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保健学科の院生が応用情報技術者試験に合格した話

Last updated at Posted at 2020-05-02

1.はじめに

応用情報技術者試験に合格したので、概要や勉強方法を残します。
今後受ける人の参考になれば幸いです。

2.私のスペック

まずは応用情報技術者試験合格当時のスペックは以下の通りです。

・保健学科の大学院1年生。
・プログラミングは研究で少し学んだ程度。
・画像圧縮とかビットの計算なら授業でやりました。
・データベース?ネットワーク?セキュリティ?知りません。
・基本情報技術者は勉強していません。

研究で医用画像処理をやっていたので、簡単なプログラムは書けましたが、情報の知識はほとんどありませんでした。
しかし情報工学系の学会に参加することも多く、ここらへんで基礎的な知識(コンピュータとかデータなどの技術関連)を身につけようと思い勉強してみることにしました。
保健学科で何も分からずに情報系のことやるのも良くないなと思ったこともあります。

ちなみに基本情報技術者を受けずに応用情報技術者試験を受けたのは、難易度がそんなに変わらないと聞いたからです。
実際勉強してみても問題の難易度に大差ないと思いました。
むしろプログラミングの記述が無い分、応用情報技術者試験の方が簡単っていう人もいるんじゃ無いかなと思います。

3.試験の情報

3.1 概要

応用情報技術者試験とは、高度IT人材として必要な応用的知識・技能を持つことを証明する国家試験です。
情報処理推進機構(IPA)が公開している試験区分によると4段階中3段階目に位置する難易度の高い資格になります。

スクリーンショット 2020-05-02 20.35.56.png
参照)https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html

3年分の合格率に関するデータを表にまとめました。
スクリーンショット 2020-05-02 20.40.54.png
合格率は20%を超えるくらいです。
しかし、この合格率が(合格者数)/(受験者数)であるため、実際に応用情報技術者試験に申し込んで合格する割合は15%を下回って
います。

3.2 試験の構成

応用情報技術者試験は午前、午後に分かれています。
午前は4択の選択形式で午後は記述形式になります。
午前、午後の両方で正答率60%を超えることが合格の条件となります。
スクリーンショット 2020-05-02 20.44.30.png

3.3 午前試験について

応用情報技術者試験の午前問題は4択の記号選択式の問題を150分で80問解きます。
正答率60%が合格条件ですので、48問正解すれば午前は合格です。

そして何より大事なのは、本番の問題の4割は過去問の使い回しです。
しかも残りの半分程度は過去問を少し変えただけの問題です。
つまり過去問さえ完璧に解ければ6割は簡単に超えられ、合格点に達します。
逆に午前で落ちてしまう人は単純に演習不足なので、過去問を中心に何度も解きましょう。

選択式なので、本番も90分もあれば問題を解き終えて退出する人が多かったように感じました。

3.4 午後試験について

応用情報技術者試験の午後問題は記述式です。
全部で11問あり、1問が必須で残り10問から4問を選ぶことになります。
150分で大門5問を解くため、1問あたり30分の時間があることになります。
しかし文章量も多く、丁寧に解いていると時間は全足りなくなってしまうため、時間配分には気を配る必要があります。

選択問題は以下になります。

1.情報セキュリティ(必須)
2.経営戦略
3.プログラミング
4.システムアーキテクチャ
5.ネットワーク
6.データベース
7.組込みシステム
8.情報システム開発
9.プロジェクトマネジメント
10.サービスマネジメント
11.システム監査

この中から、情報セキュリティ(必須)と他4問を選んで解く必要があります。
つまり全範囲を記述できるレベルまで勉強しなくても良いということです。
効率よく合格するためにも範囲を絞って得意科目を勉強するようにしましょう。

ただし、応用情報技術者試験の午後問題は、年度によって難易度が変わります。
そのため、5科目のみを勉強するのではなく、当日問題を見て簡単そうなものを選んで解くために、7科目ほど勉強するというのがオススメです。

では、応用情報技術者試験の午後問題はどれを選択するべきということですが、
私は、試験当日は以下の5科目を解きました。

1.情報セキュリティ(必須なので当然ですが…)
3.プログラミング
6.データベース
7.組込みシステム開発
9.プロジェクトマネジメント

プログラミングは唯一情報系で知っていることなので迷わず選択しました。
プログラミング、データベース、組込みシステムは対策をすれば安定して点が取れるためオススメです。
また当日はシステムアーキテクチャも解く予定でしたが、問題を軽く見たときに難しそうに感じたため、他に勉強していたプロジェクトマネジメントに変更しました。

4. 勉強方法

具体的な勉強方法を紹介していきます。
私は令和元年秋季の応用情報技術者試験を受けました。
試験日は10月末で、勉強は7月後半から始めたので、勉強期間は約3ヶ月です。
平日は大学帰りの電車で毎日1時間と、たまに22時前に帰宅できた日はもう1時間程度勉強していました。
土日は、研究室に行かなければ、4時間程度勉強していました。
合計勉強時間は200時間くらいだと思います。

4.1 午前編

とにかく過去問を解きまくります。
と言いたいところですが、情報に関して全く知識のない私では問題文の意味すらわからないものがほとんどでした。
そこでまずは参考書を読んで、どんなことが応用情報技術者の試験範囲になっているかを学びます。

