ウェブカムからの入力画像は、仮にミラーレスなどで高画質化しても、どうしても色見はのっぺりとした普通のビデオカメラっぽい色になる。
しかし、映画などの映像制作の分野では、カラーグレーディングなどと呼ばれるプロセスで、動画の色を修正し、味のある映像を作り出す。
これを、ウェブカムからのリアルタイム画像にも適用してみたい。
検索してみたところ、OBSを使うと、LUTを適用できるようだ。
だが、OBSは機能がたくさんありすぎ、ちょっとおおげさな気がしていて、それ以外の選択肢を調べてみた。
CamTwistからLUTを使う
CamTwistはすでに更新が停止しているようだが、基本的な機能だけであれば、十分にまだ使える。
http://camtwiststudio.com/
と、思ったが、今満たらWebページが消えているようだ(汗)。
以下から、CamTwist 3.4.3をまだダウンロードできるようだ。今のうちにダウンロードしておいた方がいいかもしれない。
https://web.archive.org/web/20200828110537/http://camtwiststudio.com/
https://web.archive.org/web/20200616052747/http://camtwiststudio.com/download/
https://web.archive.org/web/20200616052747/http://camtwiststudio.com/beta/CamTwist_3.4.3.dmg
さて、CamTwistにもプラグイン機能がある。
このプラグインが、.qtz
という拡張子で、つまりQuartz Composerのパッチのようである。
このQuartz Composerもディスコンなんですよね(汗)。もう消えゆく運命なんだな。
それはともかく、今はまだ動くので、これを使ってみよう。
以下の、CamTwist-LUTから、ダウンロードする。
https://github.com/Yak86/CamTwist-LUT
LUT.qtz
だけあればプラグインとして動くのだが、サンプルのLUTファイルも重要なので、まずはgit cloneで全てを取得する。
% cd ~/dev
% git clone https://github.com/Yak86/CamTwist-LUT.git
次に、LUT.qtzをCamTwistのEffectsに追加する。
% cd CamTwist-LUT
% sudo cp LUT.qtz /Applications/CamTwist/Effects
- CamTwistを起動する。
- 「Step 1: Video Sources」から「Webcam」を選択してダブルクリック。Setting→Cameraで「FaceTime HDカメラ」を選択する。
- View→Previewよりプレビュー画面を出し、どのように見えるかを確認しつつ進める。
- 「Step 2: Select some effects」に「LUT」が出現しているはず。これを選択してダブルクリック。
- 「Settings」の「LUT_PNG_File」のところに、希望するLUTのPNGファイルをドラッグ&ドロップする。まずは、
~/dev/CamTwist-LUT/Sample LUT PNGs/BlueTrace.png
を試しに選んでみよう。このファイルをD&Dする。 - 次に、その画像の下の「Intensity」を右にドラッグして「1」にする。
- これで、カメラ画像にLUTが適用された状態になっている。
BlueTrace.png
を選んだ理由は、ほぼ白黒画像になるため、わかりやすいからだ。他のPNGファイルも試してみよう。
はまった点
いくつか細々とはまった点がある。
- Webcamなどを選んでから、ダブルクリックする必要がある。シングルクリックではだめみたい。
- LUTを選択してから、Intensityを1にしないと、適用されない。なぜ最初から1にしておかないのだろうか。
Gammmaを適用する
実際にいくつかのPNGを選んでみると、画面が暗すぎることが多いことに気がつくだろう。もともとカラーグレーディングは、明るすぎる画面を暗くすることが多いため、これは理解はできるのだが、あまりに暗すぎる。
そこで、画面にガンマカーブを適用して、元画像を明るくする。
- まず「Step 3: Adjust settings」の「LUT」の左の「×」を押して、消す。
- 「Step 2: Select some effects」から「Gamma Adjust」をダブルクリックする。
- 「Settings」から「Amonunt」を「0」にすると、かなり画面が明るくなる。
- そして、再度「Step 2: Select some effects」から「LUT」をダブルクリックして追加。
- 「Intensity」を「1」にする。 このようにすると、さきほどとは違ってベースが明るいため、適切なカラーグレーディングになっているようだ。 (おそらく、この明るさが適切なのだと思われる。元はあまりに暗すぎるため。)
課題としては、ここではPNGファイルによるLUTしか適用できない。
現在の業界標準の「.CUBE
」ファイルなどは読み込むことができない。
これを読み込めるようにすることも検討したが、それをするなら、OBSを使えばいいのではないかと思うようになった。
とりあえず、LUTを使ってみることはできるようになった。
done!