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高卒・未経験の工場派遣社員が外資ITに入った話

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はじめに

要約

高卒・工場派遣社員が資格取得と英語の独学を1年し、様々な繋がりを通じて、外資系IT企業の内定をいただいた。

この記事を書こうと思った理由

高卒・未経験からいきなり外資に入るのは結構珍しい事だと思うので誰かの参考になればと思います。
そのほかには:

  • 企業内外のリクルーター、IT以外の職種も含めLinkedinで1~2ヶ月で約15件以上のDMをいただいた
  • TwitterのDMで複数のお声掛け
  • 大手外資系IT企業からお声がけいただき最終面接まで進むことができたなど

自己紹介・経歴

医学部受験 (1年半)

  • 1年間浪人し失敗。その後半年惰性で受験勉強を続行するも挫折

アルバイト(1年半)

  • 受験に失敗した自分が恥ずかしくなり地元から逃げるため、一人暮らしの資金を貯めはじめる
  • 将来のことを考えてIT業界に進むことを決意
  • 辞める前に基本情報技術者試験に合格

この時一度就活をしたのですが良い企業は全部書類で落ちてしまい凹みました。
そこで、知り合いの紹介で工場で働きながら、念願の一人暮らしと学習資金・時間の確保を両立しつつ、勉強して良いところに就職しようと考えました。
(ただ今となっては、実務経験歴の重要性を痛感しているので、最初からITで働いても良かったのかなと思います)

また、元々インターネットの仕組みに興味があり、インフラエンジニアを目指しました。
その際、この記事を見てCCNP, TOEIC,支援士を取ればいいのかーと次の年の指針にしていました。
元運用監視オペレーターの方のブログで、IT関係の知り合いすらいない当時の私は参考にしていました。

工場勤務(1年)

この一年「働きながら勉強すればいいや」という当初の自分の甘い考えを呪いました。
月残業30~40時間位, 夜勤あり2交代, 土曜出勤1~2回, 肉体労働というハードモードでした。
その中でどう勉強時間を捻り出すか?がとにかく大きな課題で、仕事の60分の休憩時間も勉強に充てました。
受験生時代は自分を追い込みすぎて精神を病んだので、睡眠管理、栄養摂取、たまの運動などを行い、セルフマネジメントを意識しました。そのため、仕事がキツくサボった日も全然あります。
ここからはさっきの基本情報技術者試験も加えて、この1年でやったことをもう少し詳しく書いていこうと思います。

この1年でやったこと

基本情報技術者試験

アルバイトを辞める1ヶ月前ぐらいに取りました。100時間ぐらい勉強したと思います。
鉄板の勉強法だと思います。

  • きたみ式基本情報技術者試験の参考書→過去問道場
  • でるとこだけ科目Bの対策本

TOEIC: 550 → 880

高校生の頃に対策なしで受けたTOEICは550点でした。
社会人になって工場勤務を始めた後、英語に本気で向き合うことにしました。

最初は王道のTOEIC対策を選びました。

  • 金のフレーズで単語暗記
  • 文法問題で「出る1000」を1周
  • 通勤時間はYouTubeのTOEICリスニング動画をきく

これで2ヶ月後765点取りました。受験時代の勉強の貯金が大きいと思います。

ここからは英語をTOEICのためではなく、スキルとして使えるようになりたいと思うようになりました。そこで、Matt vs Japan や ニックの手法を参考に、“イマージョン(英語漬け)”に切り替えました。

通勤、食事、家事、風呂、ほとんどの隙間時間で英語のリスニングを並行して行いました。

  • Youtuber:Memeio, Kubz Scouts(ゲーム実況系)
  • 海外ドラマ:Friends, Young Sheldon
  • ポッドキャスト:All Ears English, Unpacking Japan, The Austin & Arthur Show など

