本記事では、アプリケーション開発におけるフロントエンド構築のための JavaScript ライブラリ React の入門記事として、新規 React プロジェクトの作成から、簡単なアプリケーションの構築を行なっていきます。
アプリケーションの構築には弊社開発ツールの Ignite UI for React を利用して、高機能なグリッドやチャートコントロールを、簡単に実装していきます。
以下の記事では、Ignite UI for React のコントロールを組み込んだデータ可視化ダッシュボードのサンプルアプリケーションについて紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
React で作るコロナウイルスのデータ可視化ダッシュボード
今回は、縦棒チャートとドーナツチャートという2種類のチャートコントロールを組み込んでいきます。
事前準備
前回の記事をご参照いただき、ダミーデータを生成してグリッドコントロールへのバインドができた状態にしてください。
グリッドコントロールを設置しよう - Ignite UI for React で始めるフロントエンド開発 - ②
Ignite UI for React チャートモジュールのインポート
Ignite UI for React の チャートコントロールを利用するためにモジュールをインポートする記述を行う必要があります。App.tsx
を開き、以下のように追記します。
import React from 'react';
import logo from './logo.svg';
import './App.css';
import { SampleDataService } from './SampleDataService';
import { IgrDataGridModule } from 'igniteui-react-grids';
import { IgrDataGrid } from 'igniteui-react-grids';
import { IgrTextColumn,IgrImageColumn,IgrNumericColumn,IgrDateTimeColumn } from 'igniteui-react-grids';
import { IgrGridColumnOptionsModule } from 'igniteui-react-grids';
// データチャート用 axis' modules:
import { IgrNumericYAxis } from 'igniteui-react-charts';
import { IgrCategoryXAxis } from 'igniteui-react-charts';
// データチャート用 series' modules:
import { IgrColumnSeries } from 'igniteui-react-charts';
// データチャート用 modules:
import { IgrDataChart } from 'igniteui-react-charts';
import { IgrDataChartCoreModule } from 'igniteui-react-charts';
import { IgrDataChartCategoryModule } from 'igniteui-react-charts';
// ドーナツチャート用 modules:
import { IgrDoughnutChartModule } from 'igniteui-react-charts';
import { IgrDoughnutChart } from 'igniteui-react-charts';
// ドーナツチャート用 series' modules:
import { IgrRingSeriesModule } from 'igniteui-react-charts';
import { IgrRingSeries } from 'igniteui-react-charts';
// register() メソッドの実行
IgrDataChartCoreModule.register();
IgrDataChartCategoryModule.register();
IgrDoughnutChartModule.register();
IgrRingSeriesModule.register();
IgrDataGridModule.register();
IgrGridColumnOptionsModule.register();
縦棒チャートの設置
前回用意したデータサービスを利用して、各プレイヤーのスコアを棒グラフの大きさとして可視化します。スコアの高いプレイヤー、低いプレイヤーを瞬間的に判別できるようになります。App.tsx
の App()
関数を以下のように変更します。
function App() {
const data = SampleDataService.generateData();
return (
<div style={{height: "100%", width: "100%" }}>
<IgrDataGrid
height="50vh"
width="100%"
rowHeight="60"
defaultColumnMinWidth="110"
isColumnOptionsEnabled="true"
dataSource={data}>
</IgrDataGrid>
{/* チャート描画領域 */}
<div style={{height: "50vh", width: "100%", paddingTop: "1em", boxSizing: "border-box", display: "flex" }}>
{/* データチャート */}
<IgrDataChart
dataSource={data}
width="60%"
height="100%">
{/* 軸 */}
<IgrCategoryXAxis name="xAxis" label="name" labelAngle="290" interval="1" />
<IgrNumericYAxis name="yAxis" />
{/* シリーズ */}
<IgrColumnSeries
name="series1"
xAxisName="xAxis"
yAxisName="yAxis"
valueMemberPath="score" />
</IgrDataChart>
</div>
</div>
);
}
<IgrDataChart dataSource={data}></IgrDataChart>
という形で、dataSource プロパティに {data}
をバインディングします。また、データチャートを設置する場合は、縦軸横軸をデータのどのキーに基づいて構成するかという設定と、どの種類(シリーズ)のチャートを表示するかという設定を行います。
今回は、<IgrColumnSeries>
を用いて縦棒(カラム)チャートを利用していますが、折線チャートや散布チャートなどを利用することもできます。
実行してみると以下のようになります。
ドーナツチャートの設置
続いてドーナツチャートの設置を行います。ドーナツチャートは全体に対して、確認したいデータの割合がどのくらいかを可視化する際に適しています。レッド、ブルー、グリーン、各チーム毎のスコアを合算して、どのチームが優勢かを確認してみます。
まず、SampleDataService.ts
にreturnTeamsScore()
メソッドを追加して、各チーム毎の合計スコアを返却するようにします。
public static returnTeamsScore(data:any[]) {
const mergedData = Array.from(data.reduce(
(m, {team, score}) => m.set(team, (m.get(team) || 0) + score), new Map()
), ([team, score]) => ({team, score}));
return mergedData.sort(function(a, b) {
if (a.team > b.team) {
return -1;
} else {
return 1;
}
});
}
次に、App.tsx
の App()
関数を以下のように変更します。
function App() {
const data = SampleDataService.generateData();
const dataByTeam = SampleDataService.returnTeamsScore(data);
return (
<div style={{height: "100%", width: "100%" }}>
<IgrDataGrid
height="50vh"
width="100%"
rowHeight="60"
defaultColumnMinWidth="110"
isColumnOptionsEnabled="true"
dataSource={data}>
</IgrDataGrid>
{/* チャート描画領域 */}
<div style={{height: "50vh", width: "100%", paddingTop: "1em", boxSizing: "border-box", display: "flex" }}>
{/* データチャート */}
<IgrDataChart
dataSource={data}
width="60%"
height="100%">
{/* 軸 */}
<IgrCategoryXAxis name="xAxis" label="name" labelAngle="290" interval="1" />
<IgrNumericYAxis name="yAxis" />
{/* シリーズ */}
<IgrColumnSeries
name="series1"
xAxisName="xAxis"
yAxisName="yAxis"
valueMemberPath="score" />
</IgrDataChart>
{/* ドーナツチャート */}
<IgrDoughnutChart height="100%" width="40%">
<IgrRingSeries
name="ring1"
dataSource={dataByTeam}
labelMemberPath="team"
brushes="#f44336,#2196F3,#4CAF50"
valueMemberPath="score"/>
</IgrDoughnutChart>
</div>
</div>
);
}
<IgrRingSeries>
に対してデータソースのバインドが行われている点を確認してください。また、ラベルとしてチーム名を表示するように labelMemberPath
プロパティで設定し、各チーム名に合わせた色をドーナツチャートで使用するように brushes
プロパティで定義しています。
正しく実装されればアプリケーションを実行した際の最終はイメージは以下のようになります。
まとめ
今回はチャートコントロールの設置を行いました。とても簡単にチャートの表示が出来ることがわかるかと思います。また、グリッドとチャートコントロールを組み合わせて配置することで簡単なダッシュボードのようなアプリケーションを作成することができました。
すでにグリッドコントロールを利用していて、まだチャートコントールは未使用という場合は、ぜひデータ可視化のためにチャートコントロールの導入もお試しください。本記事で紹介したようにグリッドに利用しているものと同じデータをバインドするだけで簡単にチャート表現をすることができます。
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