数式処理と量子力学について
この記事では数式処理と量子力学の関わりについて学んだことをまとめる。
参考文献
最近面白そうなモノグラフを見つけたので、研究室で購入してもらった。自主ゼミの前に学んだことをまとめていこうと考えている。
通常、学部の講義で量子力学は線形代数に基づいて構成されている。しかし、この本では代数幾何学を用いて量子力学を築いていこうとするユニークな試みが示されえいる。内容は、まず、抽象的なところから。最後に第一原理的量子化学計算の実例が示されている。
中身に関しては、私の学習の進展に応じて少しずつ概要を掻い摘んで行こうと思う。
感想
最近、量子コンピューターの絡みで、量子力学が、学部で教えてもらう標準的なもの、前世紀的なスタイルとはとは、かなり趣を異にするものであることが明らかになってきた。この本も、最近の数学の発展を背景にして、古いスタイルの量子力学を書き換えようとする試みなのだろう。ことによると、ヨルダン、ボルンの提示した行列力学とは、また別個の量子論が立ちあがろうとする様を私たちは目撃しているのかもしれない。
もし、この本をいっしょに読んでみたいと思う方は、ぜひコメントをください。
第一回報告予稿
本の各章でどんなことが書いてあるか。
数式処理とは。
数式処理の背景。多項式環。イデアル理論。
ブッフバーガーアルゴリズム。グレブナ基底。
これが何故量子力学と関連してくるか。
個人的な意見。もし、数式処理が流行りの、もしくは今回登場予定の量子コンピューターで実行できるようになれば、この本で解説されている代数幾何学的量子化学は巨大な革命となるのかも。研究室の前回のゼミで招待公演の某先生から量子コンピューターを用いた量子化学について学んだ。でも、それは単に、、伝統的な方法を超高速実行する可能性があると言うことである。一方で、この本で提示された代数幾何学を用いた新しい量子力学の方法であれば、順問題と逆問題の統一的計算、電子原子核系の同時最適化(超カーパラネロ法)、あらゆる配位の同時探索、など様々の問題向かって、「ポストモダン」的展開が拓かれるのかも。私の修士のテーマはいまはマテリアルズインフォマティクスだか、博士論文のテーマは、こっちに切り替えてみるのも面白いか。