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差動伝送で距離5mの信号を送ってみてシングルエンドと比較してみた

Last updated at Posted at 2022-02-06

はじめに

以前投稿した記事の続きです。
ESP32で500円3chプログラマブルオシレータ「Si5351A」を使ってみた
シングルエンド伝送、差動伝送についてのメモ

Si5351Aで作った信号を距離5mで伝送してみて、実際シングルエンド、差動でどれくらい差が出るのか確かめてみた。

結論から言うとそもそも持っているオシロの性能があまり良くなく、低周波でしか実験する事が出来なかったので
伝送方法で波形の差がどれくらいあるのかを見る事は出来なかったが、
とりあえずやった事の備忘録として記録する。

使用部材

ESP32-DevKitC-32E ESP32-WROOM-32E開発ボード 4MB
3ch出力プログラマブル周波数ジェネレーターモジュール Si5351A使用
RS422差動ラインドライバー AM26C31CN
4回路RS422ラインレシーバー AM26C32CN
5V出力昇圧DCDCコンバーター
LANコネクタDIP化キット
スイッチングACアダプター 3.3V2.2A
・100Ω抵抗
・LANケーブル(5m)

回路図

以下の回路図のInput、OutPutをオシロで測定する
なお、LANケーブルの特性インピーダンスは100Ωなのでレシーバにて100Ω抵抗にて終端している。

dri.PNG

実際の実験時の写真はこんな感じ

kairo.jpg

測定結果

今回は信号源のオシレータが3.3Vなのに5Vのドライバ/レシーバで受けたため、信号レベルが異なる。
低周波なのであんまり特性に影響は出てないと思うが…

実験はオシレータから出た信号を差動ドライバ/レシーバを介してLANに接続した場合を「差動信号」とし、
オシレータから出た信号をそのままLANに接続した場合を「シングルエンド」と表記する。

途中、波形を取る位置がズレていたりとガバガバな実験になったが、
画像を撮る直すの面倒だし、波形そのもののデータは残っているし、備忘録として書いているのでこれで妥協する…

・250KHz
シングルエンドの場合
250kHz_2.PNG
差動伝送の場合
250KHz_2.PNG

・500KHz
シングルエンドの場合
500kHz_2.PNG
差動伝送の場合
500kHz.PNG

・1MHz
シングルエンドの場合
1MHz.PNG
差動伝送の場合
1MHz.PNG

・5MHz
この辺でオシロの帯域的に限界。多分5MHzも満足に取れていないくて参考にならないと思うが一応記録しておく
シングルエンドの場合
5MHz.PNG
差動伝送の場合
5MHz.PNG

まとめ

シングルエンドで送った場合は波形にオーバーシュート、アンダーシュートがあったりと多少ノイズが乗ってており、
差動伝送を行うとノイズが無い綺麗な波形で伝送できることが分かる。
しかし、これで実際に信号をラッチ出来ないほど酷いノイズかと言われればそうではなく、
実際に差動でなければまともにデータが送れないのはもっと高周波でノイズがひどい波形になるだろうと考える。

これも低周波領域だからなのかも知れないが
以外だったのは250KHz~5MHzで差動で送った際に起こる伝送遅延が総じて約50nsと変わらなかった事だ。
勝手な想像で伝送速度が速ければ速いほど伝送遅延も多くなるのかなと考えていたが、そうでは無いようだ(高周波になれば変わるかも?)

これは考察だが
差動ドライバーの内部に入っているであろう(?)オペアンプのスルーレートを決める条件と言うのが、
オペアンプ内部に入っている位相補償コンデンサのCを充電する速度で決まっており、周波数に相関していないのではないかと考える。
この辺のスルーレートと位相補償コンデンサの話はCQ出版の以下の書籍の第4章に記載されている。
定本 OPアンプ回路の設計―再現性を重視した設計の基礎から応用まで

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