こんにちは!こんばんは
地方で商業施設を管理しているtsumeです。
ノーコードツールのGlide
を使用して業務効率改善にトライしてみたお話です。
ずっとやってみたかったこと
商業施設を管理するということは、1周20~30分もかかる館内を毎日細かく見て周るということでもあります。またかかわる仲間も多いため、何かを依頼するときの準備や手間も多いです。
そんな環境では効率が大切と言えますが、困りごとはたくさん!例えば。。
- 館内巡回中に情報を確認する術がプリントアウトしかない(かさばる)
- 巡回中にテナント様から質問を受け、回答するのに一度オフィスに戻る必要がある
(設備や部屋の予約状況を調べるため等) - 書類提出状況や、研修の受講状況などの進捗がわかりにくい
そんなことから、どこでも情報を見て管理できるスマホのような端末がずっとほしかった!
使用ツール
Glide
を使用すれば簡単にアプリを作成・カスタマイズできるということを知り、さっそく活用して自前のアプリを作ってみることとしました。
- Glide
- Google Spreadsheet(以下スプレッドシート)
Glide
を使用した理由
職場の仲間が私用スマホを使用する想定でアプリをつくります。
そのため、私用アカウントでのログインが必要なサービスは避け、
メールアドレスやリンク共有で使用できるGlide
を選びました。
社内制限が厳しく、毎度限られた環境でできることを探しています。
完成品
今回アプリに実装した機能は3つです。
①. 提出・対応確認チェック機能(依頼されたorしたものについて、自分やチームの進捗を更新・管理できる)
②. 昼礼ノート(共有情報が確認できる)
③. 施設予約(部屋や施設について予約状況の確認や予約ができる)
*キーワードは「いつどこでもできる」です。
全体像
- 基礎となるデータ(名簿やフォームの項目)は、スプレッドシートで作成します
- 作成したシートを
Glide
へアップロードし、アプリのUIを作成していきます -
Glide
で作成した試作アプリを共有し、職場の仲間に使用してもらいます
実際にアプリをつくってみる
1. アプリで操作したいデータを準備する
データを入力したスプレッドシートを用意しておきます。
今回は3つの機能を搭載するので、1つのスプレッドシート内に計3シートを作成しました。
①「提出・対応確認チェック」機能
このシートについては、B列にメンバーの名前を羅列し、C列にスプレッドシートのチェックボックス機能を使ってチェックを入力できる形式にしています。
②「昼礼ノート」機能
③「施設予約」機能
②、③のページについては、それぞれA、B列に日付を入力し、以降の列は欲しい項目を列記しています。自由記述フォームにしたいのでセルは空欄にしておきます。
2. Glideへデータを挿入してみる
Glideにログインし、New app
を選びます(①)。
すると目的に合わせたテンプレートを選ぶか、アプリで扱いたいデータを基準に作り始めるかを選ぶことができます。今回はスプレッドシートが既にできあがっているので、Google Sheets
を選びます(②)。リアルタイム同期ができるシートか、同期しない現状のシートをアップロードするかを決めることができますが、前者は有料のため同期しないシートを選びます(③)。
スプレッドシートの1シート目(提出・対応確認チェック)を自動的に読み取り、テンプレートに反映をしてくれています。
この時点で7割くらいできあがっているんじゃないかというレベル!
3. 機能と項目を編集する
大枠はできあがっている状態なので、機能ごとに項目やレイアウトをいじっていきます。赤枠で囲っている箇所から、以下のそれぞれを編集できます。
NAVIGATION
: アプリ内の機能を編集・追加(昼礼ノート、施設予約)
COMPONENTS
: アプリ画面に表示される要素を編集・追加(タイトル、氏名、チェックボックス)
それぞれに適当な表記を当てはめ、テキストやボックスなどフォームを編集していきます。
4. スタイルを編集する
昼礼ノートのスタイル編集画面
「昼礼ノート」機能を編集していきます。
この機能では日付を基準に過去データを一覧できる形にしたいので、見え方(スタイル)を編集していきます。赤枠で囲った箇所から、以下のそれぞれを編集できます。
STYLE
:データの並びと見え方を編集できます。
COLUMNS
:一覧画面に表示される要素(列)を追加・編集できます。
Insert Component
:一覧画面に表示される要素(タイトル、テキスト、ボックス等)を追加・編集できます。
スタイルは一覧形式にマッチするTable
のスタイルにしました。
同時に一覧に表示される要素を調整したいので、COLUMNS
で列を追加します。
追加で要素は不要なので、Insert Component
は使用しません。
ここまででもうアプリの試作品が完成しました!
