
        return b;
    }else{
        return a;
    }
}
float res;
res = comp(1, 2.5); // どのデータ型でも指定できる
printf("%f", res);

A/D変換

センサーが使うアナログピンから値を読み取るため、アナログデータからデジタルデータに変換する。
基準電圧(リファレンス電圧)と入力電圧、AD変換用レジスタを使ってA/D変換をする。
読み取れる範囲は0~基準電圧までである。
A/D変換用レジスタとは:計測した電圧を(10bitで)格納するレジスタ。ADCH, ADCLレジスタに格納される。
入力電圧とは:ピンから入力される電圧。
基準電圧とは:ADMUXレジスタで基準電圧の選択が出来る。範囲は0~電源電圧(5V)

ATmega328PのA/D変換用レジスタは10bitを採用している。

[ ADCSRA ] - A/D制御/状態レジスタA

bit 7 6 5 4 3 2 1 0
名称 ADEN ADCS ADATE ADIF ADIE ADPS2 ADPS1 ADPS0
名称 bit 動作モード
ADEN 1 A/D許可(電源制御)
ADCS 1 A/D変換開始(変換開始時に1を書く)
ADATE 1 A/D自動起動許可
ADIF 1 A/D完了割り込み要求フラグ
ADIE 1 A/D変換完了割り込み許可
ADPS2 ADPS1 ADPS0 A/D変換クロック選択
0 0 0 分周比2
0 0 1 分周比2
0 1 0 分周比4
0 1 1 分周比8
1 0 0 分周比16
1 0 1 分周比32
1 1 0 分周比64
1 1 1 分周比128

[ ADMUX ] - A/D多重器選択レジスタ

bit 7 6 5 4 3 2 1 0
名称 REFS1 REFS0 ADLAR - MUX3 MUX2 MUX1 MUX0
REFS1 REFS0 基準電圧選択
0 0 AREFピンの電圧
0 1 AVCC (5V) - 標準
1 0 (予約)
1 1 内部1.1V基準電圧
名称 bit 動作モード
ADLAR 1 変換データレジスタ左揃え
MUX3 MUX2 MUX1 MUX0 A/Dチャンネル選択
0 0 0 0 ADC0
0 0 0 1 ADC1
0 0 1 0 ADC2
0 0 1 1 ADC3
0 1 0 0 ADC4
0 1 0 1 ADC5
0 1 1 0 ADC6
0 1 1 1 ADC7
1 0 0 0 ADC8 (温度)
1 1 1 0 1.1V
1 1 1 1 0V

[ADCL,ADCH] - A/D変換データレジスタ上位/下位

計測した電圧の結果を格納するレジスタ。

  • ADLARが0のとき
ADCH ADCL
- - - - - - 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
  • ADLARが1のとき
ADCH ADCL
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - - - - - -
↑ 0の箇所に10bitのデータが格納される

ATmega328PのAD変換用レジスタは8ビットレジスタを2個使って10ビットを表現する。

analog_read.cpp
#define F_CPU 16000000UL
#include <avr/io.h>
int main(void){
    ADSCRA = 0b10000000; // AD起動時設定 テンプレ
    ADMUX  = 0b01100000;  // AD起動時設定 テンプレ
    result = ADCH<<2 + ADCL>>6; // ADCHとADCLを結合して10bit分取得する
}

割り込み処理

タイマ割り込み

設定した時間ごとに割り込みを発生させる。

[Timer0] - 8ビットタイマ
時計の役割をする。0~255までカウントできる。それを超えるとオーバーフローして0に戻る。
[Timer1] - 16ビットタイマ
時計の役割をする。0~65535までカウントできる。それを超えるとオーバーフローして0に戻る。

タイマーには主に4つのモードがある。
・標準動作
・CTC動作
・位相基準PWM
・高速PWM

プリスケーラとは

クロックで時計を扱うには速すぎて使いにくい場合のために、
クロックを割り引いて(分周 最大1/1024)使うことが出来る。

500msで割り込むプログラム

main.cpp
#define F_CPU 16000000UL
#include <avr/io.h>
#include <avr/interrupt.h>

ISR(TIMER1_COMPA_vect){ // 割り込み関数
    // 処理内容
    PORTD = (PIND & 0b00000001) ^ 0b00000001; // Arduino上のLED点灯(確認用)
}

int main(void){
    // 16ビットタイマ
    TCNT1  = 0;           // タイマカウンタ初期化
    OCR1A  = 31250;       // 256分周で500ms
    TCCR1A = 0b00000000;  // OC1A / OC1Bを標準ポート動作に設定
    TCCR1B = 0b00001100;  // CTC動作、プリスケーラ1/256
    TIMSK1 = 0b00000010;  // 割り込み許可レジスタ
    TIFR1  = 0b00100111;  // TCNT1割り込み要求フラグレジスタ
    sei();

    PORTD |= 0b00000000; // Arduino上のLED設定(確認用)
    DDRD  |= 0b00000001; // Arduino上のLED設定(確認用)
    while (1){}
    return 0;
}

