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初めて Qiita 投稿する人へ ~中堅 SE が語る“情報発信”のリアルと価値~

Last updated at Posted at 2025-05-13

1.はじめに

筆者はここ数年、社内外のプラットフォーム(投稿サイト)で自身の実体験や特定の技術領域に関する記事を投稿し続けています。
記事の投稿を続けていく中で、部署内の若手メンバーより次のような相談を受けました。

  • 情報発信に興味があるけど、何から始めれば良いのか分からないんですよね。
  • 投稿に抵抗感があって、最初の一歩が踏み出せないんですよね。

今後も同様の相談を受けるだろうと考え、本記事では筆者の実体験をもとに、Qiita に初投稿する人の背中をそっと押すような内容をまとめました。
なお、本記事の主な読者層は以下の通りです。

  • Qiita に初投稿を考えている方
  • Qiita 投稿によって得られる価値を知りたい方(投稿への動機づけを求めている方)

1-1.筆者の自己紹介

まずは、筆者の自己紹介です。
本記事は、実体験をもとにした内容のため、少しでも信頼感を持って読んでもらえるよう簡単に自己紹介します。

  • 社会人歴:10年目の中堅 SE(システムエンジニア)
  • Qiita 投稿回数:5回(いいね数などを含む Contributions:約200)
    ※初投稿:2024年6月
    ※過去の投稿記事の一覧はこちら
  • 業務経歴:約3年半(オンプレミス)、約5年半(主にハイブリッドクラウド)の各工程を担当。要件定義〜構築、提案など一通り経験。
  • 保有資格(試験含む):クラウド(Azure / AWS)の複数資格、IPA の国家試験(Level1〜Level3の応用情報技術者試験)まで合格済。他資格や試験に日々チャレンジ中。

2.Qiita 投稿を始めて、今も続けている理由

筆者の場合は、投稿を始めた理由と続けている理由が明確に異なるため、それぞれ分けて説明します。

2-1.投稿を始めた理由

きっかけは、直属の上司からの Qiita 投稿のススメです。自身の担当製品(Azure)の学習の一環で定期的に資格の取得を行っていたのですが、取得したなら"Qiita に投稿してみたらどう?"と勧められたことでした。
※当時の筆者として、Qiita は社外発信で多くの人に読まれるため、誤りを指摘されたらどうしよう、間違ってたら恥ずかしいな。。といった漠然とした不安がありましたが、記事自体は無事投稿できました。

2-2.投稿を続けている理由

投稿を継続する背景には、主に2つの理由があります。

2-2-1.自身の言語化能力を高めること

言語化能力というのは、頭の中で考えていることを言葉に変換した上で、相手が理解しやすい表現で伝える力です。筆者の場合、技術的な知識は日々の学習を通じて身に付いてきたと感じる一方で、それを実業務に有効活用することが上手くできません(苦手)でした。
一例ですが、以下は何らかの会議で実際にあった出来事です。

  • 議題の技術は知識があって細かい部分まで知ってるのに、上手く言葉にできないから、発言できない。。
  • うーん。発言したは良いけど、自身の思いと別の意味で解釈されてしまった。。

次章で説明しますが、継続的な記事の投稿によりこの言語化能力が備わりつつあると実感しており、投稿を続ける大きな理由の一つです。

2-2-2.同じ境遇の方の手助けをしたいこと

筆者は何ごとも初めからテキパキできるタイプではなく、基礎知識を丁寧に積み上げることでようやく動けるタイプです(苦笑)。
これは自身の特性(適性)だと考えており、全て受け入れながら、日々業務を行っています。世の中には同じ特性を持つ方がきっといるはずで、実体験の記事を投稿することで、同じような境遇の方の手助けをしたいというのが投稿を続けるもう一つの大きな原動力です。

筆者の場合は、主に初学者の方の悩みに寄り添う内容を意識した記事を投稿しています。以下はその一例ですが、初学者がつまづきやすいポイントを説明しています。

3.Qiita 投稿で得られた3つの価値

Qiita 投稿を続ける中で得られた価値を3つに整理しました。
どれも投稿を継続するモチベーションになりますが、筆者自身の大きな気付きです。

価値1:言語化能力が高まる

筆者の場合、Qiita に記事を書くときは、まずどの読者層に向けた記事にするか?を意識するようにしています。なぜなら、読者のスキルレベルや状況により、伝える内容が大きく変わるからです。文章の構成・使う言葉や言葉遣い・説明の深さが読者によって異なるということです。

相手に合わせた理解しやすい表現で伝える一連の流れは、言語化能力を鍛えるトレーニングだと考えています。

例えば、以下の記事ではこのような条件を定めた上で執筆を行っています。

  • 読者層:Azure 初学者
  • スキルレベル:認証・認可の違い含め、曖昧なレベル
  • トーン:筆者自身が初学者になりきり、丁寧に説明するスタイル

選定した条件をもとに書き始めると、筆者の場合はこのような自問自答を繰り返すことが多いです。

  • そもそも認証と認可って、何が違うんだっけ?自身がそう思うなら言葉の定義から説明がいるよね?
  • Azure だとどんな仕組み(機能)で提供されるんだっけ?
  • この言葉で本当に伝わるかな?
  • もう少しやさしい表現にできないかな?

