はじめに
早いもので大学院生になって二ヶ月が経ちました。就活系のイベントなどに参加し始め、幾つかのベンチャーの人事の方やエンジニアの方と話をしたりして刺激的な日々を送っています。さて、Qiitaユーザの詳しい内訳は知りませんが、エンジニアをやっている社会人の方以外にも多くの学生ユーザがいると思います。そんな学生ユーザの方々に参考にしてもらえればという思いで、最近起きたPC故障事件について記したいと思います。
突然の死
先週、3年ほどメインマシンとして愛用してきたMacBook Pro(Retina, 13-inch, Mid 2014)が故障しました。症状としては、本体の画面がつかなくなり、外部ディスプレイに繋げば何かは映るものの、普段のアカウントにログインできないという状態でした。PRAMクリアやSMCリセットをしても症状は変わらず、発熱がひどいため、ただのホッカイロに成り下がりました。Appleのカスタマーサービスに相談をするも、AppleCareも切れており、修理するには8万円強かかるとの話でした。
問題点
一般人が突然PCを失うのと、情報系の人間が突然PCを失うのとでは話が違ってきます。
ネットサーフィンやYoutubeなどの娯楽、メールやLINE・Slackの確認であればスマホやタブレット端末で代用できますが、それ以上のこととなるとさすがにPCがなくては大変困った状況に追い込まれます。
IDEが使えない=開発がまともにできない
普段使っている開発環境が使えないというのは大変辛いです。今更テキストエディットに戻れというのは酷な話です。Xcode、Android Studio、Atom、Vim、etc...
Terminalが使えない
Windowsでいうところのコマンドプロンプト、いわゆる黒い画面のプログラマチックなあれですね。シェルスクリプトやNode.js、ディレクトリ管理、ssh接続でのサーバ管理など、エンジニアとして大切なツールが使えません。
PC版のAdobeが使えない
画像の加工やポスターの作成、デモムービーの作成などでAdobe CCのソフトウェアを酷使しているのですが、それが使えないため、仕事ができません。
研究をまとめられない
進捗書類や論文はLaTeX形式で作成するのですが、TexShopが使えないとなるとやばいです。もはや詰みです。涙が出てきました。
つまり
もはやコンピュータは体の一部レベルとして生きる上で不可欠なものであると再確認しました。普段体を鍛えていないので、コンピュータを奪われたらただの頼りない無力な男です。(前に筋肉は全てを解決するという記事を読んだことがありますが、全ては解決しないにしても筋肉はあったほうがいいだろうと思いました。)
で、
苦学生なので簡単にホイホイ新しいパソコンを買うことはできないのですが、情報系の学生としてはそうも言ってられないので、親と相談して新しいMacBookを購入することになりました。ただ、家電量販店などで売っているスペックのMacBookでは仕事が全く捗らないし、数十万というお金をどうせかけるのならばということで、AppleStoreオンラインでスペックガン積みにカスタマイズしたヤツを注文しました。そして、届くまでの1週間強は、iPadと研究室の古いMacBook(メモリ2GBの貧弱ちゃん)でなんとか過ごすことにしました。とほほ...
新しいの買えて良かったじゃん、めでたしめでたし...と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私が伝えたいことの本題はここからです。
データのバックアップ、ちゃんとやってる??
社会人のエンジニアの方ならば当然やっていますよね。学生のみなさん、やってない子は正直に手をあげなさい(笑。
正直、パソコンなんてどうにかなるんです。どうにかするんですよ。だってないと何もできないんだもの。問題はデータですよ。研究とか開発とか思い出とかのデータ。
私は今回、何重にもデータ対策を取っておいたことにより無事データを守ることができました。どんな風にデータ紛失対策を行っていたのかをまとめます。
1. iCloud
私は生粋のApple製品ユーザで、PCはMac、スマホはiPhone、タブレットはiPad、スマートウォッチはAppleWatchを使っているのですが、iCloudが抜群に便利ですね。連絡先やファイルを常に最新の状態で共有できます。iCloudじゃないにしても、デバイス間での基本情報共有は必須といえるでしょう。それをせずに持ってる端末全てのOSがバラバラなんて人は(仕事を任せる上で)信じられないですね。
2. DropBox
私は学生の特権を生かして、1TBの容量を3年間特価で獲得しているのですが、これが強い!あらゆるデータをDropBoxにぶち込んでおくことで、今回のように突然PCが死んだ!!となった場合でも平静を保つことができます。そして、ファイルを共有する際も簡単にリンクを発行できるので便利!、ステルスマーケティングではありませんが、学生のみなさんはDropBoxの大容量契約をして損することはないと思いますよ。
3. Googleドライブ
基本的にはPC上のほとんどのデータはDropBoxでバックアップを取っておくわけですが、チームで共有をするファイルはGoogleドライブでもバックアップを取ります。2重3重の対策ですね。Googleスプレッドシートなんかは編集も複数人同時にできるわけですからそういった面でも強いです。
4. GitHub / Bitbucket
エンジニア志望の学生のみなさんgit使えてますか?
gitって聞いたことあるけど使ったことないって人は今すぐググりましょう。データのバックアップだけでなくバージョン管理もできるgit、しかもタダで使える! 使わない手はないです。今波に乗っているベンチャー企業に就職したいと思っているのにgit使ったことないなんて場合、恥ずかしいですよ真面目に。勉強しましょう。そして使いましょう。
5. AWS / GCP
AmazonやGoogleのクラウドサービスを使うというのもありでしょう。(ただ、これは実稼働向けだと思うのでバックアップのために使うという意識は微妙かもしれませんね。)
6. HDD
もうこれだけバックアップ取ってりゃいいだろうって思いますが、念には念を。HDDでバックアップを取りましょう。MacユーザならTimeMachineという強い味方もいますし。天文学的な確率ですが、いきなりDropBoxとGoogleとAmazonとGitのサーバセンターに隕石が落ちてきてダウンするなんてことも考えられます(もはや身の危険を考えるレベル)。そんな時、やっぱり自分でデータを取っておくというのは最大の保険になるでしょう。RAIDを組める人はなお良いですね。
HDDに繋ぐのサボってて、サーバに上げたくなかったプライベートなデータのバックアップがとれてねぇ!
えぇ、そういう場合もあるでしょう。私にもありました(汗。
そんな人の最後の希望、ターゲットディスクモードがあります。
PC故障の原因がHDDの死亡という場合は無理ですが、HDDが生きていれば、ターゲットディスクモードでデータを救出できる可能性があります。Macの場合は、MacとMacを専用のケーブル(Thunderbolt to Thunderboltとか)で繋いで片方のHDDにもう片方のPCからアクセスすることができます。正常なMacが一台必要になりますが、最悪の場合の強力な最終手段として覚えておきましょう。
おわりに
こういった事件が起きた時はポジティブ・シンキングが大切です。私は、あぁ、きっと神様(的ななにか)が私に休みなさいと言っているんだと考えて、心を落ち着けました。忙しすぎる日常に突然こういうことがあるとショックで放心状態になるかもしれませんが、強く、そして柔軟に生きていきましょう。事情を伝えれば、上司や同僚、先生もきっと理解し、助けてくれるはずです。(データのバックアップを取れていない場合のことは知りませんが)
以上、突然PCが壊れた情報系大学院生の話でした。