生成AIの登場が世界を変えてしまった
2022年末にChatGPTが発表されて以降、生成AIは人間の言語理解や創造的思考を活用する能力を飛躍的に高め、情報収集・分析からコンテンツ制作まで、あらゆる知的作業のプロセスを効率化しました。
その結果、クリエイティブなアウトプットも特定の専門家だけでなく誰もが容易に生み出せるようになっています。教育分野では、学習者が自分の理解度に合わせて瞬時に適切な説明を得られる環境が整い、ビジネスではカスタマーサポートの自動化や製品設計へのAI活用など、産業構造にも変化が及んでいます。
知性の価値がゼロになる?
先週、元OpenAI、現Google AIのLogan Kilpatrick氏のツイートが話題になりました。
「知能の価値がゼロになることを想定していなければ、今後3〜5年であなたは壊滅的な被害を受けるでしょう」
「AIがこれほど高度になった時、人間は何に注力すべきか?」という本質的な問いが世界各地で議論されています。創造的思考、倫理的判断、コミュニケーション、共感といった人間ならではの強みを再確認する動きが見られます。
また、人間はAIを活用し、より高度な問題解決や戦略立案、対人関係に重きを置くようになり、「AIを道具として使いこなすリテラシー」が新たなスキルセットとして重要視されるようになっています。
問いを立てる能力がますます重要になってくる
漠然とした状況下で課題を正しく認識し、正解が明示されていない問題に対して「問い」を立てる能力は、AI時代においてますます重要性を増しているように思えます。
「問題を正しく定義することは、その半分を解決したも同然である」
とは、過去の偉人の格言ではありますが
今や、AIに対して適切なプロンプトを投入しさえすれば、あらゆる情報を提供し、解答を即座に示してくれる時代になりました。だからこそ、これから求められるのは、私たち自身が「何を問うべきか」を見極める力になってきます。
- 膨大なドキュメント、飛び交うチャット、飛び込んでくる最新ニュース
- 人によって言ってることが180°違う
- あっちを立てればこっちが立たない、アンビバレントな状況
- 何が正解なのか分からない、正解があるのかも分からない
日常ってそんなのばっかりじゃないですか。
多様な視点との出会いが「問い」を磨く
では、どうやって、問いを立てる能力って身につくの? ということなんですが、まあ時間は掛かるよ。常に自分との禅問答をしてないといきなりできるもんじゃありません。
ただですね、自問自答・禅問答にも限界があるんですよ。
新人さんが配属されて 「分からなかったら聞いて、迷ったら質問して」 と言うじゃないですか。それで、 「大丈夫です!」 って勢いよく答えるし、質問してこないから大丈夫なのかなって思って放っておくじゃないですか。
それで蓋を開けてみたら、あさっての方向に全速力で漕いで行って、いやーすごいところまで来ちゃってんな、おい、って場面よくありますよね。
分からなかったら聞いて ← 自分で調べて分かったつもりだから聞かない
迷ったら質問して ← 迷わないから質問しない
まあこういう感じですよね。
技術コミュニティのススメ
ですので、問いのセンスを磨きたい人にこそ、私は技術コミュニティに参画することをおすすめします。
昔はね、技術コミュニティに参加する目的は「解を得るため」だったんですよ。
でも今の時代の技術コミュニティは、「問いを探しに行く場所」なのです。
解はAIから得ればよろしい。
ITエンジニアやデザイナー、研究者、学生など、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる技術コミュニティは、「問いを立てる」能力を育むための格好のフィールドとなり得ます。コミュニティは単なる情報交換の場ではなく、まさに「問いの生成」と「仮説検証」が繰り返される学びの生態系なのです。
(1) 多様な視点との出会いが「問い」を磨く
技術コミュニティには、異なるバックグラウンドやスキルセットを持つ人々が集まります。この多様性が、個人では気づかない視点や課題を浮かび上がらせます。
- 他者の発表や議論から、「なぜこの方法を選んだのか」「他にどんなアプローチがあるのか」といった問いが自然と生まれます。
- 自分の仮説や考えを提示したときに、他者からのフィードバックを得ることで問いが深まり、課題を再定義する力が鍛えられます。
(2) 実践的な課題に触れられる
コミュニティでは、実際のプロジェクトや問題を題材にした議論やハンズオンが行われることが多いです。
