1. はじめに
2022年、1年間を通してコミュニティ活動(研究会)に参加しました。その研究会での成果物をご紹介したいと思います。
Qiskit Textbookを使って量子コンピュータの勉強をされている方、特に初学者の方にご活用いただければ幸いです。
2. 成果物
まずは、成果物の紹介です。
当研究グループでは、活動の成果物として、Qiskit Textbookの解答解説を作成しました。
成果物(JupyterNotebook)は、Githubで公開しています。
3. 成果物について
Qiskit Textbookには練習問題が提供されていますが、解答は用意されていません。
そこでないものは自分たちで作成しようということで解答解説を作成しました。
3.1 方針
- 研究会のメンバが初学者という利点を生かして、ビギナーフレンドリーな解答集を作成することに努めました。
- 数学的導出と量子プログラムの両方が問題になっているQiskit Textbookの解答としてはipynb形式がベストと判断しJupyter Notebook (.ipynb)形式で作成しました。
3.2 工夫点
- 初学者向けの内容にしました。
- 答えに至る論理に飛躍が無いように説明
- 量子ビットの状態などを細かく描写
- 関数や回路などの使用例を多く用意
- 成果物の利用者の視点で作成しました。
- 成果物ひとつで理解を完結できる親切な解説
- 必要に応じて補助資料や参考文献を紹介
- 作成ルールを設け、成果物の体裁を統一
- Qiskit Textbookの理解を深める内容にしました。
- Qiskit Textbook の内容を補足する +α の解説
3.3 苦労した点
- 内容の難しさ
- 物理・数学的な前提知識がそれなりに必要で、初学者はまずそのハードルを超える必要があります。
- そもそも問題が非常に難しいものがあり(特に4章)、出題内容を理解するだけでも原論文に当たる必要があるなど、非常に大変でした。
- 正確性の担保
- 単なる用語の説明や解答だけではなく、考え方などを含めた「解答解説」としての正確性を追求しました。
- 「分かりやすさ」への配慮
- 物理・数学の知識が少ない人を対象に「分かりやすい」を念頭に置きました。
4. まとめ
Qiskit Textbookの(ほぼ)全ての練習問題に対する解答・解説の作成を完了し、gitHubにて公開しています。Qiskit Textbookを使った勉強の際にお役に立てれば幸いです。