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千島アイヌ語の「魚」に関して

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Peter Simon Pallas『Сравнительный Словарь всѣхъ языковъ и нарѣчiй』(ч. 1. 1787年, ч. 2. 1789年)の「144. Рыба」には、千島アイヌ語として「Чепь」と「Имерайка」が示されている。

161 ― Японски - - Сагана, Иво.
162 ― Курильски - Чепь, Имерайка.

パラスの記述によれば、日本語は「さがな」と「いを」、千島アイヌ語は「チェㇷ゚」と「イメライカ」なわけだが、でも「イメライカ」って何の魚だろう。響きとしては「i=merayke」っぽいので、同書の「72. Стужа」も見てみよう。

161 ― Японски - Самса.
162 ― Курильски - Имеранки, Кумераике.

日本語は「さむさ」、千島アイヌ語は「イメランキ」と「クメライケ」。私(安岡孝一)なりに解釈すると、アイヌ語の自動詞「merayke」に人称接辞「i=」「ku=」が付いたまま採録されているようだ。だとすると、仮に「イメライカ」が魚の一種なら、とりあえずは「寒魚」とでも訳しておくのが安全な気がする。でも「Имерайка」の名詞用例って、実在するのかな。

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