はじめに
達人プログラマー(第2版)を読み終えました。
こちらの書籍には、設計やコーディングなど技術的に参考になる箇所だけでなく、心構えについても素晴らしいと思える箇所が多くありました。
簡単にですが、そのなかから一つ抜粋して記事を書いていきます。
ユーザーを喜ばせる
人を魅了しようという場合、あなたのゴールはお金を儲けでもなく、人を思いどおりに動かすことでもない。彼らを大きな喜びで満たすことだ。
▶ガイ・カワサキ
開発者としての我々の目標は、「ユーザーを喜ばせる」ことです。それこそが我々の存在理由なのです。ユーザーのデータをマイニングできるようにしたり、ユーザー数を数えたり、ユーザーの財布の紐を緩めることではありません。
[52 ユーザーを喜ばせる] のセクションのはじめにはこのように書かれています。
自身の利益を考えずに、ユーザーを喜ばせる。献身的で素晴らしいですね!
しかし当たり前ですが、生活していく上でお金を稼がなければ生きていくことはできませんよね。1
ここで言いたいのは、自身の邪な気持ちを抑えユーザーが喜ぶものを目標として開発することで、開発されたものや開発した人に対して「お金や行動で支援したい!」と、開発者側への利益が付随してくるのではないかなと私は捉えました。
そう考えたときに「艦これ」を思い出しました。2
リリースして大人気だったにもかかわらず、あまりにも課金要素が少なく、Twitterや2chなどでは冗談交じりで課金させてくれーと騒がれていたのを覚えています。
自分も、無課金で問題なくゲームを楽しめていましたが、サービスを少しでも長く続けてほしいとお布施の気持ちからドックの解放などしていました。笑
どうすれば喜んでもらえるか?
では、そのためにはどうすればよいでしょうか?
クライアントを喜ばせたいのであれば、問題解決を積極的に支援できるように彼らとの関係を培ってください。あなたの肩書は「ソフトウェア開発者」であるべきなのです。それが我々のやることであり、達人プログラマーの本質というわけです。
我々は問題を解決するのです。
このような記述があります。
なにやらこれが肝みたいですね。
ユーザーを喜ばせるためには、抱えている問題を解決すればよいようです。
問題の解決方法
本来であればユーザーとする人と直接やりとりできるのが一番なのですが、アプリ開発だとなかなか難しいですよね。
そこで今回はプランナーさんとのやりとりなどに置き換え3つつ、[45 要求の落とし穴] からどうすればよりユーザーの問題解決に近づけるか挙げていきます。
セラピーとしてのプログラミング
アプリ開発をするにあたって、まずプランナーさんなどからこういうものを作りたいという要求(企画、仕様)が出て来ると思います。
しかし、その要求を鵜呑みにしてそのまま実装してはいけません。
確認してみると疑問に思う点があるはずです。
例:
要求:50ドル以上で送料を無料にしたい
疑問点:
・50ドルは税込価格で考えるのか?
・50ドルは送料込みで考えるのか?
などなど
こういった疑問点を質問し、既に考えていたことですぐに答えが返ってくることもあれば、全く想定しておらず返答に困るような質問もあると思います。
そうなった時がチャンスです。
双方、場合によっては全体を巻き込んでどうすればよいか考えます。
引き起こされる結果を考え、フィードバックを繰り返すことでより要求が洗練されていくのです。
真実の要求はプロセスの中にある
上記は言葉でやり取りしやすい例でしたが、中には言葉では言い表しづらい場合もあると思います。
そんなときは、モックアップやプロトタイプを作成し、実際に確認してもらうことで、話がすすみやすく、認識の違いによる間違った道にも進みづらくなるでしょう。
相談者の靴を履いて歩く
こちらは実際の対象となるユーザーに対してもできることです。
ユーザーになりきってみるのです。
例えば弊社ではアーティストさんのコンテンツを扱うことが多いのですが、ライブやイベントに参加してみることでアプリを実際に使うファンの方々の気持ちを理解しやすくなるでしょう。
チームなどで
ユーザーと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、外部のお客様かと思いますが、なにも外部の人にだけあてはまることではありません。
日々チーム内では、それぞれが様々な作業をしていると思います。
例えば雑談中などにこういった作業が大変だーということを耳にした場合、
上記の方法などで本当の要求を見つけ、便利なショートカットを教える、空いた時間でちょっとしたツールを作成してみるなど、解決してあげることで、チームのメンバーがきっと喜んでくれることでしょう!
おわりに
10ANTZでは、「ファンとアーティストの“ありがとう”をつなぐ」というミッションを掲げています。
アプリを利用するファンの方だけでなく、アーティストさんなどもユーザーと捉え、関わって頂いた皆さんに喜んでもらえる仕事を目指していきたいです!