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前置き

12/20(金)に新宿で開催された匠メソッド入門のイベントに参加してきた。
前回の安楽さんによるバリューメトリクスのお話は、価値の検証に使う思想であり、今回はその前段階の仮説モデルを構築するために必要な一連の思考プロセスなどについてでした。

その内容をメモ程度に個人の感想も混ぜた上で議事録としてここに残す。

1部

背景

なんで魅力的なプロダクトを作れないんだろう。
知はRDRA領域でのシステム構成図や状態図のこと。
(DDDとかは完全に意情を実現するための知に他ならないと感じる。)
どんなに知の領域を洗練しても、魅力的なプロダクトをつくれないことに萩本さんなりに葛藤があったようです。

なんで論理的に書けば書くほど、嘘ぽいものになってしまうんだろうという悩みが背景。
要求開発方法論を考えているあたりで、論理的であるほど虚像ぽく感じていた。

量が多くなってしまって、実戦で不向きに感じる。
ドキュメント過多になるし、メンテも行き届かない。

気になったキーワード

オブジェクト指向方法論Drop KJ法、BSC戦略マップ

閃き

論理的美の虚像を掴まないためにどうしたらいいのかって考えた結果、匠に辿り着いた。
それが知情意。
知:論理展開でき、具体と抽象の行き来。
意:本質を見抜き、全体感を持って方向性を決める。
情:人の立場や心を理解し、ことを描く。

価値はあるものではなく、描いていくものだから、デザイン思考。
情だけでは、具体的なアイデアやビジネスにできない。
知だけでは、論理展開できるが、手段思考になりがち。
意だけでは、視野が狭くなりがち。

全ての領域をバランス良く極めていく。
ただ1人だけでは、3つの重なりを抑えるのは難しい。
つまり3つの重なりの部分をチームで抑えていく。

1人の思考が、他の人の知情意のモデルと重ねる。
そうすることで、それぞれの強い領域を重ねていき、活動を成功に導きやすくする。
集合意思!
個人天才を創出ではなく、集合天才を作りやすくするものであり、プロダクトデザインに使うのにはかなり適した思考のフレームワークであるため、スクラムなどと組み合わせることによって、より高威力を発揮する。

価値とはなんなのか?

一番分かりやすいのは、芸術。
意はビジョン駆動。 ここで、ビジョンと論理をつなく という本を思い出した。

意思は、言葉に、ストーリーにする。
出ないと人の心が動かない。
そして情で見て触って感じられるように。
そしてそれを知で実現する。

作り手と受け手の心の共鳴。
作者の意図を3つの領域のそれぞれの観点で昔の芸術家の作品から学ぶこともできる。

100均一
小さな発明で、しかも安い!
意:世界中の人々の生活をワンプライスで感動価格で感動品質。
情:他人を思いやるホスピタリティでユーザビリティの向上とか
知:ひたすらやり続ける中での蓄積された経験知
形にこだわり使いやすく安全な素材の追求とか

やりすぎるとコストかかりすぎたりっていうエッセンシャル思考とは逆走してしまう。

セルフデザイン

意思:やりがいのある仕事 内発的動機 コンセプト思考
情:幅広い視野 嬉しいを描く社会を強く意識 デザイン思考
知:技術的こと ロジカル思考

私の場合には、
知と意に非常に傾いていて、情が非常に弱くなりやすい。
そのため、デザイン思考をあまり学んでこなかったから、これは来年度の最優先課題である。

力学関係

知を蓄積すると、やりたいことを実現できる。
情を広げると、人を巻き込みやすい。
意を持ち続けてこそ強い意志を貫ける。 ラディカルプロダクトシンキング?