結果、前回のTOEICから半年後に受けたTOEICでは特に大きな対策をせずとも880点を取りました。

私の周りを見ていると理系の人や頭が良い人ほど、分からない・理解できない状態を解消しようとする傾向があるように思えます。
“わからない状態”にどれだけ耐えられるか、という力をAmbiguity Tolerance 曖昧さ耐性と呼びます。
完璧に理解しようとせず、分からないままでも英語を浴び続ける。この感覚に慣れることが、リスニング力を伸ばす最大の鍵でした。

英会話1年

最初はオンライン英会話を2ヶ月ほどやっていました。
そのうちに海外のお友達ができて、毎日話すようになりました。時間が取れなくなったので、オンライン英会話の方をやめました。

情報処理安全確保支援士の午前1免除をGET

最初に紹介した記事を参考に取得を目指しました。支援士はセキュリティ系の資格で、午前試験と午後試験に分かれおり、一度午前試験に合格したら、そこから2年間は午前試験を受けなくても午後試験を受けることができます。
英会話にハマっていた時期だったので、とりあえず午前試験にだけ合格しておきました

  • きたみ式応用情報技術者試験の参考書→過去問道場
  • 情報処理教科書 情報処理安全確保支援士

CCNA

  • CCNAの白本
  • まさるの勉強部屋のCCNAは成長優先でよろしく!シリーズの視聴
  • 動画を見ながらCisco Packet Tracerで一緒に手を動かす
  • Ping-t

CCNAは、TOEICと重なったことや、高額な受験費用(4万円以上)にビビった結果、私は取得までに約4ヶ月かかりました。

ただ、正直言って試験対策だけならPing-tでほぼ対応できます。
実際、私もPing-tをメインにして合格しました。
でも、せっかくなら資格だけでは終わらせない方がいいです。これは後で紹介するメンターをして下った方のアドバイスの一つなのですが、

たとえば:

  • 自分のPCと仮想環境でCisco Packet TracerやGNS3を使い、
  • pingやtracerouteでネットワークの疎通確認をした画面をキャプチャし、
  • それに「どういう構成で、どこが詰まって、どう解決したか」のメモを添えてQiitaに書く

みたいなことをやると就活の時にアピールになりますし、履歴書にそのURLを貼り付けてもいいと思います。
特に外資系では、「何ができるのか」とそれを「どう伝えるのか」が重視されると感じました。

就職活動(時系列)

リクルートエージェントと就職活動

CCNAを取得する少し前ぐらいからエージェントを使って転職活動を始めました。
最初は大手子会社の求人を2つ紹介され書類で落ちました。
SESで運用監視の求人を紹介され、CCNA取得予定が評価され最終面接へ。この時は結局大事なのは実務経験で、年数を重ねてキャリアアップしていくしかないのかなと思っていました。

具体的な面接対策

ChatGPTに企業分析と想定質問作成をしてもらい、ある程度の回答を事前に作成し、何度も声に出して口に馴染ませました。

Xでのプチバズ

CCNAも無事取得し終わり内定が出そうな時期に、ふと前に”#Twitter転職”とかXで仕事の募集をしていた人いたよな、と思い何となく募集してみたところ、予想以上に反響があり、色々な方からキャリアについてのアドバイスやお仕事の紹介をいただきました。
image.png

その中でも大手外資系企業で働いており、エンジニア専門の転職支援をやっている方に色々とアドバイスをしていただいて、エージェントを使わず自分で大手や外資系企業を受けることに決めました。
今回内定いただけたのもこういった方々の支援があってこそ。
興味がある方は以下のリンクからコンタクトを取ってみてください!

また、その方が書いているブログと、実際にメンターを受けて転職成功した方の話でとても参考になりますので、こちらもぜひ読んでみてください!

