1. プロトコルとは?
コンピュータ同士が通信を行う際に、言葉のように「約束事」が必要。これをプロトコルと呼ぶ。異なるメーカーやOSを持つコンピュータ同士でも、同じプロトコルを使えば通信が可能になる。プロトコルが異なる場合、通信は成立しない。
例):
定義
日本語や英語を「プロトコル」
言語によってコミュニケーションをすることを「通信」
話の内容を「データ」
それぞれが扱える言語(プロトコル)
Aさん(日本語のみ)
Bさん(英語のみ)
Cさん(日本語と英語の両方)
発生する現象
- AさんがBさんと会話しようとしてもそれぞれ言語(プロトコル)が違うから言葉が理解できない
- AさんとCさんは日本語(プロトコル)を使用してコミュニケーション(通信)を取ることができる
- BさんとCさんは英語(プロトコル)を使用してコミュニケーション(通信)を取ることができる
→上記のように言語(プロトコル)が違えば、コミュニケーション(通信)を取ることができない。
→コンピュータは人間と違って、人間のような知能、応用力、理解力を持っていないからコネクタの形状のような物理レベルからアプリケーションの種類のようなソフトウェアレベルまで、様々な部分で明確な約束事を決めて、それを守るようにしなければ正しく通信することができない。
2. プロトコルの階層化
OSI参照モデル
OSI参照モデルは、コンピュータ通信の機能を7つの階層に分け、それぞれの階層ごとに役割を持たせたモデル。このモデルにより、異なるコンピュータ間でもスムーズに通信ができるようになっている。
OSI参照モデルの7階層
- 物理層(Physical Layer)
- データリンク層(Data Link Layer)
- ネットワーク層(Network Layer)
- トランスポート層(Transport Layer)
- セッション層(Session Layer)
- プレゼンテーション層(Presentation Layer)
- アプリケーション層(Application Layer)
各階層は、それぞれ下位層からサービスを受け、上位層にサービスを提供する
OSIプロトコル
異なるコンピュータ間で通信を実現するため、ISOやITU-Tによって標準化が進められていたネットワークアーキテクチャ。OSIではOSI参照モデルに基づき、各階層のプロトコルと階層間のインターフェースについての標準を定めている。
3. TCP/IPとは?
TCP/IPは、インターネットで使用される標準的なプロトコル群。IETF(Internet Engineering Task Force)によって提案され、現在ではデファクトスタンダードとして世界中で広く使われているらしい。
TCP/IPモデルとOSIモデルの違い
OSIは7階層に分かれているのに対し、TCP/IPは4階層に簡略化されています。
TCP/IPは主にインターネット通信で使用され、OSIは概念的なモデルとして使用されています。
4. プロトコルの標準化
異なるメーカーの機器でも互換性を持って利用できるよう、プロトコルはISOやIETFなどの機関によって標準化されてる。特に、IETFによって標準化されたTCP/IPは、インターネットの通信プロトコルとして最も広く使われている。
標準化機関の例:
- ISO(国際標準化機構)
- ITU-T(国際電気通信連合)
- IETF(Internet Engineering Task Force)
5. プロトコルの重要性
コンピュータ同士の通信が成立するためには、物理レベルからソフトウェアレベルに至るまで、明確な「約束事」を決め、それを守る必要がある。例えば、言語が違えば会話が成立しないのと同様、コンピュータも異なるプロトコルでは通信できない。
また、通信中に発生する障害に対しても事前に適切な対応策を決めておく必要があり、それもプロトコルの一部として定義されている。
まとめ
プロトコルはコンピュータ同士が通信を行うための「約束事」。
OSI参照モデルは、通信の機能を7階層に分けた標準的なモデル。
TCP/IPはインターネット通信の標準プロトコルで、IETFにより標準化されている。
異なるメーカー間でも通信ができるように、プロトコルは標準化されている。