記事の概要
Nordic社のPower Profiler Kitを使用してBLE通信の消費電力を測定します。
Power Profiler Kitとは何か
Power Profiler KitはNoridicが販売している消費電力測定用の治具です。
Nordicの販売している開発キットだけではなく、自作のボードや市販の開発モジュールにも使用できます。
- Nordicの製品案内
- 製品概要
- ユーザーマニュアル
開発ボードに対して使用する方法
SB40のジャンパカット
消費電力測定時は、USBコネクタはPower Profiler Kitへ給電するので、nRF52840-DKに給電するSB40ジャンパ中央の導線を削ります。
この加工をするとUSB接続時にnRF52840-DKへ給電されなくなるので、加工後にnRF52840-DKを単体で使用する場合には、ジャンパピンで接続してください。
電源経路の詳細は以下のマニュアルをご覧ください。
Measuring current
以下も参考になります。
How use to Power Profiler Kit and nrf52840
プログラムの書き込み
まずあらかじめnRF52840-DKにソフトデバイスとアプリケーションを書き込んでください。
もし既にSB40を削っているのでしたら、ジャンパピンで接続してください。
Power Profiler Kitとの接続
Power Profiler kitをnRF52840-DKに接続します。
Power Profiler kitのDUT SelectスイッチはDKに設定し、Power SelectスイッチもDKに設定します。
また中央のCOMスイッチをDKに設定します。(針やピンセットなどでスイッチを動かせます)
給電用のUSBコネクタはnRF52840-DK側に接続し、電源スイッチをONにします。
Power Profilerによる測定
nRF Connectを起動し、Power ProfilerのOpenをクリックします。

Select deviceでボードを選択します。この時に接続する相手はPower Profiler kitのnRF52832になります。
接続に成功後、Startをクリックすれば消費電力の測定が開始します。
ですが、この開発ボードは技適を通過していないので、電波を発生させてはいけません。
実際の測定画面の見方は次節以降に解説します。
外部機器に対して使用する方法
外部機器に対して使用する場合、J-Linkとの接続が必要になります。
DKボードがある場合は、DKボードのJ-Linkチップを使用します。
DKボードを使わない場合は、別途J-Linkを用意しないといけません。
J-Linkには以下の種類があります。
- J-LINK BASE
- J-LINK EDU
-
J-Link LITE
- これはEVALUATIONボードのEKSKBNZWBなどとセットで販売しているものになります。 単独での購入はできません。
- J-LINK EDU MINI
DKボードを使わない場合
DKボードを使わない場合の配線は以下の通りです。
Power Profiler kitのExternal DUTピンの+と―を外部機器のVCC(2.7V~3.3V)とGNDに接続します。
給電用のUSBコネクタはPower Profiler kit側に接続します。
外部機器にはPower Profiler kitから給電するので、外部機器には電源は不要になります。
Power Profiler kitのDUT SelectスイッチはExternalに設定し、Power SelectスイッチはRegに設定します。
また中央のCOMスイッチをEXTに設定します。
またPower Profiler kitのDebug InにJ-Linkを接続します。
DKボードの場合と同じように、nRF Connectを起動し、Power ProfilerのOpenをクリックします。
Select deviceでJ-Linkと接続して、Startをクリックします。
すると、以下のように消費電力が表示されます。
山になっているところが、アドバタイジングパケットを発信して、電力を消費しているところです。
この外部機器はGPSなどと接続しているので、アドバタイジングパケットを発信していない時も、待機電力 約7mAを消費していることも分かります。
トリガーを設定すれば、瞬間的な消費電力も測定できます。
DKボードを使う場合
DKボードを使う場合の配線は以下の通りです。
Power Profiler kitのExternal DUTピンの+と―を外部機器のVCC(2.7V~3.3V)とGNDに接続します。
給電用のUSBコネクタはnRF52840-DK側に接続し、電源スイッチをONにします。
外部機器にはPower Profiler kitから給電するので、外部機器には電源は不要になります。
Power Profiler kitのDUT SelectスイッチはExternalに設定し、Power SelectスイッチはRegに設定します。
また中央のCOMスイッチをDKに設定します。
参考
消費電力の測定方法については、以下もご参照ください。
Using the Power Profiling Kit to measure Current Draw on an External Device