こんにちは!最近、執筆環境としてiA Writerを使い始めたばかりの私が、同じiAから出ている「iA Presenter」の存在を知って試してみたところ、これがまた予想以上に素晴らしかったので、その魅力を共有したいと思います。
なぜこの記事を書いたのか
実は、iA Presenterについて調べていて気づいたのですが、ニュース記事は見つかるものの、実際の使用感やTipsを共有しているブログ記事がほとんど見当たりませんでした。「これは自分で試して、その体験を共有する価値があるのでは?」と考え、この記事を書くことにしました。
特に日本語での情報が少ないため、私のような日本人開発者の視点から、実践的な使い方や便利な機能について共有できればと思います。
iA Writerとの出会いから始まった物語
実は先日、iA Writerの体験版を試し始めたところで、そのミニマルな環境と文章作成に集中できる機能に興味津々でした。特にタイプライターサウンド機能との組み合わせで、執筆がより楽しくなる体験をしていたんです(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。
そんな中、iA Writerの公式サイトを見ていたら、フッターに「Presenter」という文字が目に留まりました。「おや?プレゼンテーションツールも出してるの?」という軽い気持ちでクリックしてみたところ、これが運命の出会いとなりました。執筆ツールの体験版で良い印象を持っていたので、プレゼンツールも気になって仕方がありません。しかも、これも無料体験版があるじゃないですか!
「執筆環境で興味深い体験ができているiAだから、プレゼンツールもきっと...」という期待を胸に、早速試してみることにしたんです。
プレゼン資料作成でのAI活用Tips!
サンプルプレゼン資料を作るために、Gemini 2.0 Flash(AI)を使って「クイーン(QUEEN)というバンドについて」のスライドを生成してもらい、それをiA Presenterに貼り付けてみました。実際に作成したプレゼンの内容は以下の通りです:
# Queen - 伝説のロックバンド
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# Queenの概要
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# 結成とメンバー
- 1970年にイギリスで結成
- 代表的なメンバー:
- フレディ・マーキュリー(ボーカル)
- ブライアン・メイ(ギター)など
- 多様な音楽性(ロック、ポップ、オペラなど)
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# 代表曲紹介
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# Bohemian Rhapsody
複雑な構成が魅力
- 6分近い大作
- オペラパートを含むドラマティックな展開
- 映画「ボヘミアン・ラプソディ」で再び注目を集める
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# We Will Rock You
- 手拍子と足踏みで作られるリズムが特徴
- ライブで大合唱となる定番曲
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# Queenの功績
- 革新的な音楽性で多くのミュージシャンに影響を与える
- 圧倒的なライブパフォーマンスで観客を魅了
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# まとめ
Queenは時代を超えて愛される、まさに伝説のロックバンドです!
*ご清聴ありがとうございました!
このMarkdownをiA Presenterに貼り付けると、自動的に美しいスライドが生成されました。特に印象的だったのは、各セクションの見出しやリストが自動的に適切なサイズとレイアウトで配置されること。PowerPointなどでよくある「このテキスト、もうちょっと大きくした方がいいかな...」といった悩みから解放されます。
補足:スライド作成時のAI活用のすすめ
もちろん手打ちでMarkdownを書くのも悪くないのですが、個人的には以下のような使い方がおすすめです:
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ChatGPTで下書き生成
プロンプト例: 「以下の内容でプレゼン資料を作成してください: - Markdown形式で - 各スライドは --- で区切る - 簡潔な箇条書きで - 重要な情報を強調 - クイーン(バンド)について - タイトル、概要、メンバー、代表曲、功績の順で」
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生成された内容をレビュー・編集
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iA Presenterに貼り付け
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デザインの微調整(必要な場合)
このように、AIの力を借りつつ、最終的な推敲は人間が行うというワークフローが、効率的かつ質の高いプレゼン作成につながるのではないでしょうか。上記のサンプルプレゼンも、このワークフローで15分程度で作成できました。
結果として、Markdownでサクッとプレゼンが作れる上に、iA Writer譲りの美しいデザインに感動!プレゼン作成の概念が大きく変わる体験となりました。この体験は、ぜひ多くの方と共有したいと思っています。
この記事のターゲット
以下のような方におすすめです:
- プレゼン作成に時間をかけすぎて困っている方
- Markdownが好きな開発者の方
- ミニマルなデザインを好む方
- PowerPointやKeynoteに疲れた方
環境・バージョン情報
- iA Presenter: 1.0.4
- OS: macOS Sonoma 14.3
- 執筆時期: 2024年1月
インストール手順
iA Presenterの導入は非常に簡単です。以下の手順で、すぐに使い始めることができます。
1. 体験版のダウンロード
- 公式サイトにアクセス
- メールアドレスを入力して「Get Trial」をクリック
- 確認メールが届くので、メール内の確認リンクをクリック
- ダウンロードリンクが記載された2通目のメールが届きます
- 「Download iA Presenter for Mac」をクリック
- macOS Big Sur (11.0.0)以降が必要です
2. アプリケーションのインストール
- ダウンロードした
iA Presenter.app
をFinderで確認 -
iA Presenter.app
を「アプリケーション」フォルダに移動 - アプリケーションを起動して体験版をスタート
※ 体験版は2週間使用可能で、クレジットカードなどの登録は不要です。アプリを最初に起動した時点から2週間後に自動的に期限が切れます。
注意点
- 最初の起動時にシステム環境設定の確認が必要な場合があります
- 体験版の期限は自動的にカウントされるので、本当に使い始めたいタイミングでインストールすることをおすすめします
iA Presenterとは?
