はじめに
今日の日課24日目です。今日の日課は量子コンピューターについてまとめていきたいと思います。
量子コンピューターといえば、最近、理化学研究所が国産の量子コンピューターを稼働させました。これまでスーパーコンピューターで世界と戦ってきた日本としては量子コンピューターでも負けられないですね。
1.そもそも量子コンピューターとは?
まず初めに、量子コンピューターとは何なのかからまとめていきたいと思います。
量子コンピューターとは、
物質を構成する原子や電子などの「量子」の持つ性質を利用して情報処理を行うコンピュータです。量子の運動は「量子力学」に支配されており、量子の世界においては「量子重ね合わせ」というまかふしぎな現象が発現します。この0と1の重ね合わせ状態を用いて並列計算を行うコンピュータが量子コンピュータなのです。
産総研マガジン, https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20220518.html
ここで説明されているように、量子コンピューターは量子の重ね合わせという性質を利用したコンピューターです。
では、量子の重ね合わせの性質は具体的にどうやって役立てられているのでしょうか。従来のコンピューターと比較してみていきましょう。
従来のコンピューター
スーパーコンピューターを含む従来のコンピューターは0と1を使った二進数で計算しています。これはトランジスタというものを使っています。トランジスはオンオフを切り替えるスイッチのようなものです。ここから、オフの状態を0、オンの状態を1として二進数を表現しているわけです。この0か1の数はビット(bit)という単位で表記され、8ビット集まると1バイト(byte)になります。
量子コンピューター
では、量子コンピューターはどうかというと、0と1の二進数で計算していることは量子コンピューターも変わりません。ここで量子の重ね合わせが出てきます。この量子の重ね合わせ状態とは、0と1の状態を同時に持っている状態のことです。例えると、コインは裏表があります。このコインを高速で回すと裏表が同時に見えると思います。この状態のことです。量子コンピューターの場合は量子ビットという単位を使います。
これの何がすごいかというと、量子の重ね合わせを使うとこれまで0と1を使い分けて逐次計算していたものを並列で処理できるということです。これによって、計算スピードが跳ね上がります。
これまで開発されている量子コンピューターには二つの種類があります。一つ目の量子ゲート方式はこれまでのコンピューターの量子版で同じようなことができます。汎用型量子コンピューターともいわれます。二つ目が量子アニーリング方式というものでこちらは特化型量子コンピューターと呼ばれています。これは組み合わせの最適化に特化したコンピューターです。
2.量子コンピューターの使い道
では、量子コンピューターを使うと何ができるのかですが、使い道は限られているようです。
以下が具体的な量子コンピューターの使い道です。
・自動運転
~どのルートが最適かなどの計算に役立ちます
・新薬の開発
~どんな物質を組み合わせるとどんな効果の薬ができるかなどの計算に役立ちます。
・暗号の解読
~RSA暗号などの膨大な数の計算量によって保障されていた暗号の解読に役立ちます。
3.量子コンピューターの現在
ここからは現在の量子コンピューターの進捗具合についていくつかのニュースをまとめます。
3.1理化学研究所が国産の量子コンピューターを稼働,2023/03/27, 日本経済新聞
この量子コンピューターの量子ビットは64です。50量子ビットで16ペタバイトのメモリと同等なので、64量子ビットはかなり凄そうです。
3.2東大とIBMが「理研超え」127量子ビットの量子コンピューター。この秋稼働へ, 2023/04/21, BISINESS INSIDER
今度は127量子ビットと規格外ですね。ちなみに80量子ビットで宇宙すべての原子が1ビットの情報を所持する場合のデータ容量を超えるらしいですw。
4.まとめ
今回は量子コンピューターについてまとめてみました。かなり夢のあるテクノロジーですが、すでに実用化も始まっているところを見ると近いうちに量子コンピューターで新薬開発!とかはありそうですね。
また、量子コンピューターが大衆化されるとこれまでの暗号化方式が使えなくなってしまいます。新たな暗号化の仕組みが必要ですね。
参考資料
1.Crystal-Method, 量子コンピュータが実現するとどうなる?その仕組みから解説,
2.NRI, 量子コンピュータ,
3.2030年すべてが「加速」する世界に備えよ NewsPicksPublishing