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有志コンテンツ制作における制作費用について

Last updated at Posted at 2019-11-20

#はじめに
Qiitaを見ている学生のみなさんは、個人でアプリケーションを作ってみたり、有志のメンバーを集ってゲーム制作などをしたことがあるのではないでしょうか?
私自身も有志のメンバーでゲーム制作を行ったことがあります。仲間内で作る楽しさや、完成した際の達成感が、とても魅力的です。学生のうちは、コンテンツ制作に対する対価が、この楽しさのみで許されます。しかし、この制作を事業として行った場合、どれだけの費用がかかっているか考えたことはありますか?

#支払いを行った経費
今回は、私が制作していたあるゲームを一例にしてみます。そのゲームは私を含めて3人で制作していました。制作開始時期は2018年7月、制作が凍結されたのが2019年10月です。では、かかった費用を計算してみましょう。

|用途|費用|
|:-:|:-:|:-:|
|資料(本)代|2,160円|
|Unityでのアセット代|1,782円|
|累計|3,942円|

実際にかかった経費は以上です。
しかし、これには支払われていない(学生の有志制作では支払う必要の無い)経費が隠されています。その一例が人件費です。

#支払いを行っていない経費
今回の制作にあたって、自分は主にUnityを使ったプログラミングを行っていました。コードの総量は9000行を超え、コーディングにかけた時間は概算ですが800時間程度でした。もちろん、自分以外にもチームメンバーがいたため、全員で1200時間程度の制作時間をかけていたと思われます。
仕事や事業になると、実際に人件費を払う必要があります。今回の例を、時給1000円として考えると、人件費はいくらかかるでしょうか。

|用途|費用|
|:-:|:-:|:-:|
|人件費|1,200,000円|
|累計|1,203,942円|

あっという間に100万円が計上されました。
さらに、PCが無い人がいればPCを支給する必要があります。制作をするための場所が必要になれば、家賃に光熱費・水道費などがかかります。今回のゲームの場合、制作開始から凍結まで16カ月費やしました。もちろん、その全ての日数をゲーム制作に費やしていた訳ではありません。しかし、本ゲームの制作だけで生計を立てていくとすれば、実際にマンションの一室を借りて生活しつつ開発する形になると思われます。固定費を抑えるため、家賃5万の部屋を借りたと仮定します。また、PCを動かすためには電気も必要な為、月5000円の光熱費を計上します。

|用途|費用|
|:-:|:-:|:-:|
|家賃|800,000円|
|光熱費|80,000円|
|累計|2,083,942円|

その他さまざまな経費が考えられますが、現状の経費を賄うためには、どれだけゲームを売る必要があるでしょうか?1本の利益が1000円と仮定すると、2084本のゲームを販売しなければなりません。
Steamの2018年2月時点における、全ゲームの販売本数の中央値は2000本だと発表されています。
Steamのインディーゲーム市場は“ポストアポカリプス状態”なのか?悪化し続けるマーケットを関係者らが観測
これは、明らかに粗製乱造されたゲームを除いた本数です。つまり、2084本ゲームを販売するという事は、Steamの中央値よりも高い水準を目指す必要があります。一学生プロジェクトが、この水準に到達するのは難しいのではないでしょうか。

#作りたいものを作れるのは学生のうちだけ
以上のように経費ばかりを考えると、作りたいコンテンツを作るのは難しくなってしまいます。確実に利益が出るように制作を行うには、マーケティングや事業計画などをする必要があります。それによって、「作りたいモノ」ではなく、「確実に売れるモノ」しか作れなくなってしまう危険性があります。
制作が失敗しても笑い話にできるのは、学生の今だけだと思います。もし仲間と作りたいものがあるならば、学生のうちに挑戦するべきだと思います。

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