この記事は セゾンテクノロジー Advent Calendar 2024 23日目の記事です。シリーズ2は HULFT10 のエンジニアによる投稿をお届けします。
こんにちは。
HULFT10ではフロントエンドエンジニアとしてAPI Gatewayの開発に途中から参加させていただきました。
今回の記事では技術的な話題からは離れて、私が所属する課での取り組みを少し紹介したいと思います。
読むと地球に少し優しくなれるかもしれません。
テーマは『グリーンソフトウェア』です。
グリーンソフトウェアとは
皆さんはグリーンソフトウェアという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
グリーンソフトウェアとは、ソフトウェア開発の過程でエネルギー消費を抑え、環境負荷を最小限にすることを目指す取り組みの事を言います。
概念としては主に以下の3つが挙げられます。
【エネルギー効率】
ソフトウェアが動作する際のエネルギー消費を最小限に抑える。
⇒ プログラムのコードの最適化やアルゴリズムの改良をすることで改善できます。
【資源効率】
ハードウェアやネットワークのリソースを効率的に利用する。
⇒ これは例えば、メモリ使用量の削減やデータ転送量の最適化が対策となります。
【持続可能性】
ソフトウェアのライフサイクル全体を通じて、環境への影響を考慮すること。
⇒ これは、開発・運用・廃棄に至るまでの全過程を含みます。
ちょっと何を言っているのかいまいちピンと来ないかもしれませんが.…
家電売場などに行くと必ず「省エネ家電」という言葉を目にしますよね。15年くらい前には省エネ性能の高いテレビ・冷蔵庫・エアコンなどの家電を購入するとエコポイントが付与される制度が始まったり、その頃から省エネという言葉が身近になったと感じています。
グリーンソフトウェアはそのようなハードウェアではなく、ソフトウェア側からのアプローチをかけた「省エネソフト」を目指す取り組みと考えると理解しやすいかもしれません。
例えば1つの処理をするために10秒かかっていたプログラムが、コードの最適化によって8秒で処理できるようになったとします。仮に消費電力が一定だとした場合、単純に4/5の電力で処理できるという事です。
これで得られる改善が数ワット程度だったとしても、それがサーバーに常駐するタイプのものであったり、事業の根幹となるソフトウェアの場合はどうでしょうか。改善されるエネルギー効率は決して無視できないものとなります。
会社の電気も再エネ、AWSも再エネ、HULFTは?
ではグリーンソフトウェアがどのようなものなのか概念を理解したところで、ひとつ疑問が生まれてきます。
「どうしてグリーンソフトウェアなのだろう」
弊社が本社をおきます赤坂インターシティAIRでは、「入居企業のSDGs達成に貢献」として2022年度に再生可能エネルギー由来の電力へと切り替わりました。
ASWもまた再生可能エネルギーに注力しており、今年7月には全世界の事業所で使用されている電力が100%再生可能エネルギーになったと発表しています。
ではHULFTはどうでしょうか。
HULFTが多くの企業様にご利用いただいている事を考えると、グリーンソフトウェアの考え方を取り入れていくことは自然な流れかもしれません。
HULFT10でグリーンソフトウェア、何から始めよう?
残念ながら、実際にはまだグリーンソフトウェアな開発は出来てはいません。
そもそも現状のHULFT10がどのくらいCO2を排出しているのか?どのくらいエネルギーを消費しているのか?グリーンソフトウェアを目指すためにまずはHULFT10の調査を今後していきたいと考えています!
その調査には SCI を使います。
SCI(Software Carbon Intensity)は、ソフトウェア利用時の電力・電力の炭素強度・ハードウェアの利用量から、炭素排出量をスコアとして評価する国際規格の手法です。
SCIを提唱しているグリーンソフトウェア財団では以下のように定められています。
SCI = ((E * I) + M) / R
E = ソフトウェアが消費するエネルギー量(kWh)
I = エネルギー1kWhあたりに排出される炭素量(gCO2/kWh)
M = ソフトウェア実行中のハードウェアから排出される炭素量
R = 機能ユニット:ソフトウェアをどのように計るか、たとえばユーザーごとまたはデバイスごと
https://greensoftware.foundation/articles/software-carbon-intensity-a
最後に
『ファイル転送ソフト、どうしようか?』
『環境にも配慮したものを導入しろって上から言われてるんだよね』
『だったらHULFTしかない!』
HULFT10 × グリーンソフトウェア はまだまだこれからですが、いつかそうなれるように、今から出来ることを進めていきたいと思います。