#関数はベクトルである
ベクトルは、以下の公理を満たすものなのて、関数もベクトルだということができる。
公理 | 条件 |
---|---|
加法の結合律 | $u + (v + w) = (u + v) + w$ |
加法の可換律 | $u + v = v + u$ |
加法単位元の存在 | 零ベクトル $0 ∈ V が存在して、全ての v ∈ V において v + 0 = v を満たす。$ |
加法逆元の存在 | $各ベクトル v ∈ V に、加法逆元 −v ∈ V が存在して、 v + (−v) = 0 とできる。$ |
加法に対するスカラー乗法の分配律 | $a(u + v) = au + av$ |
体の加法に対するスカラー乗法の分配律 | $(a + b)v = av + bv$ |
体の乗法とスカラー乗法の両立条件 | $a(bv) = (ab)v [nb 2]$ |
スカラー乗法の単位元の存在 | $1v = v (左辺の 1 は F の乗法単位元)$ |
普通のベクトル
r=\left( \begin{array}{c}x \\y\end{array}\right)
は、
e_1=\left( \begin{array}{c}1 \\0\end{array}\right)\\
e_2=\left( \begin{array}{c}0 \\1\end{array}\right)
とう基底を使うと、
$$r=xe_1+ye_2$$
と書けます。
同様に、
$区間(a,b)で定義される関数\psi_1 (x), \psi_2 (x)が,正規直交基底 \{ \phi_i (x) \}の線形結合で表されるていると、$
\psi_1(x)=\sum_{i=1}^{\infty}\alpha_i\phi_i(x)\\
\psi_2(x)=\sum_{i=1}^{\infty}\beta_i\phi_i(x)
このときの $\psi_1(x), \psi_2(x)$ の内積は、以下の通りとなります。
\langle\psi_1(x), \psi_2(x)\rangle = \int_a^b \psi_1^*(x)\psi_2(x)dx= (\alpha_1^*, \alpha_2^*\ldots)\left( \begin{array}{c}\beta_1 \\\beta_2\\\vdots\end{array}\right)
ここで、ケットベクトル $|\psi_2\rangle$を、以下のように定義すると、
|\psi_2\rangle =
\left( \begin{array}{c}\beta_1 \\\beta_2\\\vdots\end{array}\right)
ブラベクトル $\langle \psi_1|$を、以下のように定義すると、
\langle \psi_1| = ( \alpha_1^*,\alpha_2~*,\ldots)
このブラベクトルは、ケットベクトルを転地して、共役を取ったもので、$\dagger$で表されます。
\langle \psi_1|=|\psi_1\rangle^\dagger
内積は、ブラとケットを用いて、以下のように表せます。
\langle\psi_1(x), \psi_2(x)\rangle = \langle \psi_1|\psi_2\rangle
#参考資料
ベクトル空間
ベクトルと関数のおはなし