3つは互いに独立せずに、それぞれ強力な力学が働いている。

2つの感性思考の強化

意は常に対して方向性を与える。情に流されないように。
何でもかんでもステークホルダーの要求実現するとか。
情は意の視野をボトムアップに広げてくれる。
それぞれが相互依存の関係性。

統合

未来志向で自分のありたい姿を考えるのが、意。
それをストーリーにするのが情。
それら2つを結合して論理の世界に落とし込む。
これが価値分析と価値デザインを結合して、要求分析ツリーにする流れのベースの思考。

匠は仮設モデルなので、あとは実際にやってみて価値を検証する。

匠によるビジネスデザイン手法

匠でできる、モノ・コト・人

ことは、社会デザイン。
ことを買う時に、物がついてくるのが、ものからことへ。
カスタマージャーニーマップとの親和性が高い。

人は、企業デザインやチームデザイン。

ものが部品やシステムなどのプロダクトデザイン。

ビジネスアジャイル

素早く立ち上げ、ビジネス価値が検証でき、実現リスク低く、小さく立ち上げ大きく成長、ビジネス変化に耐えられるように。

PoCを何度も描き検証しながら軌道修正。

これはビジネスアーキテクチャとの親和性が高い。

要求分析ツリーで戦略、戦術、活動までをつなげて、
活動のデザインをゴール記述モデルで、活動計画まで描く。

戦略スタートではなく、価値を起点に。
理由は、戦略は知のものだから。

それぞれのモデル

価値デザインモデル

人が魅力を感じるものにはストーリーがある。
価値デザインモデルには、全体のストーリーがある。

表層的価値は要求、深層的価値が本当の価値。

コンセプトは、夢であるビジョンが達成したと言える、3大項目を端的に文章で。

言葉(キーワード)を意味に変換。

現在からビジョンまでの戦略ロードマップがストーリー。
そこまでのゴールがコンセプトで表現されていることが望ましい。
(TOCの移行ツリー)

情のモデル

ステークホルダーモデルによって、主要ステークホルダーを洗い出す。
その人たちが価値を感じるシーンをなぜ描かないんだろう?
それがないこと自体が、最大のビジネスリスクであると感じて、ステークホルダーモデルを考えた。

ここで大事なのは、未来のステークホルダー、つまりフィーチャーホルダーを描くこと。

そうすると、フィーチャーホルダーからバックキャストで価値を考えやすくもなる。
これはスマートシティのプロジェクトで体験済だったので、非常に共感する。

価値分析

自分たちが達成した課題で、ステークホルダーが嬉しいという表現にするために、達成課題を価値既述に忍ばせるのがポイント。

価値記述とは分離して、プロジェクトの目的を洗い出す。
価値と目的とを関連づけられたらOK。
そこに自分たちの意の一部が集合としてある。

目的と価値記述を関連づけられたら、意と情をつなげられた事になる。
これが第一段階の結合。
この意の目的は、誰のための価値なのか?がわかる。
繋がったものだけが戦略要求として妥当なものとなる。

要求分析ツリー

戦略要求を今度は上位の価値デザインのビジョンたちとつなげる。
戦略と実現の線上にだけイシューとなる価値がある。

ビジョンやコンセプトは、価値で検証ができていない。
目的は価値分析モデルで検証ができるけど。
だから要求分析ツリーでの繋がりを見ることで、検証ができることになる。
つまり、知のモデルの要求分析ツリーでクリティカル思考使って、価値なのか?の検証をするということ。
そして検証結果を上位にフィードバックする。

要求分析ツリーから、価値分析モデルや価値デザインに戻ることもある。
そうすることでモデルを洗練する。

ループバックチェックとの親和性が高そう。

フィロソフィ

匠メソッドにおけるミクロマクロ同一活用の原則。
未来価値、現在価値

未来からのトップダウン、現在からのボトムアップ。
それらの重複部分に、若年層と高齢層とがわかちあえる本質価値がある。

やりたいこと、やるべきことから考えるのではなく、価値から考える。
やるべきことを価値記述に忍ばせることによって、定性的にでも価値が実現できるのか検証ができる。

プログラムからプロジェクトへミクロマクロの知情意の継承。

2部

Willがコンセプト思考。
Mustはエンゲージメントの低下にもつながる。

タレントマネジメント、タレントアーキテクチャのとこにも
匠を盛り込まないと、ただMustのスキル伸ばすだけで結束力が強まらない。

ビジョンは湧き上がって来なかったら、ビジョンモデリングなんかをするといいかも。
その際の抽象度の意識とかは特に不要と感じる。

生成AIでは、しっくりくるビジョンは生まれない。

コンセプトができると、帰納法でビジョンがボトムアップに明らかになったり。
演繹的に他のコンセプトを検証もできる。

いきなり要求分析ツリーから入ると、全然うまくいかないというアンチパターンがあるので、意情知で進めた方がいい。
よって、いきなり戦略要求考えるのは、腹落ちしていない戦略要求を抱えたまま、手段に落とし込んでいってしまうことになる。
それは自律駆動した組織にはなりにくいと思われる。

