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目次

1.はじめに
2.この記事の主な対象者
3.「一条莉々華」さんについて
4.TOEICとは
5.実務では役に立たない?
6.ITエンジニアの仕事って200色あんねん
7.舐められがちだが役に立つ
8.どちらかというと
9.まとめ

はじめに

本記事では、hololive DEV_IS 所属の VTuber、一条莉々華さんがインタビューを受けていた TOEIC という英語の試験に関して、筆者の実務経験を基に IT エンジニアの実務で役に立つのかについて書いていきたいと思います。

この記事の主な対象者

  • 現在 IT エンジニアで TOEIC を受験しようか悩んでいる方
  • TOEIC の受験歴があり、IT エンジニアの実務で活かせるか気になる方
  • 一条莉々華さんが何者か気になる方
  • 一条莉々華さんのインタビュー記事を見て TOEIC が気になった方

「一条莉々華」さんについて

一条莉々華さんは、星街すいせいさんや宝鐘マリンさんらが所属する VTuber グループ、hololive プロダクションに所属する新人 VTuber です。

image.png

「可愛い!ポジティブ!ジーニアス!」がキャッチフレーズで、自ら海外企業との折衝もこなす女社長という公式設定があります。

新進気鋭の女社長。
好奇心のままに立ち上げた会社だったが、今のところは順調。
人とのコミュニケーションを得意とし、自ら海外企業との折衝もこなす。
成功の秘訣はよく寝ること。
一方、私生活ではガサツな一面も多く、家事全般はあまり得意とは言えない。

配信では限界飯() や表裏のない性格が話題に上がることの多い莉々華社長ですが、実際に本人が帰国子女であり、英語オンリーでの配信も行ったりしています。
image.png

そんな莉々華社長が今回コラボしたのが、TOEIC 公式だったのです。
https://www.iibc-global.org/toeic/special/blog/12.html
スクリーンショット 2024-05-29 23.58.37.png

TOEICとは

TOEIC は「日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力を測定する、世界共通のテスト」とされています。

学生や大人が受験する試験には以下の3種類があり、巷で「トーイックトーイック」と言われているのは、9割5分一番上の "Listening & Reading Test" だと思って差し支えありません。

  • TOEIC Listening & Reading Test
  • TOEIC Speaking & Writing Tests
  • TOEIC Speaking Test

あとで触れますが、TOEIC で一番有名な試験が "Listening & Reading Test (聞くこと & 読むこと)" である点も、世間から舐められやすい理由の1つとなっています。

いくつかの有名な英語試験とざっくり比較すると、以下のような違いがあります。

TOEIC TOEFL IELTS 英検
ジャンル ビジネス アカデミック アカデミック 広い
活用 就活 留学 留学 受験

試験で扱われる内容には(ざっくりですが)それぞれ傾向があり、活用しやすい領域もそれぞれ異なることがわかります。

実務では役に立たない?

「留学」や「受験」といった学生向けの印象が強い他の英語試験と違って、TOEIC は唯一ビジネスをメインテーマにしており、日本の就活では一番評価されるような印象があります。

SNS では「ビジネスマンは絶対に勉強しておけ」なんて投稿を見かけることもあり、TOEIC が開催されるたびにトレンド入りする様子を目にしています。

そんな評判とは裏腹に、多方面から嫌われる試験でもあります。

英検の方が4技能問われるし絶対レベル高い
by 英検に合格した人

留学で活かせるわけでもなく、実践的でない
by 海外で働こうとする人

スコアが高いだけで全然英語で話せない
by 海外で生活したりする人

語学ができても仕事には役に立たない
by 会社で働く人

他の英語試験と異なり、高いスコアを持っていても唯一「へー」では終わらず、マイナスな印象までもたれかねない試験かもしれません。

上記の意見の中でも、今回は「IT エンジニアの実務で役に立つかどうか」をテーマにしているので、特に4つ目の意見に対する私見を述べていきます。

ITエンジニアの仕事って200色あんねん

「実務では役に立たない」と言われがちというお話をしましたが、そもそも IT エンジニアの実務にはどんな種類があるかイメージはつきますでしょうか。

自分の経験に寄っている部分もあると思いますが、だいたい以下のような工程が存在するかと思います。

image.png
https://itnabi.com/shukatsu/magazine/archives/1477

筆者は IT 機器メーカーで勤務しており、自社製品を世に出す前の工程や製品を構築して導入する工程、お客様先で利用が開始されたあとの運用保守工程など、複数の領域に携わってきました。

個人的に、大体の工程でわかりやすく役に立つと感じるのは以下の2点です。

  • 技術を深掘りするとき
  • ログを読むとき

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これは一般的にも言われることですが、IT エンジニアの仕事で技術的な仕様を辿っていくと、どこかの段階で英語の文書にエンカウントします。例えばログからエラー内容を汲み取る際や、根本的な振る舞いを仕様書から読み取る場合などです。