- これにより、「技術の適用方法」や「解決すべき問題の本質」を考える機会が増えます。
- 自分が関わるテーマだけでなく、他の参加者の取り組みにも触れることで、新たな問いや仮説を立てるきっかけが得られます。
(3) 答えのない課題に取り組む経験
技術コミュニティでは、最新技術やまだ確立されていない領域についての議論が活発です。
- 明確な答えがないテーマに取り組むことが、「どこからアプローチすべきか」「どの仮説が最も妥当か」を考える能力を養います。
- こうした「解のない問い」に向き合う経験が、仮説思考を自然と鍛えます。
(4) 他者に問いを投げかける力が磨かれる
コミュニティでは、質問することで議論が活性化します。
- ただ漠然と質問するだけではなく、「的確な背景情報を提示しながら、相手が考えやすい問いを立てる」能力が重要になります。
- このようなスキルを実践的に磨ける環境が、課題設定力や問いを立てる力を伸ばします。
(5) 最新動向を知ることで問いが深化する
技術コミュニティでは、新しい技術や業界のトレンドに触れる機会が多くあります。
- 自分の知識をアップデートすることで、「今この技術を使えばどんな問題が解決できるのか」「どの分野に応用できるのか」といった具体的な問いが生まれます。
- 最新情報に基づいた問いは、実践的で価値ある仮説へと発展します。
というところまでが一般論。
データラーングギルドのご紹介
私、ケビン松永は日本の大手SIerで主にPMとしてシステム開発に従事していたんですが、40歳を契機に独立し、いまはITコンサルとして引き続き企業のITシステム導入支援に携わっております。
かなり幅広い領域のITスキルはカバーしていて、わりとフルスタックのつもりだったんですけど、データサイエンス方面って、従来のITとは若干領域が異なるじゃないですか。なので、もう少し自分の底上げをしたいと思っていたんですよ。それがちょうど1年前の年末。
で、どこかでデータサイエンスの技術コミュニティに参加したいなーと思って、えいやっと参加したのがデータラーニングギルドです。
データラーニングギルドは、データサイエンスや機械学習、統計解析、ビジネスインテリジェンスなど、データ活用スキルの習得と実践を目指すオンラインコミュニティです。初心者から上級者まで、幅広いレベルのメンバーが参加し、互いに学び合い、知見を深める場を提供しています。
私にとってレベル高すぎず、低すぎず、ちょうど良い温度感で過ごさせてもらってます。
1年間を振り返ってみるとROMが多くて、あんまり活発に投稿できてませんでした。反省。来年はもうちょっと活発にポストしていきたいと思います!という想いを込めて、アドベントカレンダーを書いております。
参加してみて何か変わった?
データラーニングギルドに参加したから、というだけではないのかもしれないですけど
この1年で大きく変わりましたね。
・何冊か本を読んで
・実際にPythonでデータ分析して
・Kaggleとかちょっと触ってみて
・データがあれば可視化手法を考えてみて
ということを日常的にやっていたら、データサイエンス対する苦手意識がなくなりました。
クライアントワークでわりと長期で入っている製造業のCIOが
「せっかくSAP使ってるんだから、もっとデータ分析して提案してくれ」 と言うものの、元請けコンサルが全然ノウハウなくて提案できてなかったので
よっしゃ、自分がやりましょうかーと、夜間休日で勝手分析をしたところ、その分析がCIOにめちゃんこ刺さってしまい 「こういうのを待ってたんだよ」「どんどんやってくれ」「面白い」 とコメントを頂戴して、新しいプロジェクトが立ち上がることになりました。
1年を振り返ってみて、新しいことを始めよう
基本、斜に構えているような性格なので、あんまり意識高い系のことは言いたくないんですけど
いろんな立場の人が頑張ってる姿、熱意や努力を間近で感じると、やっぱり自分自身ももうちょっと頑張りたいなー、挑戦したいなーという気持ちが自然と湧いてきます。
モチベーションは伝染する
なので、もし今後AI時代の恩恵を最大限に引き出したい、データサイエンスのスキルアップをしてみたいと思うなら、データラーニングギルドに参加してみてください。様々な場面で「問い」を磨く機会が得られ、これまでと違った人生が開けてくるかもしれません。
AIでコードが生成できるようになった今、以前よりも格段にハードルは低くなったように思えます。
もう、差がつくとしたら本人のやる気だけですね。
共に学び、成長し、成功を分かち合う喜びを体験したい方の参加を心よりお待ちしています!