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24. 今日の日課22 次に来そうなテクノロジー(もう来てるかも):バイオテクノロジー(遺伝子治療)

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はじめに

 今日の日課22日目です。
 この記事では、筆者がその日気になったトピックを一つ調べてまとめます。今日はバイオテクノロジーについて(特に、遺伝子治療について)まとめます。

1.そもそも遺伝子とは?

遺伝子は遺伝をつかさどるDNAの一定の領域を言います。DNA(デオキシリボ核酸)は、はしごをひねったような形状をしており、細胞の核の中の染色体には、このDNAの長い糸が細かく折りたたまれて入っています。
(中外製薬
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/genome/genomep04.html)

 中外製薬のホームページでは、このように解説しています。遺伝子とは、あくまでDNAの中の遺伝に関する部分のことです。

2.遺伝子治療とは

 では、遺伝子治療とは何なのでしょうか。
 遺伝子治療は最初、遺伝性疾患と呼ばれる遺伝子の異常からなる病気を治すことが出発点です。ここからわかるように、遺伝子治療とは、異常な遺伝子を何らかの方法で正常にすることといえます。
 この何らかの方法は、大きく二つに分けられます。今回は二つの治療法を紹介したいと思います。

2.1 ex vivo法:幹細胞遺伝子治療

 一つ目に紹介するのは、幹細胞遺伝子治療です。これはex vivo法に分類されます。ex vivo法とは

生物から細胞や組織を取り出して治療や処置をし、その後、もとの生物に戻すことです。
(再生治療PORTAL
https://saiseiiryo.jp/keywords/detail/ex_vivo.html#:~:text=ex%20vivo%EF%BC%88%E3%81%88%E3%81%8F%E3%81%99%E3%83%BB%E3%81%B3%E3%81%BC,%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%AB%E6%88%BB%E3%81%99%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82)

 具体的には、患者の遺伝子を解析して、病気の原因となる遺伝子を特定した後、骨髄から幹細胞を取り出します。この幹細胞に正常な遺伝子を導入します。最後に患者の体内に戻します。

2.2 in vivo 法:CRISPR-Cas9

 二つ目に紹介するのは、CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)という技術です。これは治療法というよりは、ゲノム編集の技術です。この技術による遺伝子治療はin vivo 法に該当します。in vivo 法とは、

体内に直接外来の遺伝子,あるいは遺伝子をのせたベクターを打ちこむ方法
(Newton Docter
https://www.newton-doctor.com/saisentan/saisentan06.html#:~:text=%E3%81%93%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB,%E3%80%8Cin%20vivo%E6%B3%95%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82)

 ここでの、ベクターとは、

他の遺伝子(DNA)を外から体内にあるいは細胞内に導入する運搬体のこと。ベクターとして小さなDNAやウイルスなどが用いられています。
(中外製薬 https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/genome/genomep04.html)

 CRISPR-Cas9は2020年にノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術で、よくハサミにたとえられます。酵素を使ってDNAの一部を切り取る技術だからです。CRISPR-Cas9のすごいところはDNAの狙った1カ所だけを切ることができます。約30億の塩基配列の中にある約2万個のヒトの遺伝子の中から一つだけ狙い撃ちできるということです。
 ここで、CRISPR-Cas9はDNAの一部を切り取る技術だと紹介しましたが、CRISPR-Cas9は遺伝子を書き換えているわけではありません。CRISPR-Cas9は切り取るだけで、切った後にDNA自体の修復機能によって結果的に書き換えが行われるという仕組みです。
 

3.日本での事例

 日本では、1995年に北海道大学で日本で初めての遺伝子治療が行われました。また、CRISPR-Cas9のもととなった塩基配列「クリスパー」を発見したのは、日本人の研究者です。
 このCRISPR-Cas9ですが、特許が取得されているため日本で使おうとするとかなりのお金が必要です。そのため、国産のゲノム編集技術の開発が行われています。名前はCRISPR-Cas3です。
 in vivo法のCRISPR-Casを使った治療は保険適用がまだだったり、治験段階だったりしますが、ex vivo法は日本で保険適用されているものがあります。CAR-T細胞療法というものです。この治療法は難治性のがんに対する治療法として開発されました。仕組みとしては、患者から採集したT細胞をCAR-T細胞という特定の抗原を発言するがん細胞の認識して攻撃するものに改変します。このCAR-T細胞を増殖して患者の体内に戻すというものです。

4.これからの予想

 まず国産のゲノム編集技術であるCRISPR-Cas3についてはすでに開発や仕組みの解明に一部成功しているようです。これからはさらなる安全性の向上と実用化が期待されます。
 また、ゲノム編集治療を行うにはゲノム解析が必要です。こちらに関しては、すでに個人向けサービスが開始していて約15万円ほどで自分のゲノムが解析できます。検査は唾液を採集するだけで、検査結果は6~8週間ほどで分かるそうです。
 ここからが予想ですが、今のAIの進歩などのそのほかの分野の発展を踏まえると、今後10年以内にはパーソナライズされた医療が受けられると予想します。また、AI医師やロボット手術が登場すれば今よりも低コストで医療が受けられると思います。AI医師は結構早く来そうですが、ロボット手術とかはまだかかりそうです。(筆者の勘です)
 さらに、ある程度の遺伝的な疾患はゲノム解析と編集で早期に予防ができそうです。こうなると健康保険などの他の分野にも影響が出ますね。(こちらも10年以内には来そう)

5.まとめ

 今回は遺伝子治療について調べてみました。未来の医療は明るそうですな。4.の予想に関しては、筆者は専門家ではないのでかなりいい加減ですが、、、結構当たっている気がしないでもないですw。
 これからも気になったことをまとめていきたいと思います。

参考資料

1.「ゲノム編集」とは?遺伝子治療への応用の可能性は? - 遺伝性疾患プラス
ゲノム編集の仕組みや遺伝子治療への応用の可能性などについて、日本におけるゲノム編集研究の第一人者で、ゲノム編集技術を用いて
https://genetics.qlife.jp/interviews/dr-mashimo-20210215

2.国産ゲノム編集技術CRISPR-Cas3が二本鎖DNAを切断する仕組みを解明 ―社会利用が可能なゲノム編集法として期待―|東京大学医科学研究所
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00191.html

3.NOVARTIS, CAR-T細胞療法
https://www.novartis.com/jp-ja/research-development/car-t

4.【ノーベル賞解説】「クリスパー・キャス9」って何?新型コロナにも有効?|ニュースイッチコラム|三菱電機 Biz Timeline
2020年のノーベル化学賞を受賞した「ゲノム編集」の「クリスパー・キャス9」とは?
https://www.mitsubishielectric.co.jp/business/biz-t/contents/newswitch-column/column018.html

5.BUSINESS INSIDER, 15万円で「全ゲノム解析」。国内初、個人向けサービス開始のインパクトを考える
https://www.businessinsider.jp/post-257525

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