もちろん他社に問い合わせたり、誰かのブログから理解できたりすることもあります。しかし、ベースとなる英語のドキュメントを作成したり、そこから技術的な背景を踏まえて業務に活かせるよう解釈する「橋渡し」の役割も生まれます。

逆に、曖昧な機械翻訳のような日本語で書かれたドキュメントのニュアンスを確かめる目的で英語のドキュメントを辿ることもあります。

image.png

特に開発元が海外にある企業では、英語で書かれたドキュメントを読んだり海外出身のエンジニアとやりとり/折衝したりする場面は日常的に発生します。

傾向として、日本人を対象としたアプリや製品、サービスなどを提供している会社のうち、エンドユーザーに近い運用/保守工程の方が日本語でのエスカレーションを含めた対応がしやすいかと思います。

一方で、そういった問い合わせを受けた SRE や L3 サポートと呼ばれるエンジニアや、設計/開発を行うエンジニアは、海外との橋渡しや仕様確認等で英語に触れる機会は多くなりがちだと思います。

つまり、あまり見えていない部分も含めて、IT エンジニアの仕事では英語を使う実務が多く潜んでいるというわけです。

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舐められがちだが役に立つ

では実際に TOEIC のスコアが実務に役に立つのかというと、「結構通用するな」というのが自分の感覚です。

筆者は TOEIC の L&R では最高で 905点を取得していますが、英語が関わる実務では以下のような業務を行ってきました。

  • 英語で書かれたドキュメントから仕様を確認する
  • 技術的な仕様に関して質問する
  • 修正を依頼する文書を作成する
  • ログを参照する
  • 海外にいるエンジニアとやり取りを行う

文章で書いてみると難しそうな内容もありますが、TOEIC でそこそこの読解力がついていれば、英語力の観点であまり困ることはありませんでした。

ところどころ「質問する」や「作成する」などアウトプットよりな英語力を求められる業務もあるため、TOEIC L&R ではカバーできないライティングのスキルがあると、より英語メインの実務で戦えると思います。

もちろん技術知識や仕事の知識/経験は業務の根幹となってきますが、TOEIC の勉強を通じて身につけた英語力は「IT エンジニアの実務で通用するぞ!」ということを記しておきたいです。

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余談ですが、LinkedIn というビジネス特化の SNS に TOEIC のスコアを記載しておくと(SNS では結構馬鹿にされますが)、海外系企業や外資系企業の面談に誘われることがあります。そういった意味でも TOEIC が役に立ってきます。

TOEIC 反対派の人は「英語だけあってもしょうがない」「学生が身につけた資格の知識は役に立たない」と言いますが、見方を変えればスコアがあるからこそ挑戦できる領域もあるということで、ポジディブに捉えてもいいのかなと思っています。

どちらかというと

ここまで、英語の「読み書き」を中心に書いており、「聞く話す」には触れてきませんでした。

しかし仕事で実用的に使える英語というと、一般的には「話す」能力が話題に上がりますよね。そのため、話す能力を問われない TOEIC L&R のスコアを持っていても「でも話せないんでしょ^^;」などとかなり煽られます。

自分のコミュ力の問題もありますが、正直なところ実務で使える英語の基盤が身につくとはいえ、その分野では確かに英検の上位級やTOEFL 等に劣ると思います。しかし、IT エンジニアに限った話で言えば、意外と「聞く話す」能力は必要な場面が少ないとも感じています。
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例えば海外出身のエンジニアと同じオフィスで働く場合は「聞く話す」能力が必要になるかと思いますが、筆者が経験した職場では開発用の共有ツールにやり取りの履歴を残すため、チャットなどの文章をメインのコミュニケーション手段としていました(仕事あるあるな気はします)。

役職が上がっていくと取りまとめや認識合わせで議論する場面も増える印象があり、会社によっては口頭で話しながら進めることがメインになる場合もあるかと思いますので、長い目で見たら絶対にできた方が良いとは思います。

しかし、どちらかというと IT エンジニアは営業のような会話ベースで仕事をするよりも、チャットツール等を頻繁に利用してドキュメントやログを読み込みつつ業務を進める場面が多いかと思います。

まとめ

多くの層から役に立たないと言われがちな TOEIC ですが、IT エンジニアの仕事には見えていない部分も含めて英語を使う場面が多くあり、筆者の経験上 TOEIC のスキルは結構通用します。

もちろん、仕事の知識や技術スキルがベースにはなってきますが、「橋渡し」や開拓を行う工程や技術の深掘りでは必ず使えるスキルです。

加えて、就職活動や転職活動でも年収レンジが高めな企業から声がかかる(もちろんそれだけで採用は決まらない)といったこともあり、表面上の期待値が高い資格でもあります。持っていて恩恵を受ける場面は多いかと思いますので、迷っている方は覚悟を決めて勉強してみても良いのかなと思います。

オススメの教材や勉強法などは、またの機会に紹介できたらしてみようと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
一条莉々華さんや hololive の配信もぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/@IchijouRirika
https://www.youtube.com/@hololive

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