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Monotype Fontsを買ったら非常に良かった話

Last updated at Posted at 2023-01-02

はじめまして

はじめまして。Lexと申します。
グラフィックデザインやらWebデザインやらフロントエンドやらやりながらインターネットに浸かっている者です。

さっそく(タイトルから分かるように)フォントの話を始めようとしているのですが、さっきから書き出しに「エンジニアに関わる知識を~」なんてエディタに煽られているところであります。
ちなみに昨年まではすべてをnoteに認めればいいだろうと思っていたのですが年変わったしみたいなノリでQiitaくんのお世話になることにしました。
最後まで読んでくだされば幸いです、というか是非読んでください……

Monotype Fontsを買った&この記事を書くに至った経緯

新年なんでね、なんか衝動的散財をしてもいいだろうということでフォントを漁っておりました。
自分は欧文が好きなのでMyfontsでウィンドーショッピングをかましていたら、あまりに欲しいフォントが多すぎて困ったことになり、それならとMonotype1のサブスクであるところのMonotype Fontsに手を出してしまいました。

それだけならどうってことないのですが、全くいいサービスであったにもかかわらずある事情(後述)により国内では普及してないし日本語で書かれたインターネット資料が多くなかったので、備忘録として残しておこうと書き始めたというのが顛末です。

この記事は最初にプラン一覧を示してそのあと実際の導入例をスクショ交じりで書いているため、さっさとお使いのPCにフォントをブチ込みたい方は少しだけ読み飛ばしてください。

導入した所感

基本的にとってもいい

実際に導入した感想ですが、めちゃくちゃ良いです。文字通り欧文でフォントに困ることはまずなくなります。
さらに実はMonotypeは和文フォントを二つほどリリースしていて、そちらもとても美しいので和文も選択肢が広がります。

Monotype Fontsのダッシュボード。Avenir Next, Avenir, Helveticaといった王道書体が軒を連ねて表示されている

FrutigerやUniversのような王道のものや、Helveticaファミリーを筆頭にAvenirやFuturaなど「Macなら一部がバンドルされてる」フォントのフルスペック版などなど、下記のファウンドリのフォントが使い放題……と全部記そうとしたらあまりに長くなりました。以下は本当にごく一部です。

  • Monotype
  • Linotype
  • ITC
  • FontFont
  • Bitstream
  • TypeType
  • Fontsmith

またメニュー自体がかなり明快で、アクティベートもブラウザで“Sync”の部分を押すだけ、再起動なども不要というのがかなりありがたいところです。例えばMORISAWA PASSPORTだとインストールのためにPCを再起動せねばならず(MORISAWA Fontsだとそうでなくなるらしい。うれしい)これに比べれば純粋に好感度高いですね。
インストール前に各フォントのページで試し打ち、というのも当たり前のようにできます。バリアブルフォントならもちろん各調整もできます。
Avenir Nextを用いて試し打ちを実際に行った画像
たづがね角ゴを用いて試し打ちを実際に行った画像

価格ですが、個人開発であればIndivisualかTeam向けのプラン(後述)のどちらかでいいなという感じです。最安のプランだと日本円で1.2~1.4万円くらいなので十分出せるなという感じですね。自分は一番安いやつですが本当に何も困ってません。ここらへんはプランの部分に詳しく記しておきます。

ちょっと微妙な点

スクショから勘づいた方もいるかもしれませんがMonotype Fonts、このサイト自体が日本語化されてません
この点なのですが、実はMonotypeはフォントワークスと提携しており、MonotypeのフォントはMonotype LETSの形でフォントワークスのサブスクであるところのLETSから使用ができるのです。ただしMonotype Fontsに比べて1/3以下の種類しかないうえ年49,500円も持ってかれるため、日本円が大暴落しない限りは本家Monotype Fontsの方が遥かにお得……といった次第になっています。
それゆえかMonotype Fontsは日本向けへのローカライズはしていないようです(買って導入はできます)。まあローカライズされてたらこんな記事の需要はない
英語オンリーといっても英弱大学生が読めるくらいなのでさほどでもありませんが……

また後で説明するのですがTrialへの勧誘が若干強引です。Monotype Fontsのサイトまで来るくらいだから手間を省いた……と好意的に捉えればいいものの正直ここはユーザーに託してもいいのではないかと。

プラン、更新など

Monotype Fontsにはいくらかのプランが用意されています。
日本のフォントベンダー、例えばモリサワならMORISAWA Fonts(旧MORISAWA PASSPORT)であるとかフォントワークスならLETSやmojimo、と同じですし、他の多くのサブスクにもこういったものはあるでしょう。

Monotype Fontsだと基本的に「そのPCそのものにインストールする権利」+「Webフォントとして使えるPV2数」の組み合わせで料金が決まるようになっていました3。そのため下位プランを選んでも基本的に使えるフォント (3万以上あるらしい) に制限があるなどはありません。いい話!