このプロセスを何度も繰り返す中で、実業務での様々な会話において同様に意識することで、スムーズに行える場面が増えてきたと実感しています。
例えば、何らかの打合せがあれば、打合せのゴールや流れ・参加者の役割や立ち位置・スキルレベル・特性などを意識しつつ、会話するなどです。

これは、Qiita 投稿を通じて得た特に大きな価値です。

価値2:知識の理解が深まる

ここでの知識の理解は、技術に関する理解の正確さが高まるという意味合いが強いです。

筆者自身、普段から国家試験やベンダー資格による学習や実業務における各工程(提案、要件定義〜構築)を通じて、担当製品に関する知識は多少なりともあると思っていました。
ところが、実際に Qiita に記事を書こうとすると、あれ、この言い回し厳密には違うんじゃない?と立ち止まる場面が何度もあり、自身の知識が意外と曖昧であることに気付かされました。

特に初学者向けの記事では、基礎知識を分かりやすく伝えようとする中で、新たな技術の学びが得られる場面も多くありました。

書くことで知ったつもりを卒業し、その技術をほんとうの意味で理解できるようになったと実感しています。

価値3:知識が体系的に整理できる

Qiita に記事を投稿する際には、読者に伝わりやすい構成を意識することが求められます。何をどの順番で説明すべきかを考える中で、自身の知識のあいまいな部分や漏れに気づき、必要に応じて関連する技術を調べ直すこともあります。

筆者自身、ある技術について記事を執筆しようとした際、根本的な仕組みや前提知識をあらためて整理することになり、断片的だった知識が体系的に整理でき、より理解を深めることができました。

このように整理された知識は、実際の業務でも非常に役立ちます。筆者の場合、提案資料や各工程においてストーリーや骨子を特に意識した上で資料の作成を行ったり、普段の業務でのメールやチャットのやり取りで書く文章も大きく変わってきました。

4.初めての投稿をスムーズに進めるコツ

初めて Qiita に投稿する際は、何を書けばよいのか分からない・誰かに見られるのが怖い・誤解を招かないか不安など戸惑う方がいらっしゃると思います。筆者も初投稿時には緊張や抵抗感を覚えました。

そこで、これから初投稿に挑戦しようとしている方に向けて、筆者の実体験をもとにスムーズに進めるための具体的なコツをまとめました。

コツ1:経験者に相談する

社内や知人に Qiita 投稿の経験者がいる場合は、迷わず相談するのが一番の近道です。
記事のテーマ・条件選定・構成の相談・投稿後の反響などリアルな話を聞けるのはとても大きな安心材料になります。

筆者の場合、初投稿のきっかけは上司のススメでしたが、実際の投稿にあたってはチームメンバーの先輩から丁寧なアドバイスをもらえたおかげで記事を投稿するハードルが大きく下がりました。

コツ2:人気記事から学ぶ

いきなり自身で記事を書くのが怖いと感じる方には、まず人気記事を読んでみることをおすすめします。自身が書こうとしているテーマに近い記事を検索し、ポイントを意識して読むと、何らかのヒントが得られます。

具体的には、タイトルの言葉選び・構成の流れ・文章のトーンなど、読者に好まれるポイントを意識して読んでみてください。また、自身が読んで分かりやすいと感じた記事をなぜそう感じたのか掘り下げて考えてみると新しい気付きが得られるかもしれません。

コツ3:完璧を目指さない

初投稿では、もっと丁寧に書かなきゃ・分かりやすくしなきゃと完璧を目指しがちですが、むしろ大切なのは書き始めることそのものです。
過去につまづいた経験や整理して初めて深く理解できたことなど、他の人からすれば貴重なヒントになることは数多くあります。

最初の投稿は、誰か一人でも役に立てば良い程度の気持ちで気軽に書いてみてください(筆者はそう思って書いていました)。続けていく中で、文章力や構成力は自然と磨かれていきます。

5.Qiita 投稿で気をつけたいこと

これまで、Qiita 投稿のポジティブな面を中心に説明してきましたが、実際に発信する際には注意すべき点もあります。筆者自身が意識している主なポイントは3つです。

①内容の正確性を確認する
Qiita は社外に向けた情報発信の場であり、誤った内容を公開すれば、読者の誤解を招いたり、投稿者本人や所属企業の信用を損なう可能性があります。
そのため、セルフレビューや社内レビューなどを活用して、内容の正確性を事前にしっかり確認しましょう。

②読者からのコメントに対応する
批判や指摘を受けた場合は、真摯に受け止め、必要があれば内容を見直すことが大切です。①を十分に実施した上での指摘であれば、自身では気付けなかった観点が含まれている可能性が高く、知識をより深めるチャンスになります。

③情報のアップデートを行う
技術は日々進化しており、時間が経つと記事の内容が古くなることもあります。
すべてを完璧に更新するのは難しいかもしれませんが、可能な範囲での更新(ベストエフォート対応)を心掛けましょう。

これらを意識することで、読者から信頼される発信者としての一歩を踏み出せます。

6.おわりに

Qiita での初投稿は勇気が要るものです。筆者自身もそうでした。
一方で、投稿を重ねる中で思考が整理されアウトプットへの抵抗感が現在進行系で薄れつつあるのが実情です。

本記事がこれから投稿を始めようとしている方の後押しになれば幸いです。
まずは、自身の中で印象に残った学びや整理したい知識を一つ書き出してみてください。
その小さな一歩が、自身の成長へとつながるはずです。

皆さん、快適な Qiita ライフを!

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