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Windows GUIプログラミング入門15 インストーラー(1)

Last updated at Posted at 2017-04-25

■はじめに

今回はプログラムをインストーラーで配布できるようにします。

キーワード:VisualStudio2017, InstallerProjects, UAC

[注意]
これまでの回で説明済みの操作方法等は、説明を省略したり簡略化している場合があります。

■開発環境

  • Windows 10 (バージョン1703)
  • Visual Studio Community 2017
  • .NET Framework 4.x

■拡張機能のインストール

以下のサイトからInstaller Projectsの拡張をダウンロードします。

Microsoft Visual Studio 2017 Installer Projects

wbg15-01.png

インストールします。
wbg15-02.png

■インストーラープロジェクトの追加

適当に何かプロジェクトを作り、ソリューションの「追加」 - 「新しいプロジェクト」を選択します。
wbg15-03.png

「新しいプロジェクトの追加」画面で「その他のプロジェクトの種類」 - 「Visual Studio Installer」を選択し、「Setup Wizard」を選択します。
wbg15-04.png

「次へ」を選択します。
wbg15-05.png

「次へ」を選択します。
wbg15-06.png

「プライマリ出力」を選択し、「次へ」を選択します。
wbg15-07.png

「次へ」を選択します。
wbg15-08.png

「完了」を選択します。
wbg15-09.png

インストーラープロジェクトが追加されました。
wbg15-10.png

■インストーラープロジェクトの設定

◇ビルド設定

ソリューションを右クリック、「構成マネージャー」を選択し、インストーラープロジェクトの「ビルド」にチェックを入れます。
wbg15-11.png

ソリューションエクスプローラーのDetected DependenciesからMicrosoft .NET Framework以外(使わないもの)を右クリックして「除外」します。
wbg15-12.png

wbg15-12b.png

インストーラープロジェクトのプロパティ、PostBuildEventの「...」を選択します。
wbg15-12c.png

wbg15-12d.png

「マクロ」ボタンを選択してBuildOutputPathをダブルクリックします。
wbg15-12e.png

以下のように書き換えます。
"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\bin\x86\MsiInfo.exe" "$(BuiltOuputPath)" /W 10
wbg15-12f.png

MsiInfoのパスは環境に応じて書き換えてください。
パスは、Developer Command Prompt for VS 2017(開発者コマンドプロンプト)を起動し、
wbg15-12g.png

where msiinfo確認しましょう。

※Windows 10でmsiinfoが見つからない場合、Visual Studio Installer個別のコンポーネントからWindows 10 SDKを入れてください。

PostBuildEventはビルド後に実行される処理で、
MSIファイルを管理者権限不要でインストールできるように設定変更するコマンドを書いています。

Program Files配下にインストールする等、管理者権限が必要なセットアップにしてしまった場合はMSIファイルの設定を変えても管理者権限は要求されます。

◇プロパティ設定

File SystemタブのApplication Folderを選択し、プロパティのDefaultLocation
[LocalAppDataFolder][Manufacturer]\[ProductName]に設定します。
wbg15-13.png

ソリューションエクスプローラーでインストーラープロジェクトを選択し、プロパティを設定します。
wbg15-14.png

プロパティ 設定値 備考
Auther 作成者A
Description 説明BBB
DetectNewerInstalledVersion True インストール時の新バージョンチェック
InstallAllUsers False すべてのユーザーにインストールするか
Localization Japanese
Manufacturer 会社C
ProductName ソフトD
RemovePreviousVersions True 古いバージョンの削除
Subject タイトルE
Title タイトルFF
Version 1.0.0

◇デスクトップのショートカット

File SystemタブのUser's Desktopを選択し、プロパティのAlwaysCreateTrueに設定します。
wbg15-15.png

User's Desktopを選択し、ツリー右の部分(Name, Type列のある領域)で右クリックし、「新しいショートカットの作成」を選択します。
wbg15-16.png

Application Folderをダブルクリックします。
wbg15-17.png

「プライマリ出力」が選択されているので「OK」を選択します。
wbg15-18.png

ショートカットの名前をソフトDに変更します。
wbg15-19.png

wbg15-20.png

◇スタートメニューのショートカット

User's Programs Menuを右クリックし、「Add」 - 「Folder」を選択します。
wbg15-21.png

フォルダ名をグループGに変更し、AlwaysCreateTrueにし、グループGの右の領域で右クリック、「新しいショートカットの作成」を選択します。
wbg15-22.png

User's Desktopの時と同じように設定します。
wbg15-23.png

■ビルド

ソリューションをReleaseビルドします。
Setup.exemsiファイルが出来上がるので、この2つを配布します。
wbg15-30.png

■インストール

一般ユーザーでSetup.exeを実行してみます。

「次へ」を選択します。
wbg15-31.png

「次へ」を選択します。
wbg15-32.png

「次へ」を選択します。
wbg15-33.png

「閉じる」を選択します。
wbg15-34.png

デスクトップとスタートメニューにショートカットが作成されました。
UACのダイアログを出さずにインストールすることができました。
wbg15-35.png

ユーザーのLocalフォルダ配下にインストールされています。
wbg15-36.png

「アプリと機能」の一覧に追加されました。
wbg15-37.png

■バージョンアップ

メインのプロジェクトを更新してバージョン情報も更新します。
(プロジェクトのプロパティ、「アプリケーション」の「アセンブリ情報」)
wbg15-40.png

インストーラープロジェクトのVersionプロパティを更新します。
ProductCodeを更新するか聞いてくるので「はい」を選択し、ソリューションをリリースビルドします。
wbg15-41.png

Setup.exeを起動してインストールすると新しいバージョンで上書きされます。
wbg15-42.png

:bulb:バージョンアップ時、上書きインストールできて最新版が起動できることは必ず確認しましょう。
設定を失敗していると、インストールが続行できなかったり、一見インストール成功したように見えても中身が古いバージョンのままになることもあります。

おしまい


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