ご挨拶
「trocco®」でマーケティング担当しているブライアンです!
東京生まれ下町育ちです。
※この記事は、trocco®のアドベントカレンダー2022に掲載する内容です。そのため、trocco®の推し機能についてもふれます。
想定読者
- マーケター
- BizOpsやビジネスサイド
- PdM
冒頭
マーケターにとって「データ分析」は必須スキルになってきています。
ここでいうデータ分析とは、高度な分析(クラスター分析、決定木分析、機械学習や統計モデリング)の話ではなく、「データベースにあるデータを集計して可視化できる」というレベルの話です。そのため、データ分析というよりもデータ活用に近いかもしれません。
そこで今回は、マーケターがデータ分析を行えると何が良いのかについて勝手に語っていこうかと思います。
なぜデータ分析が必要だと思うのか
パソコンやスマートフォンが普及し、クラウドサービスが次々とでてくることでクラウド上にデータが蓄積されていき、顧客が「いつ、どこで、何をしたか」という行動がデータとして蓄積されていきます。
マーケターにおいて、「顧客の行動を理解すること」は、提供すべきサービス・商品は何かを判断するための重要な意思決定材料となり、売上に直結することが考えられます。
また、これまでアンケート調査やデプスインタビューを通じて顧客理解をしていた方はわかると思いますが、顧客がインタビューで話す内容と実際にとる行動は常に乖離があるものです。
それが「顧客が実際にとった行動」をベースに思考することができれば、より深い議論ができると考えます。
勿論、顧客理解は「データが全てではない」と思いますし、デプスインタビューなどの対話からインサイトを見つけていくことは重要と考えます。一方で「データからわかることは予想以上に多いよ」ということを強調していきたいです。
例えば、、、
例1:20XX年XX月XX日に出稿したFacebook広告では、XXXクリエイティブは1000人にリーチして、50人がクリックしてWEBサイトを訪問し、CVフォームページへは10人が到達し、フォーム入力を完了した人は2人であることがわかった。
例2:アパレルECサイトでは、トップページを訪問した人が1000人いて、商品Aのページを訪問した人は20人いて、そのうち商品Aをカートに入れた人は5人、24時間以内に購入した人は2名だった。また、商品Aを購入した人のうち50%が、72時間以内に商品Aに関連する商品Bをカートに入れることがわかった。このことから、商品Aページに関連商品(レコメンド)として商品Bを見える位置に表示することで、売上が上がりやすくなるのではという仮説がたった。
「データは21世紀の石油」!?世界ではどれくらいデータ量が増えているのか
「データは21世紀の石油」と言われるなど、ビジネスにおけるデータの収集・分析・活用の重要性が増している。インターネットにつながる人・モノが、スマートフォンの普及やセンサーの低廉・小型化などによって急増し、その結果、さまざまなデータが人やモノから生成されるようになっています。
また、世界のトラフィックは2018年から2021年にかけて2倍に増加し、2021年には1ヶ月あたり319エクサバイトに達すると予測されています。
つまり、デジタル化は急速にデータ流通を増加させております。
勘の良い方ならわかる通り、マーケティングもデジタル化が加速しており、すでに国内の広告市場規模もインターネット広告が最大となっております。
マーケターがデータ活用人材になるための5ステップ
では、マーケターが実際にデータ活用をできるようになるためのおすすめのステップを書こうと思います。
これは完全に僕(n=1)の経験談で書いていきます。
0.業務のクラウド化(データ化)
まずは、普段発生している業務をクラウドサービスに寄せて、データとして蓄積していきます。
クラウドサービスを導入するメリットとしては、効率化できること、データ化できることなどが簡単に挙げられます。
逆にデメリットは、費用がかかること、現業務からの移行する学習コストがかかることなどがあります。
業務をクラウドサービスに寄せるというのは、
- Excelで管理していた顧客管理 ➡︎ CRM(Salesforce等)の導入
- 都度おくっていた定型メール ➡︎ MA(Marketo等)の導入
- アポイントのための電話 ➡︎ クラウドIP電話(MiiTel等)の導入
- Excelでおこなっている経理業務 ➡︎ クラウド会計(マネーフォワード等)の導入
などです。
1. ツール(クラウドサービス)でのデータ活用
マーケターであれば、デジタルマーケティング活動でよく使われるFacebook広告、Googleアナリティクス、MAツール(Marketo、Hubspot等)、Salesforce等のツール内にある「分析機能(レポート機能・グラフ作成機能」をつかい、自分の出したいデータを抽出して可視化をしてみましょう。
この時の課題
ツールで提供されている「分析機能」では、業務ごとに分かれたデータとなってしまい、1顧客の行動データを繋がったものとして見ることができない。そのため、深いインサイトを得ることはできず、ツールが吐き出す生データを自分で分析する必要がある。
2. スプレッドシート上でのデータ活用
ツール間を越境して顧客の行動をつなげてインサイト理解するために、ツールからCSVで生データを吐き出し、スプレッドシート上でツール同士のデータを集計・可視化してみる。
この時の課題
ツールからCSVで落とすという手間がかかり続ける。更新頻度によっては毎日作業をしなければならなかったり、リアルタイムで知りたいデータについては対応が困難。
