はじめに
エンジニアなら誰しも、一度は「個人開発で収益化」を夢見ますよね。私もその一人です。
とはいえ、いきなり大きなサービスを作るのは大変です。そこで、名著『エッセンシャル思考』に倣い、「小さく始める」方法を模索しました。
その結果、私は「Hello, World!のページで1円を支払ってもらう」という極端なアイデアを思いつきました。これは、開発の第一歩である「Hello, World!」と、収益化の第一歩である「1円の決済」を組み合わせた、究極のMVP(Minimum Viable Product)です。
この記事では、上記のサービスを実転するため、主要な決済サービスを調査した結果を共有します。
【結論】主要な決済サービスで、個人開発者が1円決済を実装するのはほぼ不可能
調査した結果、個人開発者が主要な決済サービスで1円決済を実現するのは、非常に難しいことがわかりました。
以下に、各サービスの調査結果をまとめます。
1. Stripe
個人開発者にとって最も人気のあるStripeを最初に検討しました。
- 結論: 1円決済は不可能
- 理由: 日本円でのクレジットカード決済の最低金額が50円に設定されています。
これはStripeの公式ドキュメントにも明記されており、個人・法人を問わず、50円未満の決済は受け付けることができません。
2. Amazon Pay
次に検討したのが、多くの人がアカウントを持つAmazon Payです。
- 結論: 個人は利用不可
- 理由: 技術的には1円からの決済も可能なようですが、日本国内でのサービス提供は法人のみが対象でした。
個人開発の初期段階で法人格を持つ人は少ないでしょう。残念ながら、この時点で選択肢から外れました。
3. PayPal
オンライン決済の老舗であるPayPalは、個人でもビジネスアカウントを開設することで、決済を導入できます。
- 結論: 実質的に不可能
- 理由: 決済手数料の仕組み上、1円決済を行うと手数料で赤字になってしまいます。
PayPalの通常手数料は「3.6% + 40円」です。もし1円の決済が通ったとしても、手数料が決済金額をはるかに上回るため、事業として成立しません。
(月間売上が少ない場合に適用される「少額決済手数料」を利用しても同様で、やはり手数料が1円を上回ります。)
4. note
決済サービスとは少し違いますが、コンテンツ販売プラットフォームのnoteも調べました。
- 結論: 1円決済は不可能
- 理由: 有料記事の最低価格が100円に設定されています。
なぜ「1円決済」はこんなに難しいのか?
調査を進める中で、なぜ各社が少額決済に制限を設けているのか、その理由も見えてきました。
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セキュリティ上の理由:
クレジットカードが有効かどうかを確認する目的で、1円などの少額決済が不正かつ大量に試されることがあります。こうした不正利用を防ぐため、最低決済金額が設けられています。 -
運営コストの問題:
決済には、たとえ1円であっても、カード会社への手数料やシステムの維持費など、一定の固定コストが発生します。少額すぎると、決済サービス提供会社が赤字になる可能性があります。
まとめ
1円決済は残念ながら「不可能」という結論に終わりました。
この経験を活かし、次はStripeの最低決済金額である50円で収益化を目指してみようと思います。**「50円を支払ってでも使いたい」**と思ってもらえるサービスとは何か。この問いに答えを出すのが、次の私の個人開発のテーマです。
また、この挑戦から得られた学びや、今後の開発プロセスについては、別の記事で詳しくご紹介したいと思います。