最終目標
Windows上で、Docker Desktopを使用し、Laravek10の開発環境を構築します。Laravel Mixではなく、Viteを採用します。以前はフロントエンドビルドツールとして標準でLaravel Mixが使われていましたが、現在はViteが標準になっているためです。
Viteはフロントエンドの開発を高速化する一方で、Docker環境を作成する際にはMixに比べて扱いづらいというデメリットもあります。
開発環境
・Wondows11
・Ubunto 22.4
・Docker Desktop 20.10.22
・Docker Compose 2.15.1
・Laravel10
・PHP8.1
ディレクトリ構造
chat-app-laravel
├── Dockerfile
├── docker-compose.yml
├── laravel-app
│ ├── README.md
│ ├── app
│ ├── artisan
│ ├── bootstrap
│ ├── composer.json
│ ├── composer.lock
│ ├── config
│ ├── database
│ ├── package.json
│ ├── phpunit.xml
│ ├── public
│ ├── resources
│ ├── routes
│ ├── storage
│ ├── tests
│ ├── vendor
│ └── vite.config.js
└── nginx.conf
Dockerfile
Dockerfileは、PHPベースの開発環境を構築する際に必要なパッケージとツールをインストールし、ComposerやNOde.jsを利用できるようにセットアップしています。
今回は、PHP8.1の公式Dockerイメージ（php:8.1-fpm）をベースにします。
FROM php:8.1-fpm
# 必要なパッケージのインストールとDocker PHP Extensionsのインストール
RUN apt-get update && apt-get upgrade -y && \
apt-get install -y libpng-dev libjpeg-dev libfreetype6-dev zip git unzip && \
docker-php-ext-configure gd --with-freetype --with-jpeg && \
docker-php-ext-install gd pdo pdo_mysql && \
apt-get clean && \
rm -rf /var/lib/apt/lists/*
# Composerのインストール
RUN curl -sS https://getcomposer.org/installer | php -- --install-dir=/usr/local/bin --filename=composer
# Node.jsのインストール
RUN curl -sL https://deb.nodesource.com/setup_14.x | bash - && \
apt-get install -y nodejs npm
〇apt-get update && apt-get upgrade -y
最新のパッケージリストを取得し、すべての既存のパッケージを最新版にアップグレードします。
〇apt-get install -y libpng-dev libjpeg-dev libfreetype6-dev zip git unzip
画像処理に必要なパッケージをインストールします。libpng、libjpeg、libfreetype6、zip、git、unzipなどです。これらは、ライブラリやファイル操作、ソースコードの取得に使用されます。
〇docker-php-ext-xonfigure gd --with-freetype --with-jpeg && docker-php-ext-install gd pdo pdo_mysql
GD拡張機能を構成し、必要なライブラリ(freetypeとjpeg)を使用してGD拡張をインストールします。
pdoとpdo_mysqlもインストールされます。これらは、PHPデータベース接続に関連する機能を提供します。
〇apt-get clean && rm -rf /var/lib/apt/lists/*
費用なパッケージを削除し、aptのキャッシュをクリアしてイメージサイズを最小化します。
〇RUN curl -sS https://getcomposer.org/installer | php -- --install-dir=/usr/local/bin --filename=composer
Composerをダウンロードし、実行可能なファイルとして/usr/local/binにインストールします。ComposerはPHPの依存関係管理ツールです。
〇RUN curl -sL https://deb.nodesource.com/setup_14.x | bash - && apt-get install -y nodejs npm
Node.jsとnpmをインストールするために、noDE.JSの公式リポジトリを追加し、Node.jsとnpmをインストールします。JavaScriptの実行やフロントエンドの開発に必要です。
docker-compose.yml
Docker Composeは複数のDockerコンテナ(Laravelアプリケーション、Nginxウェブサーバー、MySQLデータベース)を定義し、それらの間で連携するためのツールです。
今回は以下３つのサービスを定義しています。
・app
・nginx
・mysql
version: '3'
services:
app:
build:
context: .
