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対数関数の性質まとめ

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対数関数とは

対数関数は指数関数の逆関数になります。
いくつか具体例を出します。

\begin{eqnarray}
2^3=8 &\Leftrightarrow& \log _28=3\\
6^2=36 &\Leftrightarrow& \log _636=2\\
4^\frac12=2 &\Leftrightarrow& \log _42=\frac12
\end{eqnarray}

logの下に小さく書いてある数を底、右に書いてある数を真数と言います。
日本語で書くと「底の何乗が真数になりますか?」ということを計算した結果ということになります。
また、底にネイピア数 $e=2.718 \cdots$ を使う場合には表記を省略することが多いです。

対数関数で成り立つ性質

対数関数の定義と指数法則を使っていくつか定理が導けます。
先に元となる定義から導ける内容と指数法則を紹介します。

逆関数であることから分かることと指数法則

それぞれ以下の性質を持ちます。

  • 指数関数の逆関数であることから導かれる性質
番号 数式
1 $a^{\log _ab}=b$
2 $\log _a{a^b}=b$
  • 指数法則
番号 数式
3 $a^ma^n=a^{m+n}$
4 $(a^m)^n=a^{mn}$
5 $(ab)^n=a^nb^n$

対数の持っている性質、定理

1~5をうまく組み合わせると以下のことが分かります。
詳しい証明は省きますが、方針のみ記載しておきます。

番号 数式 証明の方針
6 $\log _aa=1$ 2に $b=1$ を代入
7 $\log _a1=0$ 2に $b=0$ を代入
8 $\log _amn= \log _am+ \log _an$ $\log _a(a^{\log _am}a^{\log _an})$ に1を使えば左辺に、3,2を使えば右辺になる
9 $\log _am^n=n \log _am$ $\log _a(a^{\log _am})^n$ に1を使えば左辺に、4,2を使えば右辺になる
10 $\log _a \frac mn= \log _am- \log _an$ $\frac mn=mn^{-1}$ なので、8と9を組み合わせる
11 $\log _ab= \frac{\log _cb}{\log _ca}$ $\log _ca^{\log _ab}$ に対して9を使ったものと1を使ったものとを比べる
12 $\log _ab= \frac{1}{\log _ba}$ 11に $c=b$ を代入する

その他性質

対数関数の計算時によく使う性質たちです。

番号 数式 補足
13 $\frac{d}{dx}\log x = \frac{1}{x}$ 微分
14 $\int \log xdx =x \log x-x+C$ 積分、 $C$ は積分定数
15 $\log (1+x)=x- \frac12x^2+ \frac13x^3- \frac14x^4+ \cdots$ マクローリン展開、収束半径は1
16 $e^x=1+x+ \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \frac{x^4}{4!} + \cdots$ マクローリン展開
17 $\lim _{x \rightarrow \infty} \log x= \infty$ 極限
18 $r>0 \Rightarrow \lim _{x \rightarrow \infty} \frac{\log x}{x^r}=0$ 対数関数は無限大で多項式よりも弱い

使いどころ

何かの公式、定理の中に対数関数が含まれている場合はもちろん対数の知識があると良いですが、なんでもないところでこれって対数関数を使うと良いのでは?と目星を付けるタイミングについてです。

個人的には指数関数とセットにして「足し算の世界」と「掛け算の世界」との橋として使うと良いと考えていて、掛け算形式で表されているんだけど足し算として計算したいな、という場合などに有効だと考えています。
※裏には準同型写像の性質があるから橋として使えるということがあります。

例えば非負関数で $f(x)=a(x) \times b(x) \times c(x)$ と3つの積になっているものを解析したい場合、もちろんこのままでも構わないのですが対数を取ると以下のように足し算形式として見ることが出来ます。
※ $a'(x)= \log a(x) \Leftrightarrow a(x)=e^{a'(x)}$ と新しく関数を定義して見やすくしています。

\begin{eqnarray}
\log f(x) &=& \log (a(x) \times b(x) \times c(x))\\
&=& \log a(x)+ \log b(x)+ \log c(x)\\
&=& a'(x)+b'(x)+c'(x)
\end{eqnarray}

掛け算形式と足し算形式とのどちらの方が解析しやすいかで、もし足し算の方が楽なのであれば対数をとる価値はあると思います。
例えばAIの線形回帰モデルのように和の形式を前提としたものを使う場合には前処理として対数を取っておくとうまく処理がしやすくなるだろうと思います。

参考資料

https://manabitimes.jp/math/2046
https://manabitimes.jp/math/1336
http://kentiku-kouzou.jp/suugaku-sisuuhousoku.html

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