メンターからのアドバイスを受けて

まずはアドバイスされた通り、Linkedinのプロフィールをしっかり作成し、業界についてもう少し調べて、まずは大手や外資から応募をし始めました。
最初は高望みをして、AWS, Microsoft, Cisco, Rakutenのジュニア向けのポジションに応募しました。結果は残念でしたが、気にせずガンガン応募していくか、とあまり気にしていませんでした。

この時期、LinkedIn経由でリクルーターの方からメッセージをいただいたのと、
それと並行して、先ほど紹介したメンターの方のご縁から別の1社を受けることになりました。

どちらも外資系IT企業で、当時の自分にとっては「高卒・未経験でもこういうチャンスがあるのか」と人との繋がりや発信の大事さを実感しました。
また、どちらもクラウド系のポジションだったので次のようなことを行い、クラウドの理解を深めることにしました。

AWS/GCPのハンズオンを実施しGithubに上げる

ここでは面接で話せるような材料を作るのが大きな目的でした

  • AWSやGCPの無料枠を使う
  • ChatGPTにどういう構成のハンズオンをしたら勉強になるのかを質問
    • わからないところは繰り返し質問
    • ある程度できたら英語でやったことをGithubに書く
    • 履歴書に成果物のURLを貼る

AWS CCP

  • ChatGPTに問題作ってもらって解く(数時間)

大手外資系IT

面接の流れと質問されたことなどを時系列で書きます

リクルーターとの面談

  • 自己紹介
  • 志望動機や経歴についての質問
  • どういう会社なのか、どういう仕事なのかについての説明

英語をビジネスで使うのは初めてで、緊張していましたが9割ぐらいは聞き取れました。
また、英語力を評価していただき、Githubや履歴書もすぐにチームにシェアしてくださりました。

技術面接(1.5時間)

  • 技術的な質問(ネットワーク関連)

    • OSI参照モデルの説明
    • IPとは何か、ルーティングとは?
    • OSPFについて説明
  • 技術的な質問(Linux関連)

    • ログを見るコマンド
    • 基本操作の理解度
  • セキュリティ関連

    • 共通鍵と公開鍵の違い、鍵の保存場所
  • 応用・応答型

    • 身の回りの仮想化技術について
    • 得意分野に関するディスカッション

他にも色々あったと思いますが、覚えているのはこれぐらいです。
ただ、得意な技術はどの分野なの?と最初に聞かれ、こちらの得意スキルを考慮して質問を投げてくれたようです。面接直前でやったGCPでのNginxを使ったハンズオンや、MacのTerminalを使っていた経験が活きLinux系のコマンドにも答えることができました。

最終面接

  • 主にカルチャーフィットです。1年で積み上げたキャッチアップ力を評価して頂きましたが、残念ながらお祈りでした。

高卒・未経験者が最終面接まで進めることができたこと自体、貴重な経験だったと思います。求人は水物で自分より経験ある人がいたら落ちてしまうもの、というメンターのアドバイスを励みに立ち直りました。
また、結果は悔しかったですが、英語面接にもそれなりに自信を持つことができるようになりました。

紹介していただいた会社

リクルーター面談

  • 自己紹介
  • 志望動機
  • どういう会社なのか、どういう仕事なのかについての説明

技術面接

  • 経歴についての質問
  • 使ったことあるAWSサービスについて

ここら辺時系列が多少前後していますが、この時点ではクラウドの経験が足りていなかったので、面接の感触は正直微妙でした。
ただ、リクルーターの方が英語力や自走力を強く推してくださって、その結果ご縁がありこちらの会社で内定が出ました。

全体を通じた感想

最初は数十社ぐらい落ちるのを覚悟していましたが予想より早く終わったという印象です。
また、Linkedinで大量にメッセージが来たことを考えると、外資系市場において英語ができるジュニア人材であれば、意外とチャンスがあるのかもしれない、と感じました。

何気ない一つの発信から、大きく人生が動きました。
いいねや拡散、アドバイスをくださった皆さん、本当にありがとうございました。
高卒になっても諦めず努力を積み重ねて本当に良かったと思えました。
これからも学び続け、推してくださった方々の期待に応えられるよう頑張りたいと思います。

もしこの記事が参考になったら、XのフォローやQiitaのいいねをいただけると嬉しいです。
ご質問があれば、DMまたはコメント欄までどうぞ!

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