dockerfile: Dockerfile
container_name: laravel_app
volumes:
- ./laravel-app/:/var/www/laravel-app
ports:
- "8000:8000"
- "9000:9000"
- "5173:5173"
working_dir: /var/www/laravel-app
environment:
- "DB_HOST=mysql"
- "DB_PORT=3306"
- "DB_DATABASE=laravel"
- "DB_USERNAME=root"
- "DB_PASSWORD=secret"
nginx:
image: nginx:alpine
container_name: nginx_server
ports:
- "8080:80"
volumes:
- ./nginx.conf:/etc/nginx/conf.d/default.conf
- ./:/var/www
mysql:
image: mysql:5.7
container_name: mysql_db
environment:
- "MYSQL_DATABASE=laravel"
# - "MYSQL_USER=root"
- "MYSQL_PASSWORD=secret"
- "MYSQL_ROOT_PASSWORD=secret"
volumes:
- mysql_data:/var/lib/mysql
volumes:
mysql_data:
〇app
・Dockerfileを使用してビルドされたコンテナ。
・./laravel_app/ディレクトリを/var/www/laravel-appにマウントし、ソースコードをホストとコンテナ間で共有します。
・ポート8000、9000、5173をホストのそれぞれの同じポートにマッピングし、外部からアクセス可能にします。
・Laravelアプリケーション用の環境変数を定義しています。(DB_HOST、DB_PORT、DB_DATABASE、DB_USERNAME、DB_PASSWORD)
〇nginx
・nginx:alpineイメージを使用してNginxサーバを起動します。
・ホストの8080ポートをコンテナの80ポートにマッピングし、Nginxを外部からアクセス可能にします。
・./nginx.confをNginxの設定ファイルとして使用し、コンテナ内の/etc/nginx/conf.d/default.confにマウントします。
・ホストのカレントディレクトリ./をコンテナの/var/wwwにマウントし、Nginxから静的ファイルにアクセス可能にします。
〇mysql
・mysql:5.7イメージを使用してMySQLサーバーを起動します。
・MYSQL_DATABASE、MYSQL_PASSWORD、MYSQL_ROOT_PASSWORDを環境変数として設定し、MySQLのデータベース名、パスワード、ルートパスワードを定義します。
・mysql_dataという名前の永続化ボリュームを作成し、MySQLのデータを永続化します。
nginx.conf
Laravelアプリケーションをホストするための基本的な設定を定義します。
Laravelアプリケーションをリバースプロキシとして動作させ、PHPリクエストをFastCGIプロセスに転送するように構成されています。
server {
listen 80;
index index.php index.html;
root /var/www/laravel-app/public;
location / {
proxy_pass http://app:8000;
proxy_set_header Host $host;
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
proxy_set_header X-Forwarded-For $proxy_add_x_forwarded_for;
proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;
}
location ~ \.php$ {
fastcgi_split_path_info ^(.+\.php)(/.+)$;
fastcgi_pass app:9000;
fastcgi_index index.php;
include fastcgi_params;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
fastcgi_param PATH_INFO $fastcgi_path_info;
}
}
〇listen 80
Nginxがポート80でリクエストを待ち受けていることを示しています。HTTPリクエストを処理します。
〇index index.php index html
indexファイルの優先順位を設定しています。サイよsにindex.phpを探し、見つからない場合はindex.htmlを探します。
〇root/var/www/laravel-app/public
リクエストされたファイルが存在しない場合のデフォルトのルートディレクトリを指定します。ここでは、Laravelアプリケーションのpublicディレクトリを指定しています。
〇location/{...}
・ＵＲＬパス/に対する設定を定義しています。
・proxy_passディレクティブを使用して、アプリケーションサーバー(appコンテナ)のポート8000にリクエストを転送します。
・location~.php${...}
・.php拡張子にマッチするURLパスに対する設定を定義しています。
・FastCGIプロセスマネージャーにリクエストを渡す設定です。
・fastogi_passディレクティブを使用して、PHPリクエストを処理するためにアプリケーションサーバー(appコンテナ)のポート9000にリクエストを転送します。
・必要なFasrCGIパラメーターを設定して、PHPファイルを処理するための情報をNginxからFastCGIプロセスに渡します。
Laravelプロジェクト作成
Laravelプロジェクトを作成するコマンドです。
docker-compose run --rm app composer create-project --prefer-dist laravel/laravel .
laravel-appフォルダが作成されます。
このフォルダ名は、docker-compose.ymlのappサービス定義で、working_dirが/var/www/laravel-appと設定しているためです。
working_dirは、ホストのlaravel-app/ディレクトリにバインドしています。
コンテナ起動
複数のDockerコンテナを起動するコマンドを実行します。
docker-compose up -d
〇-dオプション
コンテナをバックグラウンドで実行します。
〇docker-compose up -d
カレントディレクトリ内のdocker-compose.ymlを読み込み、その中で定義された複数サービスを開始します。
コンテナ内
Docker COmposeを使用して構築されたappコンテナ内のLaravelアプリケーションで、Node.jsパッケージの依存関係をインストールします。
docker-compose exec app npm install
〇docker-compose exec
定義されたサービスないのコマンドを実行。
〇app
実行する対象のサービス名。
〇npm install
Node.jsパッケージマネージャーであるnpmを使用して、プロジェクトの依存関係をインストールします。
Laravel実行
Laravelを起動します。
docker-compose exec app php artisan serve --host=0.0.0.0 --port=8000
以下のURLにアクセスし、無事にLaravelが立ち上がっているか確認します。
http://localhost:8000/
このような画面が表示されれば問題ありません。
参考記事