突然ですが、LINEの公式アカウントってどうしていますか。キャンペーンなどで友達追加してみたけれど通知が煩わしかったりして何となくブロックしてしまった経験は誰にでもあるかと思います。
これは見る側としては自然な行動ですが広報として使うには避けたい事例です。定期的に新しい情報が送れるのが強みなのに、次の更新までに見放されてしまっては意味がありません。またせっかくLINEを利用しているのですから、もう少し双方向でのやり取りも行いたいものです。
今回は自分の開発したアプリの公式アカウントに会話AIを組み込むことでこの問題に対応してみました。細かい部分の差はあれど、同じような試みをする際の参考になればと思います。
会話AIを使おう!
ここでの会話AIとは質問に答える事務的なチャットボットではなく、Chat GPTのような自然な会話ができる人工知能のことを指します。彼らを公式アカウントに組み込むことで、これに話し相手としての役割を加えることができます。
これによってただ情報発信を行うだけのものよりは注目してもらえると考えました。少し話は違いますが、高級ブランドや車販売の現場では売り込みだけでなく普段のコミュニケーションも大事にしていると聞きます。私たちエンジニアはそこまで手を回すことはできなくとも、代行してくれるシステムは組み上げることが可能です。
実際にやってみる
会話AI『Eveki』
肝心なのはどんなAIを選ぶかということです。GPT-3など多くの選択肢が考えられますが、今回は自作の会話AI『Eveki』を採用しました。そもそも宣伝するのがこれのアプリ版である、というのも選定の理由のひとつでもありますが、キャラクター性に特化しているので広告塔にはもってこいなのです。こちらについての詳しい記事は以下を見てもらうとわかりやすいと思います。
どんなAIを使うかは広めたい内容によって変更すべきだと考えます。ただし漠然とサービスの代表として設定するよりも、マスコットのような何らかのキャラクターを決めてそれに話してもらう方が会話AIとしての特性を活かしやすくなるはずです。
LINE Developerの準備
必要なアカウント作成の手順については既に詳しい記事が多く存在するためここでは詳しく触れません。ただ公式の登録ページおよびドキュメントが充実していること、また後から修正できる部分も多いため作業自体はかなり簡単に行うことができると思います。無料枠も良心的です。
ちなみに今回は使用していませんが公式が提供しているAIメッセージサービスも存在するようです。回数制限や細かい点が気にならないならこちらをまず試してみるのもよいかもしれません。
Google App Scriptとの連携
応答を手軽に試すにはGoogle App Scriptが便利です。こちらの実装には以下の記事を参考にさせていただきました。関連記事も含め非常に丁寧な説明がある素晴らしい記事です。
Google App Scriptなら他の用途でも広く使われており、情報を得るのが比較的簡単なのもメリットの一つです。スプレッドシートなどを活用すれば運用状況の分析も可能です。
LINE独自の面白さ
グループLINEに参加できる
実は設定を変更することによって公式アカウントでもグループに招待してもらうことができます。会話AIを友達との会話に参加させることができるというわけです。これはSlackではよく見られる遊び方ですが、よりカジュアルな使い方が中心のLINEでも同じことができるのは魅力的です。
会話をスクリーンショットできる
AIとの会話で面白い場面が現れたとき、LINEなら本体の機能を使って特定の部分だけをスクリーンショットすることができます。さらにこれを同じLINE上で他の人に送ることもできるので拡散してもらえる確率も高くなります。ちなみに記事冒頭の画像もこの機能を使って製作したものです。
まとめ
その手軽さゆえに離脱も簡単にできてしまうLINEの公式アカウントですが、会話AIを組み込むことで人を惹きつける機能を追加することができます。また会話するという性質自体が相性の良いものだとも言えます。
企業のサービスから個人開発の宣伝、仲間内の遊びまで色々な用途に活用できると思うのでぜひ一度試してみてください。