Timer0 - 8ビットタイマ

[ TCCR0A ] - 制御レジスタA

bit 7 6 5 4 3 2 1 0
名称 COM0A1 COM0A0 COM0B1 COM0B0 - - WGM01 WGM00

[ TCCR0B ] - 制御レジスタB

bit 7 6 5 4 3 2 1 0
名称 FOC0A FOC0B - - WGM02 CS02 CS01 CS00
COM0A1 COM0A0 動作モード
0 0 標準ポート動作(OCR0A切断)
0 1 WGM02が0のときは、標準操作(OC0A切断)、WGM02が1のときは、比較一致で出力を反転。
1 0 タイマとOCR0Aとの比較一致でLOW、タイマが0になるとHIGH。
1 1 タイマとOCR0Aとの比較一致でHIGH、タイマが0になるとLOW。
COM0B1 COM0B0 動作モード
0 0 標準ポート動作(OCR0B切断)
0 1 OCR0Bとの比較一致で交互出力。
1 0 タイマとOCR0Bとの比較一致でLOW、タイマが0になるとHIGH。
1 1 タイマとOCR0Bとの比較一致でHIGH、タイマが0になるとLOW。
WGM02 WGM01 WGM00 動作モード
0 0 0 標準動作(標準)
0 0 1 8ビット位相基準PWM動作
0 1 0 比較一致タイマ/CTC動作
0 1 1 8ビット高速PWM動作
1 0 0 (予約)
1 0 1 位相基準PWM動作
1 1 0 (予約)
1 1 1 高速PWM動作
CS02 CS01 CS00 動作モード
0 0 0 クロックなし
0 0 1 分周比1
0 1 0 分周比8
0 1 1 分周比64
1 0 0 分周比256
1 0 1 分周比1024
1 1 0 外部クロック。立下りでオン。
1 1 1 外部クロック。立ち上がりでオン。
FOC0A 動作モード
1 WGMの設定がPWM動作でない場合、OCR0A出力がPWM動作になる。
FOC0B 動作モード
1 WGMの設定がPWM動作でない場合、OCR0B出力がPWM動作になる。

[ TIMSK0 ] - 割り込み設定レジスタ

bit 7 6 5 4 3 2 1 0
名称 - - - - - OCIE0B OCIE0A TOIE0
OCIE0B 動作モード
1 タイマ/カウンタ0比較B割り込み許可(OCR0BとTCNT0の一致)
OCIE0A 動作モード
1 タイマ/カウンタ0比較A割り込み許可(OCR0AとTCNT0の一致)
TOIE0 動作モード
1 カウンターがTOP(OCR0Aで設定した値)に来た時に割り込み処理を行う。

[ OCR0A ] - タイマ/カウンタ0比較Aレジスタ(TOP値)

カウンタ(TCNT0)と比較を行うためのレジスタ。
設定しない場合、225がMAXなので225がTOPとなる。
8ビットでは255で0に戻すがこれに値を入れるとその値で0に戻る。

[ OCR0B ] - タイマ/カウンタ0比較Bレジスタ(TOP値)

OCR0Aと同じ。

[ TCNT0 ] - タイマ/カウンタ0計測レジスタ

クロックを数えるカウンタ。
タイマ情報を読み取れる。

外部割込み

スイッチの状態変化を捕らえられる処理。
特定のピンがHIGHになると割り込みを開始する。
AVRマイコンには、外部割込み端子が最低1つある。
INT0は必ずあり、チップによりINT1、INT2まである。
これらの端子を利用し、スイッチの状態変化を捕らえられる。

ビットの組み合わせは4通り
00 Lowレベル割込み
01 レベル変化割込み
10 ダウンエッジ割込み
11 アップエッジ割込み

シリアル通信 TeraTeam

Arduinoで実行中の状態を確認することができる。

プログラム

シリアル通信するにはUartLib.cとUartLib.hファイルが必要なので、プロジェクトのフォルダに配置しておく。

example.c
#include "UartLib.h"     // シリアル通信用ヘッダーファイルを読み込み
int main(){
    uartInit();          // UartLib準備
    printf("Kimetsu\n"); // 送信
}

TeraTeam設定

設定 > 端末に移動
・改行コードの受信と送信をLFに設定する。
・漢字受信と送信をSJISに設定する。
ScreenShot_20201109114809.png
設定 > シリアルポート
・スピードを115200に設定する。
ScreenShot_20201109114849.png

リファレンス

http://wisdom.sakura.ne.jp/programming/cpp/cpp16.html
http://wisdom.sakura.ne.jp/programming/cpp/cpp33.html
http://www.natural-science.or.jp/article/20101215012553.php
http://avrwiki.osdn.jp/cgi-bin/wiki.cgi?page=Timer0
http://avrwiki.osdn.jp/cgi-bin/wiki.cgi?page=Timer1
https://stastaka.wordpress.com/2012/03/20/avr-timer1/
https://garretlab.web.fc2.com/arduino/inside/hardware/arduino/avr/cores/arduino/wiring_analog.c/analogWrite.html
http://avrwiki.osdn.jp/cgi-bin/wiki.cgi?page=Timer1#p8
https://stastaka.wordpress.com/2012/03/20/avr-timer1/
http://usicolog.nomaki.jp/engineering/avr/avrPWM.html

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