はじめに
OpenAIは、開発者向けイベント「OpenAIDevDay2023」において、GPT-4 TurboをはじめとするAIモデルの進化に関する幅広いアップデートを発表しました。最新の技術革新により、AIの応用範囲が拡大し、より高度なカスタマイズや統合が可能になります。ここでは、その主要なアップデート内容を要約してお届けします。
詳細且つ正確な情報はOpenAI公式発表からご確認いただけます。
OpenAIDevDay2023まとめ
GPT-4 Turbo 128K
GPT-4 Turboの新機能
- 128Kのコンテキストウィンドウで300ページ以上のテキストを扱う能力
- 2023年4月までの世界の出来事を知識に含む
- GPT-4に比べて入力トークンが3倍、出力トークンが2倍安くなった
- 全ての支払い開発者がプレビュー版を試すことが可能
- 安定した製品版のリリースは数週間以内に予定
Function callingのアップデート
- 複数のFunctionを一つのメッセージで呼び出すことが可能
- 高精度なFunction callingで正しいパラメーターを返す
命令認識(?)とJSONモードの改善
- フォーマットが指定された指示において、以前のモデルよりも性能が向上(「XMLで応答せよ」など)
- 新しいJSONモードは、モデルが有効なJSONを応答することを保証
再現可能な出力と対数確率
- 新しいシードパラメーターにより、モデルが一貫した出力を返す(デバッグに嬉しい)
- GPT-4 TurboとGPT-3.5 Turboは、生成されたトークンの対数確率を返す機能を近々提供開始
GPT-3.5 Turboのアップデート
- デフォルトで16Kのコンテキストウィンドウをサポート
- 改善された指示フォローアップ、JSONモード、並列Function calling(JSON、XML、YAMLの生成等)
- 古くなるモデルにも引き続きアクセス可能
アシスタントAPI、リトリーバル、コードインタープリター
- Assistants APIのリリースにより特定目的のAI構築を支援
- コードインタープリターでサンドボックス環境内のコード実行
- リトリーバル機能による外部知識の統合と活用
- Function callingによりカスタム機能の組み込みを実現
- Assistants APIによりアプリ内で特化したAIエージェント体験を提供
- Assistantsプレイグラウンドでのベータ版APIのコードレス体験提供
APIの新しいモダリティ
GPT-4 Turboとビジョン
- 画像を入力として受け入れ、キャプション生成や詳細な画像分析などのユースケースを可能に
- 1080×1080ピクセルの画像で$0.00765のコスト
DALL·E 3
- アプリや製品に直接統合可能なDALL·E 3をImages APIを通じて利用可能に
テキストから音声へ(TTS)
- 新しいTTSモデルで、テキストから人間のような音声を生成
モデルカスタマイズ
GPT-4ファインチューニング実験的アクセス
- GPT-4ファインチューニングへの実験的アクセスプログラムを開始
- GPT-3.5でファインチューニングを行っている人に積極的にアクセス権付与
カスタムモデル
- ファインチューニング以上のパラメータチューニングサービスを提供
- 最低でも数十億トークンという非常に大規模な独自データセットを持つドメインに適用可能
- 特定のドメインに特化したカスタムGPT-4モデルのトレーニングをサポート
価格の低下とレート制限の増加
低価格化の概要
- GPT-4 Turbo: 入力トークンが0.01ドル、出力トークンが0.03ドルで提供。
- GPT-3.5 Turbo: 入力0.001ドル、出力0.002ドルと大幅値下げ。
- Finetuned GPT-3.5: 入力0.003ドル、出力0.006ドルに設定。
レート制限の増加
- GPT-4の顧客向けにトークン毎分の制限を倍増
著作権シールド
- 著作権侵害に関する法的な請求に直面した場合に、顧客を守るための「著作権シールド」の導入
- 著作権侵害に関する法的請求にユーザがさらされた場合、OpenAIがユーザを保護・費用を支払う
Whisper v3と一貫性デコーダー
- Whisper large-v3のリリース
- Stable Diffusion VAEデコーダーのオープンソース化
GPTストアの展開
- 一般にGPTの作成と共有が可能に
- 今月後半には、検証済みビルダーの作品を集めたするGPTストアが登場予定
- ストア内でGPTは検索可能になり、ランキングも閲覧可能
- 「生産性」「教育」「エンタメ」などのカテゴリでランキングされる
- 今後数ヶ月で、使用者数に基づいた収益化も提供予定