個人向けのプラン

個人向けには三つのプランが用意されている感じです。

  • Indivisual Standard
    一番安いプラン。Webフォントなしの1ライセンスで99ドル/年
  • Individual Pro +250,000 web page views
    真ん中のプラン。自分のPCに入れる(1ライセンス)ことができるのと、さらにWebフォントとして月25万PVまで使える。199ドル/年
  • Individual Pro +1,000,000 web page views
    一番上のプラン。自PC(1ライセンス)+月100万PVまでのWebフォント。値段はちょっと上がって599ドル/年

少人数チーム向けのプラン

Team Plansと銘打って二つのプランが用意されています。

  • Teams Standard
    Team Plansでは一番安いプラン。Webフォントなし、5ライセンスで299ドル/年
    三人以上or三台以上のPCで欲しいときにIndivisual Standardよりお得といった感じ。
  • Teams Pro +1,500,000 webpage views
    上位プラン。5ライセンスに加えて、さらにWebフォントとして月150万PVまで使える。価格は一気に上がって2,500ドル/年
    百の位をごまかすための ~99ドル表記がなくなったあたり、これくらいのお金に糸目をつけない会社が経費で落とす想定でしょうかね。

大きなプロジェクトや会社向けのプラン

Enterprise Plansとあり、一番大規模なものです。上記のプランでは収まらない用途や、企業がコーポレート用に一貫したフォントを使うなどの用途が想定されているようです。

このプラン群のみ扱いが他と異なり、アプリ開発やWebフォント、Web広告のインプレッション上限などで振り分けられた計六つのプランが存在します。やや複雑なので下に表を作っておくことにしました。
さらに加えてこれら上限を取り払ったUnlimitedと名のある、要商談のプランが存在します。これを上記のものに加えればEnterpriseとあるプラン群はあわせて七つということになります。

  • Web Kit Lite / App Kit Lite
    一番お手頃な二つです。価格はどちらも2,500ドル/年で、5ライセンス。
    Web Kit Liteとあるほうはアプリ開発にフォントを使えない代わりに月150万PVが用意されています。Teams Proと中身としてはほぼ同じですが、商用に三つまでフォントが使えると明記されています。
    App Kit Liteは月50万PVまでとWebフォント機能がシュリンクされている代わりに、1つのアプリ開発にフォントを使うことができます。こちらも商用に三つまでフォントが使えます。
  • Web Kit / App Kit
    さっきのLiteの上位版。価格はどちらも7,500ドル/年で、5ライセンス。さっき三つまでとあった商用のフォント使用は五つまでに増え、20万インプレッションまでの広告もサポートされるようです。
    Web Kitだと1アプリと1,000万PV、App Kitだと3アプリと1万PV4という点が違いですね。
  • Digital Campaign Kit
    Liteの存在しない広告特化のプランで、1アプリ1万PVサポートの代わりに広告として1億インプレッションまで使用可能だそうです。7,500ドル/年
  • Standard
    Web/App/Digital Campaignの3Kit全部載せ以上(3アプリ、2,000万PV、1億インプ)に加えて、四半期ごとに商用で使うフォントを入れ替えていいそうです。20,500ドル/年なので上記の3Kit全部よりはお得なんでしょう5……
  • Unlimited
    先程記した、そもそも制限がないプランです。要商談
Web Lite App Lite Web App Campaign Standard
商用に使えるフォント 3 3 5 5 5 56
ライセンス 5 5 5 5 5 5
WebページPV 150万 50万 1000万 1万 1万 2000万
アプリ開発可能数 0 1 1 3 1 5
広告インプレッション数 0 0 20万 20万 1億 1億

Monotype Fontsの導入手順

Monotype Fontsに行ってアカウントを作る

まずはMonotype Fontsにアクセスしてアカウントを作るところからです。
右上の“Log in”から“Sign Up”に向かえばOK。メールアドレスを認証してメールと名前、所属先だけでアカウントが作れます。Googleなどの外部サービスからも連携によりアカウントが作れます。
個人的にこのステップで大量の個人情報を要求してくる企業は普通に怪しいなと本気でブラウザバックを考えるのですが7本当に最低限なのは嬉しい限りです。所属先は個人使用なら適当でいいと思います(もちろんちゃんとチームで使うとかなら別)。

