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Swiftの演算子、まとめました。

【2018/09/05追記】
内容はSwift2のものであり、(筆者がiOS開発を離れているため)更新の予定もありません😉
編集リクエストは大歓迎です。@BlueRayi さんありがとうございました。

演算子一覧

Prefix演算子

演算子 作用
++ 1加算※
-- 1減算※
! 論理NOT
~ ビットNOT
+ (単項) +符号
- (単項) -符号

Postfix演算子

演算子 説明
++ 1加算※
-- 1減算※

Infix演算子

演算子 説明 結合律 優先順位
<< 左ビットシフト 無結合 160
>> 右ビットシフト 無結合 160
* 乗算 左結合 160
/ 除算 左結合 160
% 剰余 左結合 160
&* オーバーフロー乗算 左結合 160
& ビットAND 左結合 160
+ 加算 左結合 140
- 減算 左結合 140
&+ オーバーフロー加算 左結合 140
&- オーバーフロー減算 左結合 140
| ビットOR 左結合 140
^ ビットXOR 左結合 140
..< 半開区間 無結合 135
... 閉区間 無結合 135
is 型チェック 左結合 132
as as? as! 型キャスト 左結合 132
?? Nil Coalescing 右結合 131
< 未満 無結合 130
<= 以下 無結合 130
> より上 無結合 130
>= 以上 無結合 130
== イコール 無結合 130
!= ノットイコール 無結合 130
=== 同じオブジェクト 無結合 130
!== 違うオブジェクト 無結合 130
~= パターンマッチ 無結合 130
&& 論理AND 左結合 120
|| 論理OR 左結合 110
?: 三項条件 右結合 100
= 代入 右結合 90
*= 乗算と代入 右結合 90
/= 徐算と代入 右結合 90
%= 剰余と代入 右結合 90
+= 加算と代入 右結合 90
-= 減算と代入 右結合 90
<<= 左ビットシフトと代入 右結合 90
>>= 右ビットシフトと代入 右結合 90
&= ビットANDと代入 右結合 90
|= ビットORと代入 右結合 90
^= ビットNOTと代入 右結合 90
&&= 論理ANDと代入 右結合 90
||= 論理ORと代入 右結合 90

※…++演算子、--演算子はSwift3.0で削除された。

用語

単項演算子(Unary)
被演算子(Operand)が1つの演算子。
前置のもの(prefix)と後置のもの(postfix)がある。

二項演算子(Binary)
被演算子が2つの演算子。
被演算子の間に置かれる(infix)。

三項演算子(Ternary)
被演算子が3つの演算子。
?:の一つだけ(infix)。

優先順位
数値が大きいものほど先に演算される。
単項演算子は二項演算子よりも優先順位が高い。

結合律
優先順位が同じ演算子が並んだ場合は、左結合のものは左から、右結合のものは右から演算される。
(同じ優先順位で、左結合のものと右結合のものは混在しない。)
無結合の演算子が並んだ場合はエラーとなる。

let result = 2 + 3 + 4  // 左から

var str1: String?
var str2: String?
let string = str1 ?? str2 ?? "string" // 右から

let int1 = 1
let int2 = 2
let int3 = 3
int1 == int2 == int3 // エラー

各演算子

代入演算子(Assignment Operator)

=

値の代入。
タプルの場合はそれぞれに代入。
Objective-Cと異なり、値を返さない。

let (x, y) = (1, 2)
// x = 1, y = 2

if x = y { // 判定する値が返らない
    // エラー
}

算術演算子

+, -, *, /

Objective-Cと異なり、オーバーフローを許容しない。

var i: Int8 = 127 // Int8の最大数
i++  // エラー

%

a % b は

a = (b * 整数) + 余り

と解釈される。

-9 % 4 // (4 * -2) - 1 
// -1
-9 % -4 // (-4 * 2) - 1 
// -1

また、Float型にも適用可能。

8 % 2.5 // 0.5

++, --

それぞれ、1の加算、1の減算となる。
prefixは演算の後に値を返し、postfixは値を返した後に演算を行う。
Swift3.0からは削除されたため、+=演算子、-=演算子などを使って代用する(ただし、これらの演算子は値を返さない)。

var a = 0, b = 0
let c = ++a // 1
let d = b++ // 0

+, - (単項)

符号を表す。

オーバーフロー演算子

&+, &-, &*

オーバーフローを許容する演算子。

var i: Int8 = 127 // Int8の最大数
i &+ 1 // -128: Int8の最小数

比較演算子

==, !=, <, >, <=, >=

それぞれ比較の結果のBool値を返す。

===, !==

被演算子が同じオブジェクトを参照しているかどうかを判定する。
(被演算子はクラスのオブジェクト)

三項条件演算子

?:

Swift唯一の三項演算子。

let isSelected = true

if isSelected {
    print("true")
} else {
    print("false")
}
// ↓同じ
isSelected ? print("true") : print("false")

Nil Coalescing 演算子

??

a ?? b (aはオプショナル型)
aがnilのときbを返す演算子。

let alpha: Int? = nil
let beta: Int = 10

alpha != nil ? alpha! : beta
// ↓同じ
alpha ?? beta

パターンマッチ

~=

パターンマッチの結果をBool値で返す。
区間(後述)のマッチによく使われる。

0...100 ~= 15 // true

switch文のcase分岐の際、内部で使われている演算子。

区間演算子

両側が整数 → Range型:for-inに使える。
片側or両側が浮動小数点数 → ClosedInterval型(閉区間)、HalfOpenInterval型(半開区間):for-inに使えない。

...

閉区間:右側の数が含まれる区間。

0...100 ~= 100 // true

..<

半開区間:右側の数を含まない区間。

0..<100 ~= 100 // false

論理演算子(Logical Operators)

Swiftで論理演算子の被演算子となるはBool型のみ。

!

