業務系システムエンジニア(SIer)となってCOBOLを使用することになったが、学習用環境をどのように作成すれば良いの?となっている方も多いと思う。
この私も新卒で入って、研修はJavaで行い、いざ現場配属されたらCOBOLで開発となり右往左往した記憶があります。
4月という季節柄、新卒で業務系SIerとしてスタートを切る方も多いと思う。COBOLを勉強するための最初の一歩である開発環境、中でも無償で使用可能なコンパイラーを3つご紹介します。
どれも公式サイトを見ながら導入すれば、簡単に開発環境をと整えられます。
※2023 年 4 月 2 日時点の調査結果に基づく
No. | 提供元 | コンパイラー | サービス内容 | URL |
---|---|---|---|---|
1 | GNU | GnuCOBOL | COBOL ソースのコンパイル過程で C 言語ソースを出力する | https://gnucobol.sourceforge.io/ |
2 | OSS コンソーシアム | Opensource COBOL | ・COBOL ソースのコンパイル過程で C 言語ソースを出力する ・OpenCOBOL(GnuCOBOL)に日本特有のビジネス環境に即したカスタマイズが施されている |
http://www.osscons.jp/osscobol/download/ |
3 | OSS コンソーシアム | Opensource COBOL 4J | COBOL ソースのコンパイル過程で Java ソースを出力する | http://www.osscons.jp/osscobol/download/ |
GnuCOBOL
GNU プロジェクトで開発している。
前身は、西田圭介氏が設計していた OpenCOBOL。
COBOL コンパイラー。
C 言語ソースが生成される。
COBOL コンパイルの過程で COBOL を中間 C ソースに変換し、モジュールを作成する。
9740 以上の NIST COBOL 85 test suite のテスト項目をクリアし、1000 以上の内部チェックを実施している。
IDE でデバッカーを使用したり、GNU gdb もサポートしている。
Opensource COBOL
OSS コンソーシアムが開発している 。
COBOL コンパイラー。
C 言語ソースが生成される。
COBOL コンパイルの過程で COBOL を中間 C ソースに変換し、モジュールを作成する。
OpenCOBOL(GnuCOBOL)に日本特有のビジネス環境に即したカスタマイズが施されている。
Opensource COBOL 4J
OSS コンソーシアムが開発している 。
COBOL コンパイラー。
Java ソースが生成される。
COBOL コンパイルの過程で COBOL を中間 Java ソースに変換し、Java コンパイラでバイトコードを生成する仕組み。
実装状況
下記の実装済みリストにある機能は NIST COBOL85 test suite でテストされており,99% のテストケースをパスしています.
<実装済み>
基本的なデータ操作 (MOVE, COMPUTE, ... )
制御文 (IF, PERFORM, GO TO, ...)
DISPLAY 文, ACCEPT 文
CALL による呼び出し
SEQUENTIAL ファイルの入出力機能
RELATIVE ファイルの入出力機能
INDEXED ファイルの入出力機能
SORT 文
組み込み関数 (ACOS, LENGTH, MAX, ...)
<既知の不具合>
同一ソースコード内の別プログラムの CALL ができない.