論理を感性を使ったクリティカルシンキングで、「それ本当にやりたいことなの?」と問い掛け続ける。
それが「論理を感性で叩く」と、萩本さんが言っていること。

振り返っての価値(個人の考察)

論理から入っていても、いろんな葛藤を繰り返すうちに、
自ずとコンセプトがそこから湧き上がってくる。
その葛藤のストーリーも未来の自分にとって価値と言える状態なら、
結果オーライっていう状態と感じる。

小林さんとの議論

要求の運用をしていく中で、継続的に価値を浮き彫りにしていく。
バリューメトリクスで検証する感じ。
要求分析ツリーの重要な線のところだけ、GQMストラクチャを作成する。
その線のところは、重要なステークホルダーだから、最優先でステークホルダーマネジメントすべき対象。ただそこは変化するから気をつける。

データマネジメント領域にも言えること

知識の持続的に行う、サステナビリティには、意が絶対に必要。
最近よくデータ利活用系のイベントに参加する機会が増えているのだが、
そこで語られているのは、かなりの割合で『知』の部分。

ステークホルダーにとって、どのような価値ある知識を描きたいのか?
という情の部分や、
自分たちがビジョンに向かうためには、どのような知恵を身につけていかないといけないのか? どんな知識を蓄え、そのためにはどんな情報から学びを得たらいいのか?
そのために必要なデータは、現実問題的により安価なコストで集められたり、運用しやすいのだろうか?

などと言った、意の部分なくして、データ利活用やら、データマネジメントは決して上手く回らないと、改めて感じた。

懇親会などでの議論による発見

TOCロードマップはあくまでも感性で出した価値ストーリーを論理で検証するようなもの。
TOCはあくまでも知でしかない。

因果ループ、正のループが強化されるところが本質的価値

一個一個のインパクト大きい価値を実現して、その時系列的繋がりをストーリーとして。
誰にとっての価値で、誰がオーナーなのか?という主語述語がないという話

MVV Missionは社長とか経営層視点のもの
でもそれだと現場の目線がなくて、社長の言ってることになりがち。
だからこそコンセプトという1段階詳細化されたもの。
自分たちのコンセプトというものとして出している。
コンセプトがない目的とか決めてもあまり意味がない。
どういう方針で目的を達成したいのか?がわかんない。

Missionは強制力があるため、外発的動機が働きにくく、
価値と密接な関係がある内発的な動機を刺激しにくい。
でもビジョンなら制約がよりなく、コンセプトによって方針として機能している。

佐藤さんからのヒント

弁証法 コンセプト思考があれば、へし折られそうでもそれが糧になる。
コンセプトがあるからこそ、ビジョンを見失いそうになった時にも、
それがコンパスの役割を果たしてくれる。

ここで個人的に思ったのは、「まさか、それが理由でconnpassというイベントのプラットフォームサービスの名前になっているのかしら?wkwk」と感じたのです。

ネタ

懇親会で、萩本さんの写真集の話題になぜかなり、
そこでの写真家さんとのストーリーが、まさに匠を体現しているものであった。

また、コンセプト思考がどうやったら養われるのか?
という論点が語られる場面があったが、
あれはたくさんの失敗によって、ふつふつと湧き上がる感情が、
やがてコンセプト思考を徐々に強固なものにしていくと感じる。

激励の言葉

萩本さんから激励のお言葉を最後にいただきました。
すでにある専門用語に頼ることなく、自分の中に落とし込んだ上で、
噛み砕いた上で、それを自分の言葉にして相手に伝える、届ける。
この試練を次にどうにか乗り越えてほしい、と激励の言葉をいただいた。

昔、情の部分が弱かったと言われていたので、
同じく今現在、情が弱い自分と過去の姿がもしかしたら重なったのかもしれない

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