オススメなのは『キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 平成31/01年度』です。
800ページを超えるのでかなり量はありますが、漫画やイラストでかなりわかりやすく書かれています。
実際ほとんど知識がなくても読み進めることができました。
とにかく試験範囲でどんな知識が必要かというのを知るにはかなりおすすめです。
私は1ヶ月くらいかけてこの本を1周+わからないところをもう1周しました。

そして応用情報技術者試験の試験範囲の大まかな知識を入れたところで、過去問演習に移ります。
この時点ではまだ知識をもとに解ける問題は多くはないですが、とにかく解きまくります。
前述したように応用情報技術者試験の午前は過去問がメインになってくるので、繰り返し解くことで対応できるようになっていきます。

また過去問をどの範囲で解けばいいかということですが、多くても直近10回分を解けば十分だと思います。
それ以前をやっても問題が被っていたり、二度と出題されなそうな問題があったりするからです。
できれば直近2回は練習で解かず、本番直前の力試しで解くといいと思います。

応用情報技術者試験の過去問対策におすすめなのが、応用情報技術者試験ドットコムというインターネットサイトです。
こちらのサイトの過去問道場のページでは応用情報技術者試験の過去問題を全て無料で解くことができます。
しかも出題設定が可能で、年度を指定して順番に解いたり、ランダムに出題させたりすることができます。
私はスマホからこのサイトを使って、直近3〜10回分の過去問をひたすらランダムに解いていました。
1ヶ月も解き続ければ、大体の問題は解けるようになっています。

応用情報技術者試験間近になったら、総仕上げとして『平成31年【春期】/01年【秋期】応用情報技術者 合格教本』を利用します。
こちらの本は、私の中では辞書的な位置づけで、わからないところを調べるときはだいたいこれを使っていました。
試験直前の勉強で、問題の選択肢などで自分で解説できない箇所があればこの本で調べて覚えます。

午前試験対策をまとめると以下のような感じです。

・キタミ式を読んで試験範囲とその大まかな知識を理解する。
・応用情報技術者試験ドットコムを利用して、過去問を解きまくる。
・合格教本を使って、怪しい部分を埋める

4.2 午後編

午後に関しては、午前ほど対策していません。
というよりは午前の対策にかなり時間を取られて、午後試験の対策を始めたのは試験2週間前くらいしか取れませんでした。
実際他のサイトを見ても午後は対策してない方が多いようです。
というのも午後試験は範囲が広く、専門的な知識を問われるため、ピンポイントな対策ができないからです。
ただし、午前試験対策で基礎が身についていれば、それをもとに解ける程度の難易度となっています。

そこで私は試験問題を解く対策というよりは、午後試験に慣れるということに焦点を当てて対策しました。
応用情報技術者の午後試験は前述したとおり、150分という長い時間集中して、時間配分に気を配りながら、問題の取り組む必要があるからです。

午後対策では『応用情報技術者 午後問題の重点対策』という本を使って対策しました。
この本は過去の午後試験の問題と、かなり分かりやすい解説が書いてあります。
自分が選んだ分野の問題を、大問1問あたり25分と決めて解いてみてください。
そして解説文を、知識を理解するだけでなく、どのような考え方で答えを導いているかに重きを置きながらじっくり読み込みます。
試験本番は問題の内容はほとんど違うと思いますが、問題文の量や記述量などは大きくは変わらないため、焦らずに本番の試験取り組むことができると思います。
あとは、できれば過去問を1回分だけ時間を測って解いてみてください。
本番で時間配分のミスをなくせると思います。

午後試験対策をまとめると以下のような感じです。

・午前試験対策で、選択した分野の基礎を固める。
・午後問題の重点対策を使って、問題の傾向を掴む。
・過去問を1回分、本番を想定して時間を測りながら解く。

4.3 具体的な勉強スケジュール

最後に具体的な勉強スケジュールを紹介します。

・試験3ヶ月前〜2ヶ月前
キタミ式を読み込んで、試験範囲とその知識を確認する。

・試験2ヶ月前〜1ヶ月前
過去問道場で午前の過去問をひたすら解き続ける。

・試験1ヶ月前〜2週間前
…過去問を解きつつ、合格教本を使って怪しい箇所をなくす。直近2回分の過去問のうち1つを本番のように解く。

・試験2週間前〜3日前
午後の重点対策の選択した7分野を解いて解説を読み込む。

・試験前々日
…直近の午前試験、午後試験を本番と同じ時間設定で解く。

・試験前日
午前の過去問を解く&合格教本で不安を解消

5.最後に

知識ゼロからのスタートでなかなか大変でしたが、私はこの勉強法でかなり効率的に応用情報技術者試験に合格できました。
(ちなみに午前67.5点、午後69点でギリギリでした…)
まだまだ学ぶことはたくさんあるので、この分野の勉強は続けていきたいと思います。
皆さんがこの勉強法を参考に合格していただけたら嬉しいです。

学ぶつもりがあまりなかったマネジメント系の科目が思ったより面白かったので、深めていきたいと思う今日この頃です。

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