5. 共有する
アプリを共有するための招待画面
アプリが完成したら、実際にローンチするための発信&共有を行います。
アプリを初めて発信する場合は、画面右上にあるPublish
を、
既に発信済のアプリを共有する場合は、同じくShare
を選択します。
招待メールを送って任意のユーザのみ使用を許可することができます。
また、自動で発行されるQRコードからアクセスしたり、アクセスできるドメインを限定することも可能です。
6. 試作品の感想を聞く
職場の仲間に試作アプリの感想を聞いてみました!
後輩のHさん
良い点
施設予約機能はとってもいい。今は紙と共有フォルダの二通りで管理しているから、バラバラなものを一元管理できるし、館内にいて必要なとき見られるのもグッド!
改善点・アドバイス
- 施設予約については、備品の予約・保管場所管理機能も追加するともっと使い勝手がよいかも。
- 昼礼ノート機能は不要だと思う。そもそも昼礼ノートという現状のルーティン自体の存在意義がないと感じるので、機能をデジタル化するのではなくてルーティン自体を見直すのはどうか
- 職場のメンバーが現在担っているタスクを、スマホで見られたらいい。現状、抱えているタスクは潜在的なものもあるため、実はたくさん業務量を抱えているのにいろいろ任されるという困りごとが発生している。
備品管理については盲点でした。備品の貸し借りを行う立場ならではの要望です。実現可能性でいうと、部屋のように固定されているものではないので、数ある備品すべての位置管理をするにはハード面の投資が必要そうです。
タスク管理は仕事をしているかしていないかみたいな貢献度合いが見えてしまう上、設定も個人裁量のため、プライバシー的に工夫が必要かもと考えます。
そもそも必要なのはデジタル化ではなくて、取捨選択であるという指摘はもっともですね。
同僚のTさん
良い点
提出・対応チェック機能も使い道はありそう。出すほうは片手間で提出・対応ステータスを更新できるし、見える化されると忘れないようにする、早く対応する意識が高まりそう。
改善点・アドバイス
全体的にデジタルや新しいツールへの親和度に差があるから、会社が導入する新しいシステムなんかと並行すると混乱したり、返ってデジタルアレルギーになったりするかもね。会社として動いていることもあるから、把握してタイミングは見極めたほうがよいかも。
視点のレベルを変えると見えてくるものがありました。私は身近な課題解決をよかれと思って推進していますが、確かに会社がローンチするものは、マニュアルをしっかりと備え、相談窓口も設けて発信を行っています。
周りを巻き込んで始めたり何かを変えるには、それなりの責任を持つべき(相手にとってのわかりやすさや、置いてけぼりにしない)だと気が付きました。
反省点
「これくらいの業務量を削減できました!」と定量的に表現することができないのは歯痒いところですが、「あったらいいな」を形にして少しだけ負担を軽減することができました。
- 問題なく使用できるが、「エラー」が表示されるため、実用的に使い続けるには取り除く必要がある
- 説明動画や説明書を準備することも考える。簡単な機能だけだとしても、見たことのないものを使う側は受け入れづらい
- 機能については、実装してから必要意義を問われて時間が無駄になることもあるため、日々のヒアリングとニーズ把握が大事である
Glide
でアプリをつくってみて
ノーコードツールに限らず、今まで触れてきたデジタルツールの中では最も直感的に操作がしやすかったです。今まで何かと社内の利用制限に悩まされてきた身としては、初めてスムーズに有効なツールをつくれたかなという感想です。
一方で、英語での利用になる点や無料でできることは限られている点は注意が必要です。
Glide
のいいところ
- 無料で利用できる(有料機能あり)
- ニーズに合わせて、フォーマットが複数用意されている
- 初めて触っても、イメージさえあれば2~3時間である程度のアプリができあがる
- ネット環境さえあれば、メールアドレスやURLだけで簡単にユーザを招待できる
自分自身でこんな簡単にアプリがつくれるなんて、1か月前の私からしたらとても遠い話でした。きっかけはすごく大事ですね。
社会人1年目のころ(4年前)から不満を感じていたような部分が、たった一人のトライで変えられるかもしれないのはびっくりです。
でも同時に、「たった一人」という言葉はある意味間違いでした。
実際に仲間に試作品を触ってみてもらうことで、初めてニーズを正確につかむことができたからです。
簡単にアプリを作る武器を手に入れ、仲間とのコミュニケーションの大切さを知ったtsumeは、果たしてこれから何をつくっていくのでしょう。
乞うご期待!?