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Ubuntu23でSSHを設定する際の注意点

Last updated at Posted at 2024-01-01

はじめに

最近ミニPCを買って久しぶりにUbuntuをセットアップしたのですが、
SSHの設定でハマる箇所があったので共有します。

本記事ではUbunt 23.04を対象としていますが、
実際はUbuntu 22系時点での変更点となります。

1.対象OSバージョン

本記事の対象OSはUbuntu 23.04です。
選んだ理由はコードネームになっているLunar Lobsterちゃんが可愛いからです。

/etc/os-release 抜粋
PRETTY_NAME="Ubuntu 23.04"
VERSION="23.04 (Lunar Lobster)"

image.png

2.鍵認証で利用できる鍵について

まず鍵認証についてUbuntu 22.04の時点で、
デフォルト設定でRSA/SHA1 暗号方式の鍵(ssh-rsa) が無効となっており鍵認証で利用できなくなっています。

これはOpen SSH 8.8からSSH-1アルゴリズムのRSA鍵が無効となったことに起因しており、Ubuntu 22.04ではOpenSSH_8.9p1が採用されています。

当然Ubuntu 23.04でも以下の通り、Open SSH 8.8以降がデフォルトでインストールされています。

Ubuntu 23.04のOpenSSHバージョン
ssh -V
OpenSSH_9.0p1 Ubuntu-1ubuntu8.5, OpenSSL 3.0.8 7 Feb 2023

そのため鍵認証を利用する場合、以下の選択肢があります。

1.RSA/SHA1 暗号鍵以外を利用する (公式推奨)
2.RSA/SHA1 暗号鍵が利用できるように許可設定を追加する

(1) RSA/SHA1 暗号鍵以外を利用する (公式推奨)

新規に作成するサーバであればRSA/SHA1以外の暗号鍵を使いましょう。

代替となる暗号鍵についてはOpenSSH8.3のリリースノートにて、以下が推奨されています。

推奨されている暗号鍵 (暗号化アルゴリズム)
・SHA-2アルゴリズム(rsa-sha2-256/512)
・ED25519アルゴリズム(ssh-ed25519)
・ECDSAアルゴリズム(ecdsa-sha2-nistp256/384/521)
Open SSH 8.3 リリースノート抜粋
 * The RFC8332 RSA SHA-2 signature algorithms rsa-sha2-256/512. These
   algorithms have the advantage of using the same key type as
   "ssh-rsa" but use the safe SHA-2 hash algorithms. These have been
   supported since OpenSSH 7.2 and are already used by default if the
   client and server support them.

 * The ssh-ed25519 signature algorithm. It has been supported in
   OpenSSH since release 6.5.

 * The RFC5656 ECDSA algorithms: ecdsa-sha2-nistp256/384/521. These
   have been supported by OpenSSH since release 5.7.

暗号化アルゴリズムはssh-keygenで鍵を作成する際に、-tオプションで以下が指定できます。

指定できる暗号化アルゴリズム
dsa | ecdsa | ecdsa-sk | ed25519 | ed25519-sk | rsa

例として以下ではed25519を指定しています。

鍵作成 コマンド例
ssh-keygen -t ed25519

その後ssh-keygenを実行したサーバの$HOME/.ssh/配下にid_ed25519id_ed25519.pubが作成されるので、
ssh-copy-idを実行して接続先のサーバに作成した公開鍵を登録すればOKです。

公開鍵登録 コマンド例
ssh-copy-id -i ${PubKeyName} ${UserName}@${HostName or IPaddress}

(2) RSA/SHA1 暗号鍵が利用できるように許可設定を追加する

sshdの設定ファイルで許可設定を追加することで、引き続きRSA/SHA1の暗号鍵を利用することもできます。
既存のUbuntuサーバをアップデートしたけど、RSA/SHA1の暗号鍵はそのまま使いたい...
といった場合はこの方法が有用です。
鍵を作り直してでも、RSA/SHA1以外を利用することがベストだとは思いますが...。

まずはsshdの設定ファイルを開いて、

sshd設定ファイル
sudo vim /etc/ssh/sshd_config

末尾に以下を追記します。

追記内容
HostKeyAlgorithms=+ssh-rsa
PubkeyAcceptedAlgorithms=+ssh-rsa

あとはsshdサービスを再起動すれば、引き続きRSA/SHA1の暗号鍵を利用できる状態になります。

sshdの再起動
sudo systemctl restart ssh.service

3.受付ポートの変更について

次にsshの受付ポートを変更する場合の注意点です。
従来であれば/etc/ssh/sshd_configに以下のように任意のポート番号を指定して、sshを再起動すれば受付ポートを変更できましたが、
Ubuntu 22.10からはこの方法では変更できません。

従来のポート設定方法 (/etc/ssh/sshd_config)
Port 12345

これはUbuntu 22.10から、デフォルトでSSHサーバーがsystemdのSocket-Based Activationを利用して起動されるようになったことに起因しています。
これによりssh.socketの設定ファイルにて受付ポートを指定する方式となり、/etc/ssh/sshd_configで設定しても反映されません。
(私はこれで30分以上悩みました...。)

ssh.socketの設定ファイルは、
/etc/systemd/system/sockets.target.wants/ssh.socket、であり
このファイルは/lib/systemd/system/ssh.socketへのシンボリックリンクとなっています。

なので/lib/systemd/system/ssh.socket内の、ListenStreamの記述で受付ポートを指定できます。
以下の例では、デフォルトポート(22)の代わりに12345を指定しています。

受付ポート指定 (/lib/systemd/system/ssh.socket)
[Socket]
ListenStream=
ListenStream=12345

ListenStream=の空行でデフォルトポート(22)の設定を削除しています

あとはssh.socketとsshdを再起動すれば待ち受けポートが変更されます。

ssh.socket再起動
sudo systemctl restart ssh.socket
sudo systemctl daemon-reload

4.最後に

まさかSSHの設定でハマることになるとは思いませんでしたが、初心に帰って素直にリリースノートを確認することの大切さを再認識しました...。

なお本記事内の記載誤り/認識齟齬、またはこういった設定も罠だ!みたいなものがあれば、ご連絡いただければ幸いです。

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