iA Presenterは、iA Writer開発元のiA社が開発したMarkdownベースのプレゼンテーションツールです。最大の特徴は「ストーリーテリングを重視」した設計思想にあります。
従来のプレゼンツールと大きく異なる点は:
- Markdownで書けるシンプルさ
- デザインの自動最適化
- スピーカーノート機能の充実
- マルチスクリーン対応
なぜiA Presenterを選んだのか?
iA Writerで執筆環境の素晴らしさを体験していた私が、iA Presenterを選んだ理由は以下の点です:
-
Markdownの親和性
# スライドタイトル - 箇条書き1 - 箇条書き2 --- ## 次のスライド 本文はスピーカーノートとして表示
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時間効率の向上
- プレゼン作成時間が約50%削減
- デザインに悩む時間が激減
- 内容に集中できる
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柔軟な出力形式
- PDF出力
- HTML形式
- PowerPoint形式(ベータ)
- 画像形式(PNG/JPG)
ここがスゴイ!5つの革新的機能
iA Presenterには、プレゼンテーションツールとして革新的な機能が詰まっています。特に以下の5つの機能は、従来のプレゼンツールとは一線を画す特徴となっています。「ストーリーを重視する」という設計思想が、これらの機能を通じて見事に具現化されていると感じます。
1. シンプルなMarkdown記法
プレゼンテーションの本質である「伝えたい内容」に集中できます。装飾やレイアウトに気を取られることなく、アイデアを素早く形にできる点が素晴らしいです:
基本的なMarkdown記法だけで美しいスライドが作成できます:
# メインタイトル
このテキストは自動的にスピーカーノートになります
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## サブタイトル
- 箇条書き1
- 箇条書き2
> 引用文も美しく表示されます
2. インテリジェントなレイアウト
プレゼンテーション作成における最大の悩みの一つである「デザイン調整」を自動化してくれます。入力したコンテンツに応じて、最適なレイアウトが自動的に選択される仕組みは、まさに魔法のように感じられます:
入力したコンテンツに応じて、自動的に最適なレイアウトが選択されます。例えば:
- テキストの長さに応じたフォントサイズの調整
- 画像の配置の最適化
- 余白の自動調整
3. テレプロンプター機能
プレゼンテーション本番での不安を大幅に軽減してくれる機能です。特に技術プレゼンでは、コードの説明や技術的な詳細を間違いなく伝えたいものです。この機能により、スピーカーノートを自然に参照しながら、聴衆とのアイコンタクトも保てます:
プレゼン本番での機能が充実しています:
- スピーカーノートの表示
- 現在のスライドの強調表示
- タイマー機能
4. マルチプラットフォーム対応
現在はmacOSのみの対応ですが、iOS/iPadOS版の開発が進められており、将来的にはWindows版も検討されているとのこと。一つのツールで、デスクトップからモバイルまでシームレスにプレゼン作成・編集ができる未来が楽しみです:
- macOS対応(現在)
- iOS/iPadOS開発中
- Windows版も検討中とのこと
5. エクスポート機能
作成したプレゼンテーションを様々な形式で出力できる柔軟性は、実務での活用において大きな強みとなります。特にHTML形式でのエクスポートは、Webでの共有やドキュメント化に便利です:
様々な形式でエクスポートが可能です:
- PDF形式(最も安定)
- HTML形式(Web公開用)
- PowerPoint形式(ベータ版)
- 画像形式(PNG/JPG)
ハマりポイントと解決策
iA Presenterは非常に優れたツールですが、使い始めると少し戸惑う部分もあります。私が実際に使ってみて遭遇した課題と、その解決方法をご紹介します。これらの情報が、皆さんのスムーズな導入の助けになれば幸いです。
特に日本人ユーザーとして気になった点を中心にまとめています。英語表示については心配いりません。むしろ、シンプルなUIと直感的な操作感のおかげで、ほとんど言語の壁を感じることなく使えています。
1. カスタマイズの制限
課題:
デザインの自由度が低い
解決策:
- テーマのCSSカスタマイズ
- 画像の活用で表現の幅を広げる
2. 日本語対応の注意点
課題:
UIが英語のみ
解決策:
- 基本的なUIは直感的
- macOSユーザー向けTips:
- UIの英語部分をスクリーンショット(⌘ + Shift + 4)
- スクショしたファイルを選択してスペースキーを押す(クイックルック起動)
- 右上の「テキストを選択」→「翻訳」で即座に日本語化
- より詳しく知りたい場合はGoogle翻訳も活用可能
3. プレビューの遅延
課題:
大きな画像を使用時に遅延発生
