日本語を入力するだけで、ミニドラ語に翻訳してくれるひみつ道具を開発しました!
はじめに
ミニドラが話すミニドラ語、という言葉をご存知ですか?
アニメでは「ドラドラ」とか「ドララ~」など、正規表現で表すと^(ドー*ラ+ー*)+$
くらいのレパートリーです
しかし、漫画のほうでは
と、^(ドー*ラ+ー*)+$
に当てはまらない「スースーシーシーワーワーナーナー」と喋っているではありませんか!
ドラミちゃんのセリフから日本語に訳すると「すっかり調べて、悪いところを直しました」を言ってそうです
この「すっかり調べて、悪いところを直したよ」から「スースーシーシーワーワーナーナー」を開発しました
使用技術及び環境
- Python 3.7.0
- COTOHA API
翻訳機の仕様
ドラえもん公式にミニドラ語のルール的なものは見つからなかったので、さっきの1コマからひねり出します
もし、ミニドラ語のルールがあったら教えて下さい
1コマからわかること
「スースーシーシーワーワーナーナー」 = 「すっかり調べて、悪いところを直したよ」
であるのはほぼ確定っぽそうです(「直したよ」は「直しました」や「直した」など、表記ゆれの可能性はあります)
否定も会話の流れからして、考えにくいです
「直しませんでした(直せませんでした)」と言っている人に「直してくれたの?」と聞き返すのは不自然かなと
ミニドラ語と日本語を紐付け
次に、ミニドラ語と日本語が紐付けてみました
法則性として、単体で意味のある単語(自立語)の頭文字を繰り返すルールがありそうです
表にまとめると以下のようになります
ミニドラ語 | 日本語 | 発声する音の頭文字 |
---|---|---|
スースー | すっかり | ス |
シーシー | 調べて | シ |
ワーワー | 悪いところを | ワ |
ナーナー | 直したよ | ナ |
日本語を解析
自立語の頭文字を繰り返すルールが分かったとなれば、あとはどれが自立語なのかがわかれば翻訳機の完成です
ここで、「すっかり調べて、悪いところを直したよ」をCOTOHA APIを使って解析してもらいました
COTOHA APIが提供するAPI一覧はこちらになりますが、今回は構文解析を使いました
解析した結果をすべて載せたいところですが、冗長なので重要な部分だけをまとめました
表記 | 品詞 |
---|---|
すっかり | 連用詞 |
調べ | 動詞語幹 |
悪 | 形容詞語幹 |
直 | 動詞語幹 |
どうやら、上の3品詞はミニドラ語の対象になりそうです
最初に言ってた自立語にも含まれてそうです(高校時代で勉強した内容の覚えている範囲で)
他にも自立後になりそうな品詞は以下くらいなので、それも対象にしています
- 名詞
- 連体詞
- 独立詞
名詞の精度を上げる
これで完成・・・かと思いきや、今回たまたま「すっかり調べて、悪いところを直したよ」の解析で見つけたので、対処できたのですが、「ところ」が名詞として判定されました
つまり、このまま実装すると「スースーシーシーワーワートートーナーナー」と、余計なものが出てきてしまいます
なので、この「トートー」を除外します
「ところ」の解析結果を見ると、以下のようになります
{
"id": 6,
"form": "ところ",
"kana": "トコロ",
"lemma": "所",
"pos": "名詞",
"features": [],
"dependency_labels": [
{
"token_id": 4,
"label": "amod"
},
{
"token_id": 7,
"label": "case"
}
],
"attributes": {}
}
除外の判定に使えそうな部分がdependency_labels
、依存関係ラベルのみなので、こちらを利用します
リファレンスを見ると、「ところ」はtoken_id
が4の形態素に修飾されているとのこと
token_id
が4、つまりid
が4となっているのはここには載せていませんが「悪」です
どうやら、修飾対象になるものはミニドラ語からは発音されないルールになっていそうなので、amod
は除外します
最終的なコード
以上を踏まえて実装したコードは以下になります
import requests
import json
import sys
import configparser
config_ini = configparser.ConfigParser()
config_ini.read('config.ini', encoding = 'utf-8')
BASE_URL = "https://api.ce-cotoha.com/api/dev/nlp/"
# 払い出されたCLIENT_IDとCLIENT_SECRETを直書きしてもOKです(コピペで誤って晒すのを防ぐためにconfigparser使いました)
CLIENT_ID = config_ini['CONOHA_CLIENT']['ID']
CLIENT_SECRET = config_ini['CONOHA_CLIENT']['SECRET']
def auth(client_id, client_secret):
token_url = "https://api.ce-cotoha.com/v1/oauth/accesstokens"
headers = {
"Content-Type": "application/json",
"charset": "UTF-8"
}
data = {
"grantType": "client_credentials",
"clientId": client_id,
"clientSecret": client_secret
}
r = requests.post(token_url,
headers=headers,
data=json.dumps(data))
return r.json()["access_token"]
def parse(sentence, access_token):
base_url = BASE_URL
headers = {
"Content-Type": "application/json",
"charset": "UTF-8",
"Authorization": "Bearer {}".format(access_token)
}
data = {
"sentence": sentence,
"type": "default"
}
r = requests.post(base_url + "v1/parse",
headers=headers,
data=json.dumps(data))
return r.json()
def exist_dependency_labels(labels, tag):
for label in labels:
if label["label"] == tag:
return True
return False
if __name__ == "__main__":
# ミニドラ語に翻訳する文章
sentence = "すっかり調べて、悪いところを直したよ"
# 実行時に引数で翻訳する文章が与えられていたら、そっちを翻訳します
args = sys.argv
if len(args) >= 2:
sentence = str(args[1])
access_token = auth(CLIENT_ID, CLIENT_SECRET)
parse_sentence = parse(sentence, access_token)
result_list = list()
# 翻訳対象の品詞を設定
targets_pos = list()
targets_pos.append("名詞")
targets_pos.append("動詞語幹")
targets_pos.append("形容詞語幹")
targets_pos.append("連体詞")
targets_pos.append("連用詞")
targets_pos.append("独立詞")
for chunks in parse_sentence['result']:
for token in chunks["tokens"]:
if token["pos"] in targets_pos:
if not exist_dependency_labels(token["dependency_labels"], "amod"):
result_list.append(token["kana"][0] + 'ー')
result_list.append(token["kana"][0] + 'ー')
# 翻訳結果を出力
print(sentence)
print('↓')
print(''.join(result_list))
オレ プログラム ウゴカス オマエ ゲンシジン ナルにあるコードをベースに作成しています
実演
いろんな文章をミニドラ語にしてみました
$ python minidorago.py なんだ、いつものパターンか
なんだ、いつものパターンか
↓
ナーナーイーイーパーパー
$ python minidorago.py みんなのハート打ち抜くぞー
みんなのハート打ち抜くぞー
↓
ミーミーハーハーウーウー
$ python minidorago.py 俺の隣がインスタ映え
俺の隣がインスタ映え
↓
オーオートートーイーイーハーハー
ものによってはうなされているような・・・w
終わりに
これを使えばみんなもミニドラ語を話せるので、ミニドラのような可愛さで会話ができるように(?)なりました
$ python minidorago.py 最後までありがとうございました
最後までありがとうございました
↓
サーサーアーアー
伝わるかどうかは保証できません
参考
- 実はミニドラって喋れるぞ!【ドラえもん雑学】(Youtube)
- COTOHA API リファレンス
- オレ プログラム ウゴカス オマエ ゲンシジン ナル(Qiita)