また、スプレッドシート上での可視化は手軽だがグラフの数が限られているのと、日付を変えてグラフの表示を可変したりすることが難しい。
3. スプレッドシートのデータをBIツールで可視化
自分以外の第三者がグラフで一目でわかるようにしたり、日付を絞ってみたり、セグメントを絞った状態のグラフにするなどが簡単に可能になる。
この段階では、手軽にあつかえるLooker Studioをおすめしたい。
この時の課題
引き続き、ツールからCSVで落としてスプレッドシートを更新するという手間がかかり続ける。
※Looker Studioに直接APIでデータを繋ぐことはできるが、ツール間を跨いだデータにしようとすると、JOINをしなければならず、Looker Studio側で実施するのは結構大変
4. DWH(データウェアハウス)からSQLでデータ取得し、BIツールで可視化
複数のツールに散在するデータをDWH(データウェアハウス)に集約する(転送する)ことが必要となります。
※このデータを転送する工程では、是非「trocco®」をお勧めさせてください。trocco®であれば国内のSaaSとの連携も豊富です。
データウェアハウスにツールのデータを集約することができたら、SQLでのデータ取得をできるようになりましょう。これまでのステップよりも、SQLを学ぶということはハードルが高くなりますが、是非データ活用を推進していくマーケターには乗り越えていただきたいと考えております。
SQLを書けるようになることで、世界が広がります。
また、Looker Studioであればカスタムクエリを使用して、SQLを記述することでデータ取得の自動化を実現することができます。
※SQLはどれくらいできればいいの?という回答には「JOIN」を扱えるようになるまでを1つのラインと考えればいいのかなと思います。
SQLを書ければできるようになること(例)
Google アナリティクスのデータをつかって、一人のユーザーをヒットベースデータで追いかける分析を、ページ閲覧だけでなく、イベント発生と合わせて追いかけることができます。
一人のユーザーのヒットベースデータは「ページビュー、イベント、イベント、ページビュー」のようにページビューとイベントが混在した状態になるはずのものを統一的に可視化しようという試みです。
また、GoogleアナリティクスのWEB行動データで顧客が問い合わせをするまでのデータを取得し、そのデータをSalesforce上の商談管理データと繋ぎ合わせることで、あるページをみて問い合わせをした人の商談金額や商談ステージを追うことも可能になります。
5. データウェアハウス上にデータマートをつくりデータを取得し、BIツールで可視化
例えば、Googleアナリティクスのアクセスログのようなデータは過去1ヶ月分を取得するだけでも、数百GBを超えたりするため処理時間や料金が増していきます。また、毎日データを最新の状態にするとなると、1ヶ月後にとんでもない金額になっていたりするので注意が必要です。
金額を抑える工夫のためにも、ビジネス上必要なデータのみにしぼって昨日分のデータだけが毎日テーブルに追加されていくような処理を入れたりして、データマートをつくることをお勧めします。
また、データマートをつくることで、簡単なSELECT文のみで取得することができるため、多くの人が扱いやすいテーブルとなります。
データウェアハウスにツールのデータを転送するときにお勧めした「trocco®」ですが、実はデータマート生成機能もあります。こちらも簡単にデータマートを作成することができるので、ぜひお試しください。
また、僕が好きでやまない「trocco®」のデータカタログ機能も一度は触ってみてほしいです!!!!!
一番感動したのは、Salesforceの無数に増えるカスタム項目をSQLで指定するときのカラム名とセットで表示してくれるところです。すごいのが、カスタム項目名を自動で取得してきてくれるのでメンテナンスコストが本当にかかりません。
これ、SalesforceのデータをデータウェアハウスからSQLで取得していた人なら良さが伝わるのではないかと思います。
マーケターはSQLが扱えるようになるまで頑張ろう
上記では、データ活用人材になるためのステップを記載したが、個人の考えとしてはマーケターはSQLが扱えるようになるまで頑張ってほしいと思っています。
これはマネジメント職などの役職に限らずの話です(大事)。
なぜか
- データベースに欲しいデータが入っているのか自分で判断できる。
- データとして蓄積するためには、どういう作業が発生するのかをイメージできる
- 欲しいデータを自分で出せるので、仮説検証できるスピードがあがる
- 施策を考える人とデータを抽出する人が同じであれば、結果から次の施策の発想も得られやすい
- 手元でROI、CPA、LTVといった計算も行える
上記で書ききれないくらいメリットが沢山あるからです。
学習コストを遥かに上回るメリットが得られると思います。
👇SQLを学ぶメリットはこちらのQiitaを読んでいただくといいかもしれません。
SQLを学びたくなった人へ
ここまで読んでSQLを学びたくなった人は、どうやって身につけていこうかなと考えているかと思います。
そんな方に個人的におすすめしたい学習方法をピックアップしました!
- みんな大好きprogateのSQLコース(無料)
- SQL zooで実際に書いてみる(無料)
- 10年戦えるデータ分析入門を読む(有料)
- 集中演習 SQL入門 Google BigQueryではじめるビジネスデータ分析を読む(有料)
- 達人に学ぶSQL徹底指南書を読む(有料)
ここらへん一通りやるとだいぶ書けるようになるのではないでしょうか。
最後に
trocco®最高おおおおおおおお!!!!!
完