仮想COMポートからBLE(Bluetooth Low Energy)デバイスとシリアル通信する

はじめに

BluetoothにはClassicとBLE(Bluetooth Low Energy)の2種類あります。Bluetooth通信ができるマイコンは後者のBLEを用いている場合が多いと思います(ESP32はどちらも使用可能)。
C#を用いてBLE通信を行う記事は存在するものの、Bluetooth Classicや有線と同様にCOMポートからシリアル通信を行う記事をあまり見つけられなかったので、備忘録として載せておきます。

仮想COMポートの作成 (Windowsの場合)

仮想シリアル(COM) ポートドライバであるcom0comをインストールします。こちらからexeファイルをダウンロードします。
Windows10+の場合はセキュアブートをオフにする必要があるかもしれません。

ble-serialのインストール

こちらのble-serialを使用します。
基本的にはREADMEに従ってインストールを行えばOKです。

ble-serialのインストール

$ pip install ble-serial

COMポートの割り当て

$ ble-com-setup.exe

デフォルトではCOM9に割り当てられます。

接続

BLEデバイスのスキャン

$ ble-scan

20:91:48:4C:4C:54 (RSSI=-56): (デバイスの名前)
...

得られた出力からMACアドレスを確認

デバイスに接続

$ ble-serial -d 20:91:48:4c:4c:54

Running main loop!と表示されればOKです。

ここで、ble-scanに表示されるにもかかわらず "Bluetooth connection failed. Device not found"と出る場合は --address-type randomとオプションをつけると接続できる場合があります。

テスト

マイコン

Adafruit Feather nRF52840 Senseでテストを行いました。

• Arduino IDEの設定
  https://learn.adafruit.com/adafruit-feather-sense/arduino-support-setup

• マイコン側のプログラム
  サンプルプログラムを用いる(Examples->nRF52840->Peripheral->bleuart)
  https://learn.adafruit.com/adafruit-feather-sense/arduino-ble-examples

PC側のプログラム

TeraTermなどではCOMポートを認識しないので、Pythonを使う

serial_test.py

import serial

ser = serial.Serial('COM9') 
ser.write(b'hello')
ser.close()

参考文献