論理NOT

var isSelected: Bool = true
!isSelected // false

&&

論理AND

0 1
0 0 0
1 0 1

(便宜的に、0: false, 1: true)

||

論理OR

0 1
0 0 1
1 1 1

(便宜的に、0: false, 1: true)

ビット演算子

整数値を2進数で表したとき、それぞれの桁同士を論理演算した値を返す。

~

ビットNOT
それぞれの桁同士にNOT演算。

let bit: UInt8 = 0b00001111 // = 15
// ↓
~bit // 0b11110000 = 240

(0bは2進数を表すリテラル。)

&

ビットAND
それぞれの桁同士にAND演算。

let bit1: UInt8 = 0b11111100 // = 252
let bit2: UInt8 = 0b11110000 // = 240
// ↓
bit1 & bit2 // 0b11110000 = 240

|

ビットOR
それぞれの桁同士にOR演算。

let bit1: UInt8 = 0b11111100 // = 252
let bit2: UInt8 = 0b11110000 // = 240
// ↓
bit1 | bit2 // 0b11111100 = 252

^

ビットXOR
それぞれの桁同士にXOR演算。

XOR演算は以下の表の通り。

0 1
0 0 1
1 1 0

(0: false, 1: true)

let bit1: UInt8 = 0b11111100 // = 252
let bit2: UInt8 = 0b11110000 // = 240
// ↓
bit1 ^ bit2 // 0b00001100 = 12

<<, >>

ビットシフト演算子
それぞれの桁を右または左に指定した値シフトする。
シフトにより空いた桁を埋める値は、整数型が符号ありか符号なしかで異なる。

  • 符号なし整数(Unsigned Int)

シフトにより空いた桁を0で埋める

let unsignedInt: UInt8 = 0b11111111 // 255
// ↓
unsignedInt << 4 // 0b11110000 = 240
unsignedInt >> 4 // 0b00001111 = 15
  • 符号あり整数(Signed Int)

最上位の桁は符号ビット(the sign bit)といい、0で正、1で負を表す。
符号あり整数の場合、シフトにより空いた桁は符号ビットの値で埋められる。

let signedPlusInt: Int8 = 127 // 0b0_1111111
signedPlusInt >> 4 // 0b0_0000111 = 7
signedPlusInt << 4 // 0b1_1110000 = -16
// 空いた桁を0で埋めている

let signedMinusInt: Int8 = -127 // 0b1_0000000
signedMinusInt >> 4 // 0b1_1111000 = -8
signedMinusInt << 4 // 0b0_0001111 = 16
// 空いた桁を1で埋めている

参考:マイナス値の2進数での表し方

複合代入演算子

各々の演算後に、結果を代入する演算子。

+=, -=, *=, /=, %=, <<=, >>=, &=, |=, ^=, &&=, ||=

var int: Int = 3

int += 5
// ↓同じ
int = int + 5


var bit: UInt8 = 0b11110000 // 240

bit <<= 4 // 0b00000000 = 0
// ↓同じ
bit = bit << 4

型チェック、型キャスト

is

型チェック。
左項のオブジェクトが右項の型に一致すればtrue、異なればfalseを返す。

let str: Any = "string"
str is String // true

as, as? as!

ダウンキャストを行う。

let str: String = "string"
str as NSString

as!はダウンキャストに失敗した場合、クラッシュする。
as?はダウンキャストに失敗した場合、nilが入る。

let str: Any = "string"
str as! Int // 実行時エラー
str as? Int // nil

演算子オーバーロード

既存の演算子の書き換え・定義されてない型への定義。
オーバーロードとカスタム演算子(後述)の導入が可能なのは単項演算子と二項演算子のみ。
書き換えは用法と用量を守りましょう。

// * を + に書き換え
func * (left: Int, right: Int) -> Int {
    return left + right
}

2 * 3 // 5

// 左側;String、右側:Intに + を定義
func + (left: String, right: Int) -> String {
    return left + String(right)
}

"Number: " + 3 // "Number: 3"

カスタム演算子

新たに演算子を定義。

// 累乗を計算する演算子を定義
infix operator ** { associativity left precedence 161 }
func ** (left: Int, right: UInt) -> Int {
    var powered = 1
    for _ in 0..<right {
        powered *= left
    }

    return powered
}

2 + 3 ** 2 // 11

参考文献

The Swift Programming Language
https://developer.apple.com/library/prerelease/ios/documentation/Swift/Conceptual/Swift_Programming_Language/BasicOperators.html#//apple_ref/doc/uid/TP40014097-CH6-ID60
https://developer.apple.com/library/prerelease/ios/documentation/Swift/Conceptual/Swift_Programming_Language/AdvancedOperators.html
https://developer.apple.com/library/prerelease/ios/documentation/Swift/Reference/Swift_StandardLibrary_Operators/index.html#//apple_ref/swift/opfunc/s:ZFSsoi2teuRq_Ss9Equatable_FTq_q__Sb

開発のプロが教える-Swift標準ガイドブック
http://www.amazon.co.jp/開発のプロが教える-Swift標準ガイドブック-渡辺-龍司/dp/4839953546

おわりに

Qiita初投稿でした!楽しかったです!

"プログラミングガイドを読むべし"みたいな話を何度か聞いたことがあったのですが、「参考書の方が速く読めるし、物によるけど説明も丁寧だし、、」と敬遠してきました。
今回初めてプログラミングガイドにしっかりと目を通し、「全部書いてある...。(当然)」と。
原典にあたる大切さを実感として得ることができました。

ビット演算子等まだ理解が及ばない部分も多いので、間違い等ありましたらご指摘下さい。

こういったイベントに積極的に参加する会社っていいですね!(宣伝)

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