はじめに
ACRiルームを利用する機会があったため、ACRiルームを利用してXilinx Alveo U200でVitisのチュートリアルを動かしてみました。
QiitaでACRiルームについて検索した所記事が見当たらなかった為、今後ACRiルームを利用する方の手助けになればと思い記事を書いた次第です。
本記事ではACRiルームの紹介と、ログインまでの手順を解説しています。
ACRiルームとは
ACRiルームとは、アダプティブコンピューティング研究推進体 (ACRi) が運営する、リモートからアクセスして利用できるFPGA開発環境です。
FPGA開発において手間となる開発環境の構築や、購入に数万円~数十万円かかるFPGAボードの用意をすることなくFPGA開発を始めることが出来ます。
以下、公式サイトより引用です。
ACRi ルームは、道具を揃える面倒な手間をスキップして、手軽に FPGA 開発をはじめられるリモート環境を提供します。エントリモデル (Arty) と本格的な FPGA コンピューティングを楽しめるモデル (Alveo) を、開発に必要なソフトウェア環境とセットで用意しました。都合のいい時間をオンラインで予約してログインするだけで利用できます。
はじめてのディジタル回路設計やプロセッサ開発には Arty を、FPGA の計算パワーを味わうには Alveo を、といった具合に興味や目的に応じてご利用ください。また、手元に FPGA を持っているという方でも、成果やノウハウを共有する環境として ACRi ルームを是非ご活用いただければと思います。
目標
ACRiルームのAlveoサーバ(as001)にログインする
動作環境
ACRiルームへのリモートアクセスに使用したPC
CPU: Intel(R)Core(TM)i7-8700 CPU @3.20GHz
コア/スレッド: 6/12
メモリ: 32GB
OS: Windows 10 Home
使用したAlveoサーバ
ホスト名: as001
CPU: Intel(R)Core(TM)i9-9900 CPU @3.10GHz
コア/スレッド: 8/16
メモリ: 128GB
OS: Ubuntu 18.04
Alveoカード: Xilinx(R)Alveo(TM)U200
事前準備
-
ACRiルームのアカウント
こちらのページに申請方法が記載されています -
ACRiルーム利用予約
こちらから予約できます -
Tera Termのインストール
ACRiルームのサーバコンピュータへログインする際に使用します
窓の杜さんなどからインストールできます
※今回はTera Termを使用していますが、WSLでも可能です
ACRiルームへのログイン
ACRiルームを予約できたら、初めにTera Termを使用したサーバコンピュータへログインします
- Tera Termを起動し「ファイル>新しい接続」を選択
- ホスト名に
gw.acri.c.titech.ac.jp
を入力して「OK」をクリック
- SSH認証画面で、事前に作成したACRiルームのアカウントの「ユーザ名」と「パスフレーズ」を入力して「OK」をクリック
- 次のように表示されたらログイン完了です
(IPアドレスとユーザ名は隠しています)
SSHポートフォワーディングの設定
次に、ポートフォワーディングの設定をしていきます
- Tera Termで「設定>SSH転送」を選択
- SSHポート転送という画面が表示されるので、「追加」をクリック
3.次の画面で「ローカルのポート」「リモート側ホスト(予約したサーバのホスト名)」「ポート」の3つを設定します
- 「ローカルのポート」には
13389
- 「リモート側ホスト」には事前に予約したサーバの名前を入力(今回は「as001」というサーバを予約したので
as001
となっています) - 「ポート」には
3389
を入力
3つ全てが入力出来たら「OK」をクリック
リモートデスクトップ接続
次に、Windows10の「リモートデスクトップ接続」を使ってGUIでサーバコンピュータにログインしていきます
- Windowsキーを押して「リモートデスクトップ接続」と入力
- 次の画像のような検索結果が表示されるのでクリックして「リモートデスクトップ接続」を開く
- コンピュータの欄に
localhost:13389
を入力して「接続」をクリック
- ログイン画面が表示されたらパスフレーズを入力して「OK」をクリック
次のような画面が表示されればログイン成功です
まとめ
本記事ではACRiルームの紹介と、ログインまでの手順について解説してきました。
今回はTera Termを使ったログインでしたが、余裕があれば別の方法(WSLやUbuntuのterminalなど)でも試して記事にしてみたいです。
次回はAlveoサーバを用いてVitisのチュートリアルを動作させていきます。