目指したのは静音デスクトップPC
自宅にてオブジェと化している富士通のサーバ PRIMERGY TX120 S3 に、新たな命を吹き込むために、デスクトップパソコン化してみました。このような事例は少ないでしょうから、記録として残すことにしました。
今回は、静音デスクトップパソコンをコンセプトに改良してみました。
ハードウェアの改良
そもそもサーバであるため、デスクトップパソコンについているようなHDMI端子、DVI端子、DPポート、音声出力端子などはなく、VGA端子があるだけ。またサーバの機能であるRAID機能は逆に必要ありませんでした。主な改良点は下記の通り。
- ストレージ周り
RAIDコントローラカードを取り外し、マザーボードについているSATAのコネクタにHDDとSSDを接続。ディスクの書き込みは、AHCHモードにすることを忘れずに。 - 画面出力と音声出力
グラフィックカードを増設。どのグラフィックカードが動くのか、コテコテ調べた結果、NVIDIA NVS 310 が動作するようでしたので、これで挑戦することに。 - メモリの増設
自宅に余っていた hynix製のメモリ 4GB を在庫一掃を兼ねて取り付け。
OS
Linuxを入れようと最初から計画しており、定番ともいえるUbuntuをインストールしょうとしましたが、きれいにインストールされない。何とかインストールに成功しても動作がおかしい。今思うと、これが長いOS探しの始まりでした。
なかなか先の見えない苦難の道でした。途中でやめようかとも思いました。コテコテした結果は以下の通り。
- Ubuntu22.4.3LTS
- Xubuntu
- Ubuntu MATE
- Linux Mint
- Alter Linux
- Debian xfce
- Ubuntu Studio
上記のOSは、すべてNGでした。
ようやくまともにインストールできたのは、Bodhi Linuxでした。
Bodhi Linux の設定(グラフィックカード編)
増設したグラフィックカードから最低限必要な画像が出力されたので、そのまま設定に利用。
NVIDIA NVS 310 のドライバは、2015年8月28日にリリースされた バージョン 352.41 が最終である様子。コテコテ調べた結果、下記の手順でドライバのインストールに成功。
- 利用可能なドライバを探す
# ubuntu-drivers devices
を入力すると、結果として利用可能なドライバの候補が表示される。
nvidia-driver-390
nvidia-driver-340
今回は二つの候補が表示された。 - ドライバのインストールと再起動
二つのドライバが表示されたため、どちらをインストールしたらよいのか迷いましたが、番号の新しい方が新しいバージョンではなかろうかと考えて、390 の方をインストールすることに。
# apt install nvidia-driver-390
# reboot
これで、オブジェ化していた PRIMERGY TX120 S3 が、デスクトップパソコンとして新たなスタートを切ることができました。