【GAS】セルのデータを２次元配列でプロパティに格納して取り出す方法

2次元配列をプロパティにセットする方法

備忘用に残しておきます。
プロジェクトのプロパティにデータを格納できる以下の記述は、
二次元配列を格納すると「[Ljava.lang.Object;abcdef10」のような形に格納されてしまい、
取り出しても使うことができません。

プロパティに値をセット.gs

ScriptProperties.setProperty(key,value);

2次元配列を格納する場合はJSON.stringifyを使用しましょう。

プロパティに値をセット.gs

ScriptProperties.setProperty(key,JSON.stringify(value)));

画像のように2次元配列の形で格納されます。

2次元配列をプロパティから取り出す方法

プロパティから取り出すときも同様に、ひと手間加える必要があります。
JSON.parse()を使用しましょう。(key：testValues)

プロパティから値を取得.gs

getTestValues = JSON.parse(ScriptProperties.getProperty("testValues"));

サンプルコード

■仕様

テストシートのB1に最終更新日が入っています。
メインメソッドを初回起動時に、この最終更新日とテストシートの値をそれぞれプロパティにセットします。
[key]updateDate：[value]テストシートの最終更新日(B1セル)
[key]testValues：[value]テストシートの値

[key]updateDateの値が、セルの最終更新日と日時(秒数まで)が同じ場合は、
プロパティの[key]testValuesをメインシートに表示します。

[key]updateDateの値が、セルの最終更新日と日時(秒数まで)が異なる場合は、
再度、最終更新日とテストシートの値をそれぞれプロパティにセットし、
メインシートには現在のテストシートの値を表示します。(プロパティから復元しません)

■コード

コード.gs

const SPREAD_SHEET = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const SHEET_NAME_MAIN = "メイン";
const SHEET_NAME_TEST = "テスト";

/**
 * isEqualUpdateDate()がtrueの場合、
 * スクリプトプロパティのkey：testValuesのvalueを取得する。
 * falseの場合、現在のテストシートの値を取得する。
 * 出力先はメインシートのA1以下。
 */
function executeService() {
  //スクリプトプロパティに設定している更新日と、シート状の更新日が一致するか確認する。
  if (isEqualUpdateDate()) {
    try {
      testValues = JSON.parse(ScriptProperties.getProperty("testValues"));
    } catch (e) {
      //もしも何らかの理由でエラーとなった場合は、現時点のテストシートの値をスクリプトプロパティに再設定する。
      ScriptProperties.setProperty("testValues",JSON.stringify(getTestValues()));
      Logger.log(e);
    }
  } else {
    testValues = getTestValues();
  }

  //メインシートに出力する
  getSheetObj(SHEET_NAME_MAIN).getRange(1,1,testValues.length,testValues[0].length).setValues(testValues);
}

/**
 * スクリプトプロパティのupdateDateと、
 * B1セルのマスタ更新日の値を比較し、一致する場合はtrueを返す。
 * 異なる場合はスクリプトプロパティにマスタ更新日とテストシートの値をセットしてfalseを返す。
 */
function isEqualUpdateDate() {
  const updateDate = getSheetObj(SHEET_NAME_TEST).getRange("B1").getValue();
  const getUpdateProperty = ScriptProperties.getProperty("updateDate");

  //getValue()は書式なしの場合string。getProperty()はデフォルトでstringになる。
  //比較できるように、形式をそろえる。
  if (formatDate(new Date(updateDate)) == formatDate(new Date(getUpdateProperty))) {
    return true;
  }
  //key：updateDateにテストシートB1セルの値をセットする。
  ScriptProperties.setProperty("updateDate", updateDate);

  //key：testValuesにテストシートの値を2次元配列の形でセットする。(そのままセットすると二次元配列にならないため注意)
  ScriptProperties.setProperty("testValues",JSON.stringify(getTestValues()));
  return false;
}

/**
 * 日付をyyyy/MM/dd hh:mm:ssにする
 */
function formatDate(date) {
  return Utilities.formatDate(date, "JST", "yyyy/MM/dd hh:mm:ss");
}

/**
 * テストシートの値をすべて取得する
 */
function getTestValues() {
  return getSheetObj(SHEET_NAME_TEST).getDataRange().getValues();
}

/**
 * シートオブジェクト取得
 */
function getSheetObj(sheetName) {
  return SPREAD_SHEET.getSheetByName(sheetName);
}

プロジェクトのスクリプトプロパティを確認してください。
実行時間も、都度テストシートの値を取得するよりも0.5～1秒は早くなります。