概要
Beamerでスライドを作成する際,デフォルトの設定のままではフォントが細い.
(主にWindows, Linux)
そのため,スライドが投影された際に文字が潰れて見づらい可能性がある.
そこで,RobotoとNoto Sans CJKを用いて潰れに強く見やすいスライドを作る.
環境
- texlive 2018
- コンパイルにはxelatexを利用
- Ubuntu 18.04
フォントのインストール
RobotoとNoto Sans CJK JPをインストールする.
このとき,RegularとBoldだけでなく,他のウェイトもインストールする.
ここではxelatexのfontspecを用いるので
linuxならば~/.fonts
,
WindowsならばC:\Windows\Fonts
にフォントのファイルを置くだけで良い.
スライドの作成
ポイント1.ウェイトはMediumを用いる
プリンブルに
\usepackage{zxjatype}
\setsansfont{Roboto Medium}
\setjasansfont{Noto Sans CJK JP Medium}
と書く.潰れに強くするため,フォントのウェイトはRegularではなくMediumを設定する.
ポイント2.数式フォントにFourierを用いる
本文のフォントを太くしたので,それにともなって数式も太めのフォントを使う.
セリフの中では(おそらく)Fourierが最も濃く見えるので,プリアンブルに
\usefonttheme{professionalfonts}
\usepackage{fouriernc}
と書く.
ポイント3.数式のフォントサイズと本文のフォントサイズを合わせる
対症療法的であるがデフォルトのフォントサイズを14ptに設定した上で,
本文のフォントを小さく設定する:
すなわち,
\documentclass[14pt]{beamer}
と設定した上で
\usepackage{zxjatype}
\setsansfont[Scale=0.85]{Roboto Medium}
\setjasansfont[Scale=0.81]{Noto Sans CJK JP Medium}
とする.
例
% !TEX program = xelatex
\documentclass[14pt]{beamer}
\usepackage{amsmath}
\usepackage{fouriernc}
\usefonttheme{professionalfonts}
\usepackage{zxjatype}
\setsansfont[Scale=0.85]{Roboto Medium}
\setjasansfont[Scale=0.81]{Noto Sans CJK JP Medium}
\begin{document}
\begin{frame}{スライドの例}
\begin{block}{Cauchyの積分公式}
$D$を複素平面上の単連結領域とし$f(z)$は$D$上の正則関数とする.
このとき,任意の $a\in D$に対して
\begin{align}
f(a) = \frac{1}{2\pi\mathrm{i}} \oint_c \frac{f(z)}{z-a} \,\mathrm{d}z.
\end{align}
ただし,$C$は$a$を囲む$D$
内の単純閉曲線である.
\end{block}
\vspace{1ex}
\begin{block}{太字と普通の字の比較}
\begin{center}
\textbf{太字}と普通の字 \quad \textbf{Futoji}とFutsunoji
\end{center}
\end{block}
\end{frame}
\end{document}