Trialの申し込み画面へ

ここでアカウントを認証して所属先を書こうとすると強制的にトライアル版(14日間使える)を始めさせたがります。これを回避したければURLの“monotypefonts.com”以降を全部削れば無理矢理ホームページへ遷移しますが、正直なところここで回避させる選択肢もあるべきじゃないかな……というのは先程書きましたね。サービスを使いたくなったら使う人がアカウントを作るだろうという想定なんですかね。
そのまま二週間使ってみるか、もしくはもう買っちゃおうという人は “Start my Trial”から始めてしまってOK です8

Trialを始めない人はここで無理矢理遷移したらもうアカウント自体は作れていますので、アカウント編集するなりして使う時を待てばOKです。以下は実際に使う(そして、アップグレードする)際のガイドです。

フォントをアクティベートしてデスクトップソフトをインストールする

Trialを始めたら最初個人/少人数/商用のどれかをおおまかに教えてくれと言われます。それぞれに合ったプランにしておけばTrialが始まります。

Trialを始めて最初に目にする画面

実際にTrialを開始したらフォントを使うことができます。
フォントを使う際にデスクトップのソフトが必要なため、最初にフォントをアクティベートしようとしたときにダウンロードとインストールを促すメッセージが表示されます。
ヘルプセンターの当該ページからもダウンロードができるので、そっちから先にDLしておいてもいいでしょう。

デスクトップソフトのダウンロードを促すメッセージ

デスクトップソフトでアカウントを認証して、フォントを使う

デスクトップソフトをインストールしたらアカウントにログインしろと言われるため、ログインしましょう。インストールしたりログインした後にPCを再起動する必要はなく、ログインさえ済めばOKです。これでフォントを使うのに必要なすべての動作は終了です。

フォントのアクティベート/ディアクティベートはブラウザ上の“Sync”ボタンからいつでもいくらでもできます。しばらくしたらシステムの通知が来て処理に成功したと教えてくれます。イラレだったりを最初から開いておいてもしっかりアクティベートのタイミングで使えるようになります。

フォントはブラウザの画面上部にある“Browse”から検索できます。

  • タグからフォントのイメージ(「Art Deco」「Industrial」「Elegant」「Retro」などなど……)を用いる
  • サンセリフ、セリフなどスタイルごとに絞る
  • バリアブルフォントだけで検索する
  • 言語で絞る
  • 太さ、幅、x-height9の高さ、コントラストなどで絞る
  • 機能(合字や異体字の有無などなど……)で絞る

などのほかに、検索バーから直でフォントの名前やファウンドリでも検索できます。

お金を払ってTrialから有料プランにする

最後に有料プランへの変更手順だけ記しておきます。
ブラウザの右上にある“UPGRADE”とあるボタンから遷移して、プランを選んで支払えばOKです。クレカかPaypal、もしくは請求書払い(pay in invoice) が可能です。自分はクレカで普通に支払えました。もしデビットカードを使いたければPaypalを噛ませればいいということになりますね。

おわりに

欧文フォントでもファミリー丸ごと買うなどすると1ファミリーで数万円吹き飛ぶなどザラにあります。フォントの世界は高いのです。為替が今からさほど変わらないとしても有名どころの書体を使うだけで十分元が取れるんじゃないかなという感じですね。
なによりアクティベートまわりの手順が本当に少なくて感動しました。楽なことはいいことです。
それではここらで筆を擱かせていただきます。

  1. イギリスのフォントベンダー。競合他社を買収しまくって最強になっています

  2. ページビュー。当該ページが何回ロードされたかの回数

  3. Webフォントオンリーのプランは少なくとも個人向けには用意されておらず、またそんなときは(おそらくこれを読んでいるのは日本人でしょうから)FONTPLUSなどがおすすめでしょう

  4. なんで減ったんですかね……

  5. でしょう、とあるのは勿論僕自身が個人でこんなプラン契約しないからです

  6. 三か月ごとに変更可

  7. 日系企業になぜか多いんですよね。なんで?

  8. あとでアップグレードすればいいためです

  9. (大文字に対する)小文字の高さのことです。小文字のxの高さが基準になるためx-heightと呼びます

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