解決策:
- 画像の最適化を事前に行う
- プレビューウィンドウを別モニタに移動
実践的な使用シーン
iA Presenterは様々な場面で活躍します。私自身の経験と、コミュニティでの活用例を交えて、具体的な使用シーンをご紹介します。特に技術者の方々に響く活用方法を中心にまとめてみました。
技術プレゼンでの活用
コードを美しく表示できる点が、技術プレゼンでは大きな強みになります。例えば、アーキテクチャの説明では:
# 技術スタックの紹介
- フロントエンド:React
- バックエンド:Node.js
- データベース:MongoDB
---
## アーキテクチャ図

このようなシンプルなMarkdownから、見やすいスライドが自動生成されます。コードハイライトも美しく、説明が格段に分かりやすくなります。
勉強会での活用
短時間での資料作成が求められるLT(ライトニングトーク)で真価を発揮します:
-
LT(ライトニングトーク)
- 5分程度の短いプレゼンでも、内容に集中して準備可能
- スピーカーノート機能で時間管理もバッチリ
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ハンズオン資料
- コードと説明を交互に配置しやすい
- 参加者が後で見返しやすいPDF出力
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コードレビュー会
- Gitの差分を貼り付けるだけでキレイに表示
- インタラクティブな議論がしやすい
チーム共有での使用例
日々のチーム共有でも重宝します:
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デイリースクラム
- テンプレート化して使い回しが可能
- タスクの進捗がビジュアル的に表現しやすい
-
スプリントレビュー
- デモと説明資料を一元管理
- HTMLエクスポートで社内共有も簡単
-
技術選定の提案
- 比較表が作りやすい
- 結論から詳細まで階層的に表現可能
まとめ
iA Presenterは、プレゼンテーションツールの新しい形を提示してくれました:
- Markdownの手軽さ
- デザインの自動化
- プレゼンテーションに集中できる環境
特に技術系のプレゼンテーションでは、コードの表示が美しく、説明に集中できる点が素晴らしいと感じています。
あとがき:使ってみた正直な感想
実は、この記事を書いている時点でまだiA Presenterの体験版を使い始めて数日なのですが、すでに次のプレゼン資料もこれで作ろうと考えているくらい気に入っています。
特に印象的だったのは、以下の3点です:
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アイデアの整理がしやすい
普段からMarkdownで技術記事を書いている身としては、プレゼン資料もMarkdownで作れるのが本当に心地よいんですよね。アイデアを箇条書きで整理して、それがそのままスライドの骨子になっていく感覚が素晴らしいです。 -
デザインに悩まない
PowerPointだと「このテキスト、もう少し左にずらした方がいいかな...」とか「この色合い、ちょっと派手すぎるかな...」とか、デザインの調整に時間を取られがちでした。iA Presenterなら、そういった悩みから解放されます。 -
AIとの相性が良い
先ほど紹介したように、ChatGPTで生成した内容をそのまま貼り付けられるのが驚きでした。Markdownという共通言語を介して、AIの力を最大限に活用できる点は、現代のプレゼン作成ツールとして大きな強みだと感じています。
正直なところ、最初は「デザインの自由度が低い」ことに少し不安を感じていました。しかし使ってみると、その「制限」こそが、内容に集中できる理由になっていたんですね。「余計なことは考えなくていい、伝えたいことだけに集中しよう」というメッセージが、ツールの設計思想から伝わってきます。
とはいえ、完璧なツールというわけではありません。特に、チームでの共同編集機能がないのは少し残念です。今後のアップデートで、そういった機能も追加されていくと良いなと期待しています。
体験版で気に入った方は、ぜひ製品版の購入もご検討ください。私自身、体験版の期間が終わる前に購入を決めようと思っています。素晴らしいツールには、正当な対価を払う価値があると考えているためです。
最後に、この記事がiA Presenterに興味を持ってくださった方の参考になれば幸いです。特に、「プレゼン作成をもっと楽しく、もっと効率的に」したいと考えている方に、新しい選択肢を提供できていれば嬉しいです。
ご覧いただき、ありがとうございました!
価格について
- 買切り:8,600円(約$89相当)※学割60%オフあり
- サブスクリプション:月額/年額プランあり
※ 為替レートにより価格が変動する可能性があります。
参考資料
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんもぜひiA Presenterを試してみてください!