公式ドキュメント丸投げとは?
「公式ドキュメントを読んでおいて」と言って、新人エンジニアに学習を丸投げするケースは珍しくありません。
確かに、公式ドキュメントは最新かつ正確な情報源 ですが、新人がその内容を理解し、適切に活用するには一定の知識と経験が必要 です。
- 公式ドキュメントの構成や専門用語に慣れていない
- どこを重点的に読むべきかわからない
- サンプルコードをどう実装に活かすかがわからない
こうした問題があるため、単に「読んでおいて」と伝えるだけでは学習効果が薄く、成長を妨げる可能性がある のです。
公式ドキュメント丸投げの問題点
① 情報量が多すぎて挫折しやすい
公式ドキュメントは網羅的に記載されているため、初心者にとって情報量が多すぎる ことがあります。
- どこから手をつけていいかわからず、結果的に学習が進まない。
- 必要な情報を見つけられず、調べるのに時間がかかる。
- 記述が抽象的で、具体的な使い方がイメージしにくい。
解決策:「まずはこの章を読んで、この部分を試してみよう」と具体的な指示を出す。
② 実際の開発との関連がわからない
公式ドキュメントの説明は、あくまで技術の基本や仕様の紹介が中心であり、
実際のプロジェクトでどう活かすのか まで記載されているわけではありません。
例:「Spring Security」のドキュメントには認証の仕組みが詳細に書かれているが、 プロジェクトでの具体的な実装方法は自分で考えなければならない。
解決策:
「実務でどう使うか?」の視点を伝える
社内の既存コードと照らし合わせながら説明する
③ 質問しにくい雰囲気が生まれる
新人にとって、公式ドキュメントを読むだけでは理解しきれない部分が多くあります。
しかし、「とりあえず読んでおいて」と丸投げされると、
- 「これくらい自分で理解しなければならないのでは?」 と萎縮してしまう。
- 質問すること自体に罪悪感を覚えてしまう。
- 結果として、理解が不十分なまま進めてしまい、後々ミスや手戻りが発生する 可能性があります。
解決策:「わからない部分があればすぐに質問してね」と質問しやすい環境を作る。
公式ドキュメントを活用するための適切な指導方法
① 目的を明確にする
「この機能を実装するために、この部分を読んでみよう」とゴールを示す ことで、
必要な情報を探しやすくなります。
② 最初は一緒に読む
ドキュメントの構成や、読み方のコツを教えるために、最初のうちは一緒に読み進める のが効果的です。
③ サンプルコードを動かしてみる
理論だけでは理解しづらいため、公式ドキュメントに記載されているサンプルコードを
実際に動かしながら学ぶ ことで、より深く理解できます。
④ 質問しやすい環境を作る
「わからない部分があれば、どこでつまずいたのか教えて」と伝え、気軽に質問できる雰囲気を作る。
まとめ
- 公式ドキュメント丸投げはNG
- 適切な指導方法を意識する
- 目的を明確に伝える:「この部分を読んで、試してみよう」
- 最初は一緒に読む:「こういう構成になっているよ」
- サンプルコードを動かしながら学ぶ
- 質問しやすい環境を作る:「どこでつまずいた?」
新人エンジニアが成長するためには、公式ドキュメントを適切に活用できるようサポートすることが重要です。
「読んでおいて」ではなく、「どう読めばいいか」を